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アトラシアンにおけるアジャイル開発① 〜ふりかえりの方法〜

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アトラシアンはアジャイル開発ツール、コラボレーションツールなどを開発するソフトウェアメーカーです。自社の製品開発ももちろんアジャイル開発で行っています。

この記事ではアジャイル開発の3つの作法として「ふりかえり」「スプリント計画」「スプリントレビュー」を取り上げ、それぞれどのように取り組んでいるのか、3回に分けてご説明いたします。第1回の今回では、「ふりかえり」について考察します。

アトラシアンにおける ふりかえり とは

プロジェクトをふりかえる時期がくるとアトラシアンでは、各メンバーが次のようなことを考えます。

  • 上手くいったことは何か?
  • 自分は、何を達成したか?
  • 自分のどのような点を更に改善していきたいか?
  • 今年できなかったことで、来年やりたいことは何か?

ふりかえり とは、スプリント、イテレーション、あるいはリリース後に行われるミーティングを指します。これによって、アジャイルチームが学習・成長し、製品文化と開発文化をより一層向上させる機会を得られます。また、成功点と問題点に焦点をあてることで、チームがプロセスを継続的に向上できるようになります。

以下は、アトラシアンのスクラムチームの一般的なふりかえりを、最初から最後までまとめたものです。私たちは、チームのふりかえりにかける時間を、大体1時間に設定しています。お勧めのエクササイズも試してみて下さいね。

Step1. ファシリテーターの設定

ふりかえりを成功させるには、ディスカッションをリードしてミーティングを進行させる強力なファシリテーターが必要です。多くのチームでは、スクラムマスターかチーム内の誰かを選び、チームのふりかえりをまとめる人を指名します。

アトラシアンでは、チーム外の人物にふりかえりの進行を担当してもらうと、非常に有意義な結果に繋がることが分かっています。その理由は、全員がミーティングに参加でき、かつ、進行役に気を取られることがなくなる点にあります。更に、ファシリテーターも自分とは別のチームの手法を直に知ることができ、異なるチーム間でのナレッジ共有を促進できます。

Step2. スプリントスコア(データ)の検証

ふりかえりの開始にあたって、まずファシリテーターが全ての参加者に対して 1 (最悪) から 10 (最高) の数字をふせんに書くよう指示します。この数字は、スプリントに対する参加者の総合的な印象を反映したものになります。つまり、スプリントに対する直感的なレベルでのチェックです。(この部分は、わざと非構造的にしてあります。より細かい測定に関して後ほど考察します)。

参加者の記した数が他人には分からないように、進行役にふせんを渡します。皆に結果を伝えた後、前回のふりかえりの際の数値と比較していきます。

オプション : スプリントスコアの代わりに、「スプリントを表す」絵をふせんに描くよう全員に指示し、4分の時間を与えます。これによって、参加者の緊張をほぐし、全員が頭を柔軟に使うことができるようになります。

Step3. アジャイルレポートを用いた考察

基本的にスプリントスコアは、スプリントを質的に検証し、チームの士気がどのような状態にあるかを把握するものです。一方、スプリントの背後にある定量的データを理解することも重要になります。

アトラシアンでは、3つのレポートにより、ふりかえりを行うチームの考察を導き、定量的データを収集します。チームのふりかえりを成功させる上で、以下のレポートを活用することをお勧めします。

スプリントレポートとスプリントバーンダウンチャート

スプリントレポート は、完了した作業、まだ完了していない作業、そしてスプリント開始後に追加された全ての作業、をリスト化するものです。バーンダウンチャートは、作業の達成率を経時的に示したものです。

このレポートを使って、以下の質問をしてみましょう。

  • チームとしてスプリントの予測どおりの結果になったか?
  • チームのバーンダウン(達成率)は、皆が期待した結果となったか?
  • スプリント途中で、作業の追加あるいは削除はあったか?
  • スプリント内で完了しなかった作業はあったか?その場合、理由は何であったか?

目標 : 実際のデリバリーと予測したスプリントを比較して理解します。スプリント中に進捗を管理するためにバーンダウンチャートを利用しましょう。

ベロシティレポート

ベロシティレポートは、過去7回のスプリントにおける、達成予測作業量と実際に完了した作業量を表示します。つまり、作業の進行速度を明らかにするものです。

このレポート使って、以下の質問をしてみましょう。

  • このスプリント中のチームのベロシティ (速度) はどの程度であったか?
  • その傾向は加速しているか、減速しているか、あるいは一定に保たれているのか?

目標 : チームの経時的なアウトプット量を追跡します。コミットメントと実際の達成値が近いことが望ましいです。また、新しいアジャイルチームにおいては、ベロシティが経時的に上がっていく必要があります。

コントロールチャート

コントロールチャート は、サイクル時間、すなわち課題の完了にかかる時間を示しています。

このチャートを使って、以下の質問をしてみましょう。

  • 課題のサイクル時間は、安定的に保たれているか?
  • 類似したストーリー・ポイントの値を持つ課題の場合、その達成に必要な時間は同じぐらいであったか?

目標 : サイクル時間を減らしていきましょう。同じストーリー・ポイントを持つ課題では、サイクル時間が類似することを立証しましょう。

Step4. エクササイズ形式で、議論が必要なトピックを発見

アトラシアンでは、次のスプリントに向けたチーム内の個人的な希望を調査する際、ふりかえりを利用する場合があります。私たちは、これを スタート / ストップ / 継続と呼ばれるエクササイズを通じて行っています。それぞれの用語にはこのような意味があります。

  • スタート : チームがやり始めるべきことは何か?
  • ストップ : チームが止めるべきことは何か?
  • 継続 : チームが続けるべきことは何か?

ホワイトボードに3つの列を描き、それぞれ「スタート」「ストップ」「継続」と記します。タイマーを5分にセットして、参加者がふせんにこの3項目を書き込んでいきます。タイマーが鳴ったら1人ずつ立ち上がり、ふせんを声に出して読みながら、ホワイトボードの該当箇所に貼り付けていきます。

Step5. ドット投票を行い、公平にチームのテーマを決定

全員が各自のフィードバックをボードに貼付けた後は、関連性のあるものをまとめていきます。ボードをざっと見渡して、ひとつのトピックが複数のふせんに書かれていないか確認します。類似した分野のフィードバックは、ボードの一ヶ所に集めます。

次に、スタートとストップの列に関して、3つの票 (チームの規模に応じて少ない場合もあり) を1人ひとりに与えます。全員に立上がってもらい、ふせんにドットを描いて投票してもらいます。全員が投票した後は、各列の上位 3つの項目をチームのテーマとして採用し、考察を始めていきます。

Step6. ディスカッションを行い、合意事項とアクション項目を作成

チームの投票が終わった後は、ディスカッションに突入します。チームが不平不満を述べるのではなく、解決策に向けた考察をまとめていきます。

ディスカッション中は、メモをとりましょう。グループが、トピックに対してある種の同意に達した場合、確認のためアクション項目を再度見直し、その担当者を決定します。社内の情報共有システムにふりかえりページを作成し、アクション項目の担当者など全ての内容を記入します。

ふりかえり の時間の大半を、このディスカッションに費やしましょう。 ふりかえり のディスカッションに用いる時間は、大体 30 分から 1 時間を目安にします。成功の秘訣は、上述の各ディスカッション項目に対して厳格な時間の割り当てを行い、選択された各トピックに十分な時間を設けることです。また、ファシリテーターはグループの考察がトピックから逸れないようにまとめ、担当者を割り当てたアクション項目を作り出しましょう。

Step7. 結果を公表し、成果を明確に伝える

ふりかえりの結果は、チームの全員と共有することが大事です。社内の情報共有システムなどを利用して、結果とメモを共有しましょう。私は情報共有システムにふりかえりのテンプレートを作成し、そのページを開いて、ミーティング中にメモを取る用意をしています。これで、ミーティング後すぐにチームに公表できるのです!

教えてください!

あなたのチームは、どのような方法でふりかえりを行っていますか?あなたの組織では、フィードバックを得て開発文化を改善させるために、どのようなベストプラクティスを採用していますか?

【次回記事】第2回は、 アトラシアンにおける「スプリント計画」の方法です。 (※来週 12月2日(水) にて配信予定)

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