黒田 悠介さん
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「パクってカスタマイズ」から生まれる事業構想 「パクタマイズ思考」の実践法

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事業構想のひとつのアプローチに「アナロジー思考」というものがあります。アナロジー思考を日本語で近い言葉で説明すると、「類推」です。別の似た事象の性質を当てはめることで、ある事象を考えることを言います。

例えば、よくECサイトで見かけるカート機能。これは現実世界における「買い物カゴ」の役割をオンライン上で持たせたものという意味で、アナロジー思考の一例と言えます。また、AKB48の総選挙で、CD購入によって投票権を与える仕組みも、キャバクラで目当ての女性にたくさんお金を使ってナンバーワンにする、という構造とアナロジーだと思っています。AKBの場合はナンバーワンではなく「センター」と呼ばれていますね。

「パクってカスタマイズする」パクタマイズ思考とは?

アナロジー思考は、事業構想にも役立ちます。他の事業の構造を参考にし、要素を入れ替えることで新しい事業を構想することができますね。既にうまくいっている事業には必ず参考にできる要素があるので、アナロジー思考によってそれを自分たちも取り入れることができるというわけです。

個人的にはこの手法を覚えやすくするために、「パクタマイズ思考」と呼んでいます。パクってカスタマイズする、という意味です。さすがに著作権があるものをパクったり、ほとんどそっくりパクるのは問題ですが、抽象化した構造をパクることは問題ありません。

ゼロベースで考えることももちろん重要ですが、発想の起点としてパクタマイズ思考を取り入れることで、アイデアを膨らませやすくなります。

まずは「関係者マップ」を書いて構造化する

では、実際にパクタマイズ思考を実践するには、何から始めていけば良いのでしょうか。特に事業構想においては、まずは関係者をマッピングした構造化を行うことが有効であると思います。これを「関係者マップ」と呼びます。

まず、事業の関係者を分解して考えます。例としてUBERの関係者マップを考えてみます。この時、厳密さはあまり必要ではありません。発想の道具として役立てば十分です。

UBERの関係者は、大きく分けて「ユーザー」「ドライバー」「UBER」の3つです。さらに、その関係者の間でどんなコミュニケーションや取引が行われているかをベースに、両者の関係性をマップに記載していきます。

UBERの関係者マップ

そうすると、このようなイメージになります(上図)。この関係者マップを書くことで、事業の概要を捉えることができます。ここまでできれば、事業を「要素」と「構造」に分けることは簡単です。要素はそれぞれの関係者や、矢印によって表現されているものです。そして、構造はそれらを取り除いても残る、要素間の関係性です。

今回の例では、構造を残して要素を入れ替えることで「〇〇版UBER」と言えるサービスをたくさん発想することができるはずです。「ドライバー」という要素と、その要素が提供していた「即時送迎」という価値を入れ替えて発想してみましょう。

◯◯版UBER

実際に関係者の「???」にいろいろなものを入れると、既に多くの〇〇版UBERがあることがわかります。弁当を入れればbento.jpになりますし、飛行機を入れればflyvictorに、クリーニングならWashioになります。最近ではコールセンター版UBERやファッションモデル版UBERなど、移動や配送に限らず様々な展開が見られ、この構造の適用範囲の広さに驚かされます。あなたも是非この構造から少なくともひとつ、新しい事業を発想してみてください。

事業構想ではあらゆる発想法を試すべき

パクタマイズ思考、いかがでしたでしょうか?ぜひ皆さんの事業構想にお役立てください。他にも様々な発想法がありますが、事業構想においては、あらゆる発想法を試す価値があります。

発想法には大きく分けて左脳的なロジカルシンキングを活用したものと、右脳的なクリエイティブシンキングを活用したものがあります。それぞれ単体で語られることが多いですが、実際には両方を組み合わせて使うのが最も効果的です。右脳と左脳を組み合わせる、いわば全脳的なハイブリッドな発想を実現することが重要だと考えています。

<参考>ハイブリッド思考法 http://www.slideshare.net/kurodakuroda/2-55286218

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