黒田 悠介さん
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  • 黒田 悠介

「パターン」を発見し10年後を読む、大局的思考法とは(前編)

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世の中は変化であふれています。事業や政治の力によって起きる変化もあれば、人為的なものとは関係なく起きる変化もあります。どちらのケースにせよ、インターネットの出現とグローバル化によってその変化の速度は爆発的に早くなっています。

この状況は、停滞している者にとっては脅威ですが、その波を起こす者、もしくはその波に乗る者にとってはチャンスになります。魅力的なチャンスがあると見れば多くの参入者がそこに群がっていき、あっという間にレッドオーシャンと化し、お祭り騒ぎです。似たようなサービスがたくさん生まれて、グローバル化し、一気に普及していくことは日常茶飯事。今年話題になった新サービスが、来年にはいくつ生き残るでしょうか。

ファーストペンギンになるために

ファーストペンギン

新規事業を構想するときの大きな分岐点。それは新たな市場を開拓するファーストペンギンになるか、後発でも素晴らしいサービスを投入してシェアを奪うか。今回は前者について考えてみたいと思います。

誰もやっていない新しいことをしようとすると、当然ですが、その事業が本当に世の中に受け入れられるのか、という心配がつきまといます。さらに、まだ誰もやっていないということは「やってもお金にならない」とか「極度に難易度が高い」という可能性すらあります。

そこで重要になるのが、未来を予測する大局的な思考です。ここでは「大局思考」と呼びましょう。実社会という複雑系では、確実に未来を予測する方法はありません。しかし、確からしい予測を立てて動き出すことはできます。未来を予測することで、誰もやったことがない事業でも成功する可能性が高まります。

中国で破竹の勢いで成長しているあのシャオミの創業者である雷軍氏もこう言いました。

風の吹くところに立てば、豚だって空を飛べる

変化を先読みして、まだ誰も見つけていない風の要所を見つけましょう。そうすればあなたの新規事業が驚くべき成長を遂げる可能性は格段に高くなります。

変化の「3つのパターン」の見極めが重要

変化が起き始めた時点では、それをチャンスだと認識できている人は多くありません。ライト兄弟が飛行実験を成功させたときに、その技術を仮に耳にしたとしても、秘められた大きな可能性に気がつくことは難しかったでしょう。

ですが、もし仮に変化の発端を知ったときに未来を予測できれば、誰も気がついていないその大きなチャンスをものにできます。あるいは、破壊的な危機を回避することもできるはずです。

変化には3つのパターンがあります。自分たちが事業を行おうとしている領域に影響する変化を正しく認識するためにも、その変化がどのパターンに当てはまるのかを見極める必要があります。

  1. 一方通行
  2. 回帰
  3. 振動

変化のパターンはこれら3つに分類できます。それぞれの変化パターンについて、代表例を挙げて説明します。

変化のパターンその1 「一方通行」

何かしらの数値が1つの方向に単調増加(減少)していく変化パターンです。例を挙げるならIntel創業者の1人であるゴードン・ムーアが1965年に提唱した、「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則が当てはまります。このムーアの法則は、半導体の進歩についての経験則のことです。

この法則が正しければ、PCの性能は指数関数的に向上してくことになります。より小さいデバイスで、より多くの処理を速く行うことができるようになる。当然、PCの処理能力は高いほうが良いので、反対方向に(性能が落ちる方向に)変化が逆転することは無いでしょう。ただし、技術的な限界によって、変化の度合いが減速することは大いに考えられます。

こういった一方通行の変化タイプは、何に因って限界が訪れるのかを察知しておくことが重要です。変化を駆動する因子と変化を抑制する因子の均衡点を先読みできれば、かなり先まで予測することは可能でしょう。集積回路の場合は量子力学が適用されるサイズになってくると限界が訪れるのではないかと思っています。

しかし、逆に量子力学的特性を活用する技術によってPCの処理能力にブレークスルーが起きる可能性(量子コンピューティングなど)も大いにあるので、この予測は現時点では難しいです。今後の動向を常にウォッチしておく必要があります。

他にも、エントロピーの増大(閉じた系は秩序から無秩序へ向かう)も、この一方通行に当てはまります。このような一方通行の変化をビジネスに活かす場合には、変化のスピードがいつ加速あるいは減速するのかを予測することが効果的です。

※後編(12月17日8:30配信予定)に続きます。

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