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アジャイル開発におけるプロダクトマネージャーの役割とは【連載/第1回】

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アジャイルの世界では、製品と機能は流動的であると考えられています。目に見えて変化していくという点において、アジャイル開発はまるでラバライト(※1)のようですが、決定的に違う点があります。

(※1)ラバライトとは、照明器具の一種で、中に入った水や浮遊物が動き視覚効果を演出する。

それは「戦略」を持って変化するかどうか、という点です。アジャイル開発におけるプロダクトマネージャーの役割はまさにその「戦略」を作る部分にあり、以下細かく整理していきます。

プロダクトマネージャーの本当の役割は製品要件書を作ることではない

アトラシアンでプロダクトマネージャーを務める醍醐味の1つは、多くの顧客と話す機会があることです。優れた製品を開発する過程での成功談や、チームが抱えている課題について、顧客からさまざまな話を聞くことができます。

その中でアジャイル開発のプロジェクトマネージャーから、下記のような懸念がよくあがります。

「チーム内で要件定義に関する衝突が生まれ、プロジェクトの障害になることがよくあります。アジャイルチームの製品要件書(PRD)はどのようなものでしょうか?そもそも、アジャイル開発において製品要件書は必要でしょうか?」

このような懸念があるのは当然ですが、アジャイル開発におけるプロジェクトマネージャーの本当の役割は製品要件書を作ることではありません。重要なことは顧客の問題を理解することです。

アジャイル開発において顧客の問題を理解するための方法

では、アジャイルの世界で、プロダクトマネージャーはどのように顧客の問題を理解すればよいでしょうか。

さまざまな実験や探究を経て、コンテキストを想定し、ユーザーストーリー(※2)を作りましょう。以下、顧客を理解するための方法の一部をまとめます。

(※2) 顧客の視点からサービスや商品の要件を記述したもの

1.ミーティングを開いて、顧客の問題をスケッチしましょう。

2.顧客を含めメンバーを部屋に集め、ユーザーストーリーマッピング(※3)演習を行いましょう。

(※3) ユーザーストーリーを時系列に並べ、優先度付けをおこなうことで、サービス・商品が満たすべき要件を整理し、チーム全員で共有するためのツール

3.顧客を訪問して、製品を使用しているコンテキストを観察しましょう。

エンジニアやデザイナーを同席させ、顧客の意見や問題点を聞けると望ましいです。

4.製品に分析機能を搭載し、顧客が全体として製品をどのように使用しているのかについて具体的な総合データを取得しましょう。

さらに詳しく顧客を理解したいと考えるならば、主な利害関係者を集めてワークショップを開き、ホワイトボードによる図表化や文書上のプロトタイピングを行って、問題とその解決方法を探りましょう。

このように、プロダクトマネージャーの役割は顧客を理解することです。以前は、プロダクトマネージャーの仕事はほぼ要件書作成のことを指していました。20 ページ、50 ページ、あるいは 100 ページにも上る要件書の作成には、かかりきりの作業が不可欠になるので無理もありません。

しかし、アジャイルの世界における要件書の作成は、顧客の問題を明確にし、伝えるための方法の一つにすぎません。事実、私は要件書の作成を回避しようとしています。ユーザーストーリーを細かくわかりやすいユーザーシナリオや問題の説明に分ける場合、私たちは通常、課題管理システムを使用します。

このシリーズでは今後、顧客インタビューに関するヒント、要件の定義および共有のための簡単なアプローチなどについて説明します。次回もぜひご覧ください!

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