浜田 俊さん
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  • 浜田 俊

BIトレンド2016(前編)セルフサービス分析の動向、他4トレンド

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2015年は、ビジネスインテリジェンス業界が大きく変化した年でした。多くの企業が、業務にデータを活用することの重要性に気が付きはじめたのです。

ビジネスインテリジェンスのポジションも大きく変わりました。マーケティングや集客に活用されるだけではなく、企業文化そのものに影響を与え、結果として企業自体も変化するケースも多く見られます。この変化は、テクノロジーの進化やデータを活用する新しい手法によって引き起こされたものです。

2016年、このようなトレンドはどのように変化していくのでしょうか。今回は予測されるトレンド10個を前・後編でまとめました。

BIトレンド・Tableau

トレンド1: ガバナンスとセルフサービス分析が、切っても切れない関係に

もともと、企業がデータを意思決定に活かす「BI」を実行するためには、社内の専門家が情報を収集・加工し、グラフなどを活用しダッシュボードを作り、経営陣に提示していました。また、各部署からの依頼を受け、そのつど専門家がデータを収集・加工して提供することが一般的でした。これは、社内の専門家によってデータの統制(ガバナンス)が効いている状態といえます。

しかし、各部署からのリクエストが増えると、応答に時間が掛かるようになってしまいます。そこで、ビジネスの現場にいるユーザーが、自分自身で必要なデータにアクセスをしてグラフなどを使いダッシュボードを作ることを可能にしたのが、セルフサービス分析です。

これまで、これらのガバナンスとセルフサービス分析は互いに相容れない概念だと考えられていましたが、それらが切り離せないものになりました。現場のユーザーがデータを扱うセルフサービス分析を進めるためには、データセキュリティ、コンプライアンスなどの統制を行わなければならず、ガバナンスが不可欠になるからです。

握手

そのため、データを使う側のビジネス部門とガバナンス側のIT部門が対立する時代が終焉を迎え、両部門の距離は縮まりつつあります。これは、データガバナンスを正しく行うことで分析を行う社風が培われ、結果としてビジネスのニーズに応えられるようになることを、企業が学んだからです。

クリーンで高速なデータソースにまとめてアクセスでき、セキュリティとパフォーマンスが(IT部門によって)しっかりと管理されている環境であれば、データ分析はもっと行われるようになります。

トレンド2: ビジュアル分析が共通語に

ビジネスの日常生活における会話も、データによって変わってきています。 データを可視化することで、ビジネスの現場にいるユーザーでも疑問があればすぐに調べられるようになり、有益な情報を見い出すことができます。データサイエンスの知識がなくとも、ストーリーを共有できるようになりました。

仕事やプライベートでデータを使う人がこれからもっと増えるでしょう。また、企業の採用試験においても、データを元に物事を判断できる人が求められていくのではないでしょうか。

インサイトが速く得られ、有意義な共同作業を行えるビジュアル分析は、データでつながったコミュニティの形成も促し、共通言語として扱われるようになります。

トレンド3: データ製品の「自由化」

セルフサービス分析ツールの登場により、世間の期待は大きく変化しました。2016年は、Z世代(*)の労働人口がさらに増えることもあり、データを継続して使用できる環境の強化が求められます。

(*1)Z世代:1995~2008年生まれの常にインターネットに接続されている世代

必要なデータを臨機応変に形にできなければ、ビジネスの現場にいるユーザーが分析ツールを繰り返し使い続けることができません。セルフサービス分析の延長として、セルフサービスのデータ準備ツールや、さらにはセルフサービスデータウェアハウス(*2)の需要が高まるのはこのためです。

セルフサービス分析

このように、現場のユーザーが自由にデータを扱えるデータ製品が広がることで、変化する優先順位に迅速に対応できるようになります。

(*2)データウェアハウス:時系列に整理された大量のデータを管理するシステム

トレンド4: さらに進むデータインテグレーション

最近、多くの企業がアジャイル分析を目指してきています。アジャイル分析とは、ソフトウェアにおけるアジャイル開発をBIに適応したもの。作るべきダッシュボードの仕様をはじめに100%定義するのではなく、「計画」→「実行」→「検証」→「計画」といった素早い反復のプロセスの中で定義していく手法です。「どのような分析が成果につながるか」は、試してみなければわからないため、アジャイル分析が注目されています。

そして、アジャイル分析によって、必要なデータを必要な人に正しく提供できるように注力している企業も多いのではないでしょうか。しかし、データは企業内の様々な場所に存在しているため、必要なデータを必要な人に正しく提供するのは簡単なことではないでしょう。複数のデータソースを使った作業は、面倒な上、不可能な場合もあります。

データ可視化

そこで、2016年には、データインテグレーション(データ統合)の分野に多くの企業が進出してくるでしょう。データインテグレーションに関する高機能なツールが増え、新しいデータソースが加わることで、企業は全てのデータを1カ所に集める必要がなくなります。データセットひとつひとつに接続して、アジャイルなツール・手段を使ってブレンドや結合を行い、複数のデータを組み合わせて使うようになります。

トレンド5: 高度な分析は、もはやアナリストだけのものではない

組織のあらゆるところでアナリストでない人が、分析技術をさらに向上させていきます。こういった人たちは、データで作られたチャートだけでは満足せず、もっと深く、意味のある分析作業を行う意志も強くなっています。

結果として、企業は統計を応用し、データにいくつもの質問を投げかけ、ダイナミックに分析ができるプラットフォームを導入することになります。

以上、前編では、セルフサービス分析の動向など、2016年のトレンド1〜5について触れました。後編では下記のトレンドを解説します。

  • クラウドデータとクラウド分析の飛躍的な成長
  • 分析のセンターオブエクセレンス (COE) の発展
  • モバイル分析が自立する
  • IoT データの分析が活発化
  • ギャップを埋める新しいテクノロジー

後編の配信は、1月8日(金)を予定しています。ぜひご覧ください!

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