Naoya Takahashiさん
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CCO就任後、1年で取り組んだこと(第1回)まずは「文化を作る」役割を明確に

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組織文化作りのリアルなケースを共有したい

より良い組織文化を作るにはどうしたらいいのか?

これは私自身、ずっと頭を悩ませてきた課題です。今、私はリレーションズ株式会社のCCOを務めています。CCOはChief Culture Officerの略で、平たく言うと「組織によりよい文化を作るためにあの手この手を尽くす人」のことです。

とは言え、自分みたいな小物がどれだけ必死になったところで文化なんか作れるわけないとも思っています。そうは思いながらも、可能性に溢れたこの組織をもっともっと強くしたいという一心で、約1年かけて下記のような取り組みを進めてきました。

CCO

リレーションズは従業員40名程度の創業7年の会社です。会社の規模や歴史が違えば、直接的に役にたたない部分もあると思いますが、「組織文化作りのリアルなケース」を発信していきたいと思います。

というのも、自分がCCOがになって最初に困ったのは「組織文化作りってどう進めたらいいのか」というインプットの部分でした。組織文化作りの話をしようとすると、自社の弱い部分も一緒にさらすことになりますよね。そういう背景もあり、Googleのようなドヤ顔で内部を開示できる一部の会社を除いて、リアルなケースがまだまだ世の中に出回っていないなと思います。

だからこそ、具体的なケースを知ることが非常に有意義だと感じています。私も自分の得た学びやリレーションズで起きた事例などを、できるだけ赤裸々に私の言葉でまとめることで、少しでもそこに貢献できたらいいなと考えています。

第1回目の今回は、組織文化を作る上でまず取り組んだ「役割の明確化」について書きたいと思います。

組織文化はマーケティングの20倍あいまい!? CCOの定義は十人十色。

CCOは日本語で言うと最高文化責任者にあたるのですが、そもそも「文化」って言葉がすごく曖昧ですよね。「文化人」とかなんかうさん臭いし、中学校の「文化委員」の活動は謎に包まれてましたし、「文化部」に至っては運動部以外の部活の総称という強引な定義です。文化って言葉がますます分からなくなりますね。。

例にもれず「組織文化を作る」という領域も曖昧で、組織の目的や規模によってもやるべきことがかなり異なります。そのせいか、マーケティング、営業、開発、財務のような他のビジネスの分野と比べて体系化された書籍も少ないです。

実際に「マーケティング 本」のようにググッてみると、マーケティングで2,730万件、営業で9,850万件、財務で3,430万件もヒットするのに対して、「組織文化 本」だと140万件しかヒットしません。

本

そうなるとCCOの定義も結局、企業によって千差万別になります。実際に”Chief Culture Officer”(著:Grant McCracken)という書籍で語られていたCCOの役割は、どちらかと言うとBtoCの企業にフォーカスをしていて、社内の文化だけでなく、自社のユーザーとの繋がり方も含めて「文化」と定義して、ブランディングにも近い領域の仕事を指していました。

CCOという役割は2006年にGoogleが社内に設置をしたのが有名で、海外の企業にはチラホラいらっしゃるようですが、どこまでを「文化」と定義して、それをどういう状態にしたいのかという定義もそれぞれの企業でバラバラなのではないでしょうか。

まずは「文化を作る」という役割を明確にすること

このような目に見えない「文化」に取り組んでいくにあたり、最初に行ったのが目に見える「役割」を与えることでした。すると、「文化」をという掴みどころのない概念を、周囲が意識をしてくれるようになります。

例えば「営業スタッフが、他の会社に訪問して、契約を取ってくる」とか「エンジニアが、コードを書いて、新機能を実装する」とか、目に見えるし、結果も定量化もしやすいですよね。一方、組織文化作りとなるともう真逆です。下手すれば「1人で相撲をとっている人」にも見えかねないです(笑)。

文化作りを推し進める側は「飲み会を開催する」みたいなことを、業務として大真面目にやってたりするわけです。そこでも「文化作り」という大義名分がハッキリしていれば、色んな企画や仕掛けも”ただの遊びではない”という前提で理解をしてもらえるようになります。

正直なところ当時の自分にはそこまでの思考はできていなかったですが、今振り返るとCCOを名乗るようになったことで、「1人で相撲とってるんじゃないで。相手がおるんやで」と伝えることができて、活動がスムーズになったと思います。

相撲

5年以上も前から社内にCCOがいらっしゃったVOYAGE GROUPには、CCOだけでなくコーポレートカルチャー室がありますし、組織づくりで有名なサイバーエージェントにはカルチャー推進室があります。ニワトリが先か、タマゴが先かみたいな話かも知れませんが、「文化作り」の役割が明確になっている組織は、それだけ強い組織文化を持っているようにも感じます。

自分でやる?みんなでやる?ありたい姿が伝わるように発信する

2015年1月、私がCCOとして動き出すことを社内にプレゼンする機会があったのですが、CCOの役割を「会社と個人がもっとイキイキして、ガンガン成長する文化作りを促進する」と表現して、CCOがやるのはあくまで「きっかけ作り」だと皆に伝えました。

それまでメンバー皆が作ってきた文化でしたし、リレーションズは「自発」という価値観を尊重する組織なので、皆の自主性を損ないたくはなかったわけです。

でも私の伝え方が少し弱かったようで、「自分はきっかけ作りでしかなく、みんなで作っていこう」というメッセージは最初はいまいち伝わっていませんでした。そのプレゼンの後、私が社内に対して色々な取り組みを進めていったんですが、やや違和感があったんですね。

他のメンバーから何気なく「今、会社にこんな仕組みが必要だと思うんですよね」と相談された時に、「あ、でもそれってCCOの領域ですよね」という反応がセットになることもあって、これはミスったなと。

そこから他のメンバーが社内向けの取り組みを進めるために背中を押したり、MVP制度などによってそういう自発的な活動を賞賛をしたり、徐々にメッセージを伝えていきました。実際に自分以外のところから社内報が始まったり、全体会議のやり方も大幅に変更されたりと、今では「組織を良くするためであれば、個人が気になったことは自由に動いてもいい」という共通認識ができていると思います(もちろん相談は来ますし、必要であれば自分がその取り組みを巻き取ることもありますが)。

社員みんな

結局「組織文化」は、メンバー1人ひとりの考えていること、言っていること、やっていることの総和でしかないと考えています。前に話に上げた”Chief Culture Officer”という書籍で、コンバースが2005年に掲げたブランドに対する指針が引用されていて、それは私の考える組織文化とも通じるところがあるのかなと思います。

"We don't own the brand. Consumers do."

(私たちがブランドを持っているのではない。カスタマーが持っているのだ。)

組織文化を作っていく上では、この「カスタマー」は社員全員を指しています。中には強力なリーダーシップを発揮して、組織に文化を根付かせていけるスーパーマンもいらっしゃると思いますが、自分も含めてなかなかそんな人はいませんよね。

そんな中で私の役割は、「組織文化がどんどん良くなっていくようなきっかけを、会社に与え続ける」ことだと考えています。具体的にどのような施策に取り組んでいったのかを、第2回目以降の記事に書かせていただければと思います。

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