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簡潔で役に立つ製品要件書を作成するポイントとは?【連載/第7回】

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プロダクトオーナーとチームが同じ考え方を共有していれば、膨大で詳細な要件は必要ありません。

今回は、簡潔で役に立つ製品要件書を作成する上でのポイントを整理しました。

ターゲット顧客に対する共通認識を生み出す3つのポイント

ターゲット顧客に対する共通認識と共感があることで、プロダクトオーナーは膨大な製品要件書を作成する必要がなくなり、実装に関する詳細は開発チームに任せることができます。

では、この共通認識をどのように醸成すれば良いでしょうか。

  1. 顧客インタビューの場には、デザインチームと開発チームのメンバーを同席させ、プロダクトオーナーからの情報に頼らずに顧客の意見を直接聞けるようにしましょう
  2. 顧客のペルソナを明らかにして活用しましょう。チームメンバーにはそれぞれ固有の視点や考え方があり、ペルソナが製品開発にどのような影響を及ぼすのかを理解する必要があります
  3. チームスポーツのように協力して、全員で課題に優先順位を設定しましょう。プロダクトオーナーが作業に優先順位を設定した理由を理解する絶好の機会となります

簡潔な製品要件書を作成する上で注意すべき5つのパターン

下記のケースに当てはまる場合、簡潔で役に立つ製品要件書を作成できない可能性が高いです。チェックしてみてください。

  1. エンジニアリング作業を開始する前に、プロジェクト全体の細かい仕様が指定されている
  2. 作業を開始する前に、徹底的なレビューとすべてのチームからの厳格な承認が必要とされている
  3. デザイナーと開発者が要件の更新時期を把握していない
  4. そもそも要件が一度も更新されない (全員が要件を承認したため)
  5. チームが参加することなく、プロダクトオーナーが要件を記述した

簡潔な製品要件書に含まれる8つの項目

Atlassian では、Confluence (Atlassian のチームコラボレーションツール) の製品要件テンプレートを使用し、1ページに製品要件をまとめます。1ページの製品要件の中には下記の 8 つのセクションが含まれています。

▼Confluence画面

Confluence

1.参加者、ステータス、リリース目標

ページの上部には下記の項目を記載します。

  • 参加者 : 誰が関与するのか? (プロダクトオーナー、チーム、利害関係者など)
  • ステータス : プログラムの現在の状態 (目標どおり、リスクあり、遅延、保留など)
  • リリース目標 : プロジェクトの出荷時期

2.チームのゴール

チームのゴールについて無駄なく十分な情報を記載します。

3.背景と戦略的適合性

なぜこのプロジェクトを実施するのか?企業全体の目標においてどのように位置付けられているのか?を記載します。

4.前提条件

技術、ビジネス、ユーザーに関する前提条件を記載します。

5.ユーザーストーリー

ユーザーストーリーを記述またはリンクします。また、顧客インタビューの結果へのリンクも記載し、関連するスクリーンショットも記載します。

6.デザイン

デザインに関する調査とワイヤフレームをページにリンクします。

7.疑問点

チームが解決すべき問題を把握すると、疑問点も出てきます。そのような疑問点を管理するために、「判断または調査が必要な事項」の表を作成します。

8.除外事項

除外事項を明確にすることで、チームが目の前の作業に専念できるようにします。現時点ではスコープに含めず、後日検討する可能性のある事項にフラグを設定します。

 製品要件を1ページにまとめる3つの利点

製品要件を1 ページにまとめる利点について以下説明します。

1.時間の節約

1ページにまとめてシンプルにすることで、チームメンバーがこの情報にアクセスする時間を節約し、正確なビューを与えることができます。

2.優れた柔軟性

簡潔に 1 ページにまとめる大きな利点の一つは、文書に変更を加えやすいことです。膨大な製品要件であれば、変更を加えるのも大変です。

3.集合知

1ページに簡潔に要件をまとめることで、他のチームのメンバーによる貢献や提案が容易になります。他のチームのメンバーが会話に加わり、有用なフィードバック、提案、類似プロジェクトから得た教訓を提供した回数に驚くばかりです。このような仕組みを作ることで、大規模組織が小さなチームのように感じられます。

 簡潔な製品要件を作成する4つのポイント

簡潔な製品要件を作成するポイントは下記です。

1.適度なコンテキストと詳細

要件ページ内には多数のリンクを埋め込んでいます。このようにすることで、複雑さを和らげ、必要に応じて読者に情報を徐々に開示できます。次のような詳細リソースをリンクします。

  • 機能の背景、検証、コンテキストを知るための顧客インタビュー
  • 類似するアイデアを提案しているページやブログ
  • これまでの話し合いでの資料、技術文書および図
  • 製品デモのビデオや、外部ソースからの他の関連するコンテンツ

2.プロジェクト管理システムと連携し現在のステータスを確認

ストーリーの大筋が決まり、プロジェクト管理システムに課題として入力した後、要件ページ内からプロジェクト管理システムのその課題にリンクします。このように 要件を管理するシステム(Confluence)とプロジェクト管理システムを同期することで、それぞれの課題の現在のステータスを要件ページからすぐに確認できます。

3.ツールの活用

Visio、Gliffy、Balsamiq のようなツールで作成した図を使用すると、チームに問題が伝わりやすくなります。その他のイメージ、ビデオ、ダイナミックコンテンツを組み込むことができます。

4.チームメンバー全員の参加を促す

最も重要な点は、チームメンバー全員を参加させることです。単独で要件書を作成するのは止めましょう。必ず開発者の協力を得て作成すべきです。チームとページを共有し、フィードバックを得ます。意見を述べ、質問を投げかけ、それぞれが考えたことやアイデアを提案するよう促しましょう。

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