高野 秀敏さん
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スタートアップ、ベンチャーの採用力を高める④ 候補者を口説くために重要なのは「ヒアリング」一択!

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スタートアップ、ベンチャー企業の多くが苦労をされている「採用」。前回の記事では、採用活動のメインイベントである「面接」をテーマに、候補者の本音を引き出すのに有効なポイントをご紹介させていただきました。

▼これまでのシリーズ一覧

最終回となる今回は、これまでの努力が身を結ぶ「内定」の話になります。内定を出すタイミングで注意することや、内定者の本音を駆け引きによっていかに引き出すか。本当に難しいことではありますが、これまでの経験から思うところをお伝えできればと思います。

内定を出すタイミングを見誤ると、恐ろしい結果が待っている

内定を出すタイミングは、非常に大切なポイントです。ここでひとつ間違いを犯してしまうと、それまでの苦労が水の泡になりかねません。そこで重要になるのは、状況把握だと考えています。

例えば、他社の先行においてまだ一次面接どまりで、その結果が出ないと決められないという内定者がいるとします。そこで先に刺しきると決めて内定を早く出す場合には、回答期限を1週間などに決めておく方が良いと思います。

この判断は非常にデリケートです。タイミングを誤ると、例えばライバル企業がこちらの提示した給与条件を見て、それをわずかに上回る金額でオファーを出してくる危険性もあります。できればエージェントなどに相談をして、適切な時期をきちんと見極める必要があると思います。

タイミング

うちの会社は第二志望? 本音で話せる関係性ができているかが重要

ここでとても大事なことを書きます。内定段階では、「御社は第二志望なんです」と正直に言ってくれる関係性ができているかどうか、が非常に大事なポイントになります。

これはどういう意味かと言うと、「エージェントと本音でコミュニケーション」を取り合える関係性を築けているということです。候補者の方から「御社は第二希望なんです」と言ってもらうことはかなり困難ですので、エージェントからその情報をもらえる関係を築くことが、最も重要です。

正直に「第二志望」だと伝えてもらえれば、その原因を探ることができます。例えば内定者が、「俺、営業やりたくないんだけど、結局は営業か」と思っているにも関わらず、企業側がそれに気が付いていないケースがよくあります。もしそう思っていることを知っていれば、別の可能性を提示できますよね。

このように面接では話しきれなかった部分が原因で、第二志望になってしまうことが本当に多いんです。一度や二度の面接だけでは、ミスコミュニケーションはどうしても発生するものです。でもそのギャップを把握して埋めさえできれば、自分たちが第一志望に変わることもあり得るんですね。

戦略

採用において、お互いが本音で話すことは非常にハードルが高く、私も完璧にできているわけではありません。しかし、そのような関係性を作っておくことは、採用のミスマッチをなくすためには非常に重要になります。

エージェントに「サポートしたい」と思わせることも重要

そのような関係性を築くことは難しいとは言え、できる限り実現していきたいと誰でも思いますよね。エージェント側の立場から言えるのは、エージェントがそこまで踏み込んだコミュニケーションをするのは、「この会社様を絶対にサポートしたい」と感じたときだということです。

そのような状態を業界用語では「エージェントをよく握れている」なんて言いますが、要するに大事なのは「信頼関係が構築できているかどうか」です。エージェントがそこまでのサポートをしてくれない場合というのは、そのリレーションができていないケースが多いと思います。

結局最後は、お互いの熱意がものを言います。やはり売上が上がる会社さんは、それだけ採用に力を入れているということですから、エージェントも力はかけますね。ただし求職者の方が判断を迷っているときのアドバイスということで考えると、影響力ほとんどないと思います。エージェントが「こっちの会社に行け」とは言えませんし、それで決めてくれるほど甘くはありません。

候補者を「口説く」には、落とせるツボを知らなくてはダメ

候補者を口説くために一番大きなポイントになる条件は、やはり給与になると思います。求職者側も年収に1割の差があれば、悩むのが普通です。この点においては、前述したように、先に内定を出した企業が不利になりがちです。

給与

ただエージェントに依頼している場合は、もう少し給与を上乗せする可能性がある旨を事前にエージェントだけに伝えておくこともできますし、ライバル企業に先に条件を提示させるために待つという方法も取れます。

給与面の条件にほとんど差がない場合は、仕事の中身や一緒に働く人、労働時間といった勤務条件が判断基準になってきます。ただ実は、企業側がこの優先順位を、きちんとヒアリングできていないことが多いのが実情です。

その人には何が刺さるのか、転職のモチベーションは何なのか、そういったことは内定を出す前にしっかり聞いておくべきです。ただ、聞けば教えてくれる人もいれば、答えられない人もいますし、ヒアリングは困難を極めます。しかし同時に、その情報を知ることができれば非常に有利になります。

結局、その候補者の方の「ツボ」をヒアリングできていなければ、まず口説くことはできません。そして内定時のクロージングトークは、営業センスのある人が行う方が効果的ですね。

例えば「成長したい」と思っている候補者にはそのような環境が用意できるという話をするべきですし、「早く帰りたい」という人には働き方についてお伝えする。しっかりと相手のニーズを掴み、それに刺す話し方をすることが本当に重要です。

採用力を上げるには、やはり地道な努力が必須

以上で「ベンチャー・スタートアップの採用力」は最終回となります。採用力の高い会社が実践している、大事なポイントをいくつかご紹介させていただきました。

しかし結局のところ、採用力を上げるためにトリッキーな近道はありません。重要なのはやはり地道にヒアリングを重ね、候補者の本心にたどり着いた上で、心を動かす努力をするということです。

今回の連載が多くの方にこの連載が参考になれば、大変うれしく思います。

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