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HRハッカソン【後編】 Cisco社が取り組む「HR Breakathon(ブレイカソン)」とは

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前編では、アメリカシリコンバレー企業が取り組むHRハッカソンの概要、その取り組み事例として、LinkedInの“HRハッカソン”をご紹介しました。

▼前編記事はこちら▼
「HRハッカソン」とは? ハッカソンとデザイン思考が人事を変える【前編】

後編では、Cisco社の取り組む“HR Breakathon(ブレイカソン)”の取り組みをご紹介します。

HRハッカソンモデル導入方法

デザイン思考で従業員エクスペリエンスを変革する

CiscoのSenior Vice President(専務)およびChief People Officer(最高人材活用責任者)を務めるFran Katsoudasと彼女のチームは、Ciscoの人事に対するイメージを変えようとしていました。

そこでCiscoでは、人事部の通常業務を丸一日ストップさせ、「新しい人事ソリューションを創るために、人事部のメンバーと重要な社内の関係者、またステークホルダーとが協力し合う」時間をつくることを、従業員に対して宣言したのです。

Katsoudasによると、この取り組みによるゴールは

  • 人事部において、採用候補者の検索・採用から、社員の人材開発、会社との関係構築における従業員エクスペリエンスの向上に焦点を当てること

  • より質の高いものを提供するために、事象の大小を問わずハッキングする=改良すること

  • 人事組織におけるプロセス思考を強化するイベントを部署や国をまたいで開催すること

でした。

このHR Breakathonの企画・実施を行った人事部のSenior Directorを務めるGianpaolo Barozziは「我々は丸一日を使い、楽しいクイズやアプリの作成などの、Ciscoの協働テクノロジーを通して、デザイン思考を駆使することで、従業員エクスペリエンスが最大限、向上するようにHR Breakathonを設計した」と語っています。

デザイン思考とHR Breakathon

HR Breakathonの取り組みから得られた「105」の人事ソリューション

この取り組みには、800名以上のCiscoの人事関連社員が参加。採用、新入社員研修、社員研修、チーム開発、リーダーシップにおける105もの新しい人事ソリューションを生み出しました。

その中のソリューションをいくつかご紹介すると、

1.バーチャルコンシェルジュによる入社時経験の向上
(YouBelong@Cisco” and “improving New Hire Experience through ‘Virtual Concierge’)
—YouBelong@Cicso:Ciscoに入社した初日やその週に必要な事項に関して、新入社員とそのマネージャーを手助けし、Ciscoでのキャリア経験の始まりをより良いものにするためのモバイルアプリ

2.「アレックスに聞いてみよう」 ~あなたのためのインテリジェントコンパス〜
(Ask Alex: Your Personal Intelligent Compass)
—人事関連の質問に対して、速くて、正確で、その個人にパーソナライズされた情報を提供してくれるアプリ。

3.人事分析ブレイクスルー
(”HR Analytics Breakthrough”)
—人事分析のエコシステム(ビジネスの仕組み)を設計するための、「受身の人事分析」、「積極的な人事分析」、「戦略的かつ予測的な人事分析」の3つのステージから成るアプローチを手助けするツール

(LinkedIn Talent ブログ“How Hackathons Can Help You Re-imagien HR”より引用)

HRハッカソンモデルを、貴社の人事でどう活用するか?

LinkedInとCiscoの取り組みを振り返ってみると、「年間を通じて定常的な業務をこなしている」という人事の業務イメージを、「より良い従業員エクスペリエンスと関係性構築の提供に尽くしてといる」というイメージに変えていくには、3つのポイントが挙げられます。

Employee experience

1.人事イメージの変革の基礎を作るためにデザイン思考を活用する

HRハッカソンの取り組みを通じて、従業員の行動パターンを可視化するカスタマージャーニーマップを作ることから始め、どのように人事が現状を変革することができるかを、デザイン思考を活用して考えます。

実際、LinkedInやCiscoが発見したことは、従業員が「職場でどのようなエクスペリエンスを期待するか?」という質問をされた時に、伝統的な福利厚生などではなく、簡単に新しいアイデアを提案できたり、すぐに不明点に関して解決策を見つけたり、自身の身の回りにあるテクノロジーを活用することをより期待していることが分かりました。

2.従業員にワクワクしてもらえるようなコミュニケーションを創出する

LinkedInとCiscoが行ったHRハッカソンはともに、人事とそれ以外の部署がしっかりコミュニケーションが取れるように開発されていました。

例えば、重要な役員への週次のニュースレターや、“What is a hackathon?”から始まる内容のソーシャルメディア上での告知、ブログなどが挙げられます。

そこには、人事部がどのようにより良いサービスを社内に提供できるか、という期待感で社員が盛り上がっている様子が紹介されていました。人事が新しいソリューションを考えるだけでなく、現場と一緒になって何か新しいプロセスをともに作るという新鮮さも生まれました。

3.重要なステークホルダーや人事にとってのお客様とパートナーシップを構築する

HRハッカソンの取り組み範囲は、人事部の社員やインターンと、人事以外の社内のステークホルダーや人事にとってのお客様(社員など)まで広げることができます。

HRハッカソンの取り組みによって、人事部が新しいプロセスを構築することを強化でき、自社の社員を中心とした会社内のコミュニティの関係性構築まで踏み込み、素晴らしい従業員エクスペリエンスを作ることができます。

HR Breakathon

次回は「アラムナイ(退職者コミュニティ)」の海外事例

次回の記事では、アラムナイ(自社を退職された方)コミュニティに関する海外の取り組みをご紹介します。

ますます加速する売り手市場の中で、ビジネスSNSなどを活用して採用候補者の母集団を拡大するだけでなく、過去に自社で働いていた社員を活用したアラムナイコミュニティの見直しをしている企業が増えてきています。

なぜアラムナイコミュニティが必要なのか、どのように運用すればよいのか、など具体的な事例をご紹介したいと思います。

ぜひ、次回もご覧ください。

LinkedInのお客様事例の一覧はこちら

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