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もう「ブロックチェーンの会社じゃない」LayerXを、僕らが「いま」楽しめる理由【エンジニア3名鼎談】

LayerX様_seleck

「すべての経済活動を、デジタル化する。」というミッションのもと、ブロックチェーンやアセットマネジメント、さらにはDX SaaS事業として請求書AIクラウド 「LayerX インボイス」を展開する株式会社LayerX。

同社代表の福島氏が公開し話題となったnote「LayerXはブロックチェーンの会社じゃありません、という話でも書かれていた通り、同社の事業は創業時から大きな変化を遂げました。

本インタビューでは、そんなLayerXのエンジニア組織の「いま」をオープンにお聞きするべく、DX事業部で活躍中の3名のエンジニアの方にお話を伺いました。

  • 「ブロックチェーンの会社じゃない」LayerXで「いま」働く理由は?
  • toCサービスからゴリゴリのtoBに転職されて、正直どうですか?
  • 高速開発・改善で知られるLayerXのエンジニア組織に「弱点」はありますか?
  • いま「足りていない」人材ってどんな人ですか?

こうした問いに、現場で働く皆さんはどう答えるのでしょうか? エンジニアのキャリア論という意味でも、必見の鼎談です。

▼LayerX DX事業部について

経理DXプロダクト「LayerX インボイス」の開発を担う。現在は業務委託のメンバーも含めると事業部全体で25人が所属し、うち、11人をエンジニアが占める(※2021年8月時点)。詳しくはこちら

▼本記事でお話いただいた皆さま

高江 信次(たかえ しんじ)さん

主にインフラ構築や運用を担当するリードエンジニア。
新卒でソニーに入社後、R&Dを経て新規事業開発へ。EdTech系のtoC / toBのWebサービス開発に関わる。退社後に約1年間のフリーランス期間を経て、2019年の12月にジョイン。
最近のエンジニアブログ:Terraform import のススメ ~開発効率化編~

高際 隼さん(たかぎわ しゅん)さん

シニアソフトウェアアーキテクトとして、OCR機能の開発などを担当。
新卒でサイバーエージェントに入社し、スマートフォンゲーム事業の複数プロジェクトにて技術責任者を担当。LayerXには、2018年8月の設立時のタイミングからジョイン。
最近のエンジニアブログ:Amazon ECS AWS Fargate で動作する「LayerX インボイス」のコスト最適化手法

中川 佳希(なかがわ よしき)さん

シニアアーキテクトとして、APIからフロントエンドまでの開発を担当。
大学生時代から長期インターンをしていたエウレカに新卒で入社し、創業期を経験。その後2016年よりフリーランスのエンジニアとして産学連携プロジェクト等にも参加した後、2020年にジョイン。
最近のエンジニアブログ:freee API Goクライアントライブラリを公開しました

▼左から高際さん、中川さん、高江さん

LayerX様

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「いきなりブロックチェーン」の道は、いまの日本社会には早すぎた?

ーー本日はLayerXさんの組織のありのまま、ということで色々と切り込んでお伺いできればと思います。

一同 よろしくお願いいたします。

ーーでは、早速本題に…。「LayerXと言えばブロックチェーン」というイメージも世の中にはあるのかなと思いますが、その中で皆さんがいまDX領域のSaaS開発をされていることについて、どう捉えていらっしゃるのかなと。

中川 私は2020年に入社したので、当時はブロックチェーンを掲げつつ、社内プロジェクトからですが、DX事業を開始しようとしていたんですよね。その点、ギワさん(高際さん)と高江さんは私より前に入社しているので、どう思っているのか聞きたいかも。

高際 そうですね。自分としては「ミッションを再定義した」と捉えています。創業から色々と経験を重ねる中で、徐々に「ブロックチェーンが活用されるにはもう少し時間がかかるのではないか」とわかってきた…という背景がありまして。

既に世界的な規模で使われているブロックチェーンの事例は、貿易事務やトレーサビリティ(※)の領域です。共通しているのは、多数の企業がお互いを信頼し合い、情報や資産を流通させていること。そうした領域では、ブロックチェーンという改ざんが難しい仕組みをを使うことで、みんなが幸せになるんですね。

※「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」を追跡可能な状態にすること

ですが私たちが事業を作っていく中では、そういった企業間の連携をすぐに実現するのが難しかった。と言うのも、多くの会社では、そもそも社内のデジタル化すら進んでいない状況なんです。

であれば、ブロックチェーンで企業「間」をデジタル化する前に、企業「内」のDXを進めるべきだよね、と。長い目線で考えた結果、いまに至っているという認識です。

中川 自分もいま1年やってきて、一足飛びでいきなり社会に浸透する技術なんて早々現れないよな、と思っています。時間をかけてやっていくぞ、という気持ちをみんなが持っているのではないでしょうか。

LayerX様.005ーー素人目線ですが、「ブロックチェーンがやりたくて入ったのに…」みたいな、がっかりする気持ちにはならないのかな? と少し気になるところもあります(笑)

高江 いい質問ですね(笑)

一同 (笑)

高江 僕が入社したときは、「絶賛ブロックチェーン」のフェーズでした。ただ当時から、個人的にもブロックチェーンはいまの日本の社会にはちょっと早すぎるかな、という見方はしていました。

ブロックチェーンは、1社で使うならこれまでにあったデータベースと実質ほとんど変わらないんですよ。ギワさんも言っていましたが、複数社が共通のデータベースを持って、お互いにウソがつけないデータを共有できることが大きな利点です。

ですがそもそも、まだ企業内データを紙に印刷してキャビネットに保管しているような会社も多い。であれば、まずはブロックチェーンに載せるデータのデジタル化からだよねと。

LayerXも最初はすぐにブロックチェーンを活用できる道を探していたけれど、いまはその前段としてのデジタル化を進めている、ステップを踏んでいると捉えています。

高際 エンジニアの中にはブロックチェーンを長く研究されてきて、その領域にこだわりが強い方もいらっしゃると思います。ただLayerXの場合は、技術そのものは知っていても、仕事のレベルでは後から勉強して知った人がほとんどです。

私自身も、身につけた知識や技術で世の中に良い結果を還元していきたいので、その方法はブロックチェーンじゃなくてもいいのかなと思います。やっぱり物事には順序があるじゃないですか。カレーを作るにも、まず野菜を切らないといけませんよね。

中川 DX事業部は特に、ブロックチェーンの技術的な面白さを突き詰めるだけではなく、現実世界の難しさを解決することに興味を持っている人が多いですね。現実に即したプロダクトを考える、バランス感を備えている組織だと思います。

実はtoCサービスからの転職者も多い組織。toB事業に抵抗はなかった?

ーーちょっと別の軸で、皆さんtoCサービスからtoBへのご転職ですよね。わりとtoCにこだわりがあるエンジニアさんもいるのかなと思いますが、そのあたりはいかがですか?

中川 正直、20代の頃はあんまりそこを考えてはこなかった部分があるかもしれないです(笑)ただ、toBはビジネスドメインの勉強にもなるし、やってみたかったことのひとつではありました。

toCは一人で開発することもできますが、ビジネスにしっかり入り込んでいくことは難しいので。ひとつの経験として、ポジティブに捉えていましたね。

LayerX様

高際 僕は結構ミーハーで(笑)新卒でサイバーエージェントに入社しましたが、当時はパズドラの流行もあり、スマートフォンゲームの市場が非常に盛り上がっていて。技術者として成長できる機会が多いのでは、ということで選択したんですよね。

実際にゲーム業界に入ってみると「生きるためになくてもいいもの」だからこそ、収益をあげることの難しさを経験して、すごく面白くて。LayerXに入ったのも近い文脈というか、「ブロックチェーン面白そう」というミーハー心が最初はありましたね(笑)

ーーミーハー心、いいですね!(笑)

高際 でもそれで、最初はけっこう苦労したんですよ。それまでは「自分たちが面白いと思うゲームを作る」感覚だったのが、「顧客の課題に向き合う」に変わったので。最初は案件を担当してもなかなか受注できず、お客様とのコミュニケーションを圧倒的に増やすなど、自分を変えていく必要がありました。

高江 僕はあまりtoB、toCという切り方では考えていないかも。どちらかと言うと「違うビジネス分野をやってみたかった」ことがLayerXに来た動機として一番大きいですね。その前が教育関係で、さらにその前がハードウェアだったので。

ただtoBの面白さのひとつとして、お客様との距離が非常に近く、フィードバックがとても具体的でかつ早いことがあると思います。

toCの経験者がそれまでに培った素早いサイクルでどんどんプロダクトをアップデートすると、お客様から「もうできたの?」と驚かれることもよくあり、そういった生の反応をいただけることも開発のモチベーションにつながりますね。

高際 toCの場合、ユーザーが多すぎるので一人ひとりの声を反映するのが難しく、大きなデータを見て施策を決めていくしかないことも多いですよね。

一方でLayerX インボイスでもtoCのノウハウを活かしてデータ分析から打ち手を決めることも多くあり、デジタルネイティブな会社の文化も大切にしています。

高速開発・改善でお馴染みのチーム。エンジニア組織としての「弱点」は?

ーーLayerX インボイスさんのエンジニア組織は、note等の発信を拝見していても、「完全無欠の高速改善サイクル!」というイメージなのですが(笑)、組織として改善していきたいことはあるんでしょうか?

高際 今日のランチタイムにちょうど話していたのですが、開発が若干「行き当たりばったり」と言いますか、お客様の要望ベースなので、長期的な計画の解像度が低いということはあるかなと思います。

「このぐらいの時期にこのくらいの企業に入るといいよね」という感じで、具体的にどういう機能が必要か、という部分は少しぼやけている。ただここは、敢えて決めきらない部分でもあるんですよね。

LayerX様.007

高江 意図的に見通していない、ということですね。最初から正確に見通そうとすると時間もかかるし、外れたらまたやり直しになって無駄も大きいので。いまはまさに事業の立ち上げ中で、お客様からの要望もどんどん変わるので、「わかることだけで、直近のことだけ判断して事業を育てている」という感じです。

僕の前職のR&Dだと、3ヵ月、半年、1年ときっちり計画を立てて、地道に積み重ねていきたいタイプの人も多かったので、進め方としては真逆ですね(笑)

中川 チーム内にも割と「どうせ変わるっしょ」みたいな雰囲気はありますね(笑)1週間たったらまるっと戦略が変わっていたりしますし。でも、そういった変化を楽しめる人が多いと思います。

ーー今後人数が増えていくと「何を目指してるかわからない…」といった声も出てくるかも…という懸念もある感じでしょうか。

中川 そうですね、将来的にはあると思います。

高際 その分、情報共有はかなり密にしています。チーム全員が毎日夕方に集まってミーティングをしたり。

高江 Slackもほぼ全てパブリックなので、必要な情報は自分から取りにいけますね。その中で実際、セールスやCSとお客様のやり取りを見ていると、「やっぱり事前に決め切るのは無理だな」と感じます。なので、いま本当に必要とされるものにフォーカスする、という意識はみんな持っていると思いますね。

ーー例えばLayerX インボイスを開発されてる中で、めちゃくちゃ変わってすごく大変だった…といったエピソードはありますか?

高際 それで言うと、ずっと大変です(笑)

一同 (笑)

LayerX様.004

高江 そもそもDXと言っても「どこまでやるのか」という問題はずっと話し合っています。例えば、新規プロダクトの展開方針や、そのスタートタイミングなどですね。四半期に一度くらいのペースで、こうした大きいディシジョンメイキングがあります。

高際 インボイスの開発は2020年の秋くらいからスタートしましたが、それまでは経理と言うよりもう少し幅広い領域で考えていたので、作っては捨て、作っては捨ての繰り返しでしたよね。

まだ仕組み化できる領域がたくさんある。いま来てほしい人材は?

ーー組織として、他にも「ここをもう少し強くしたい」というところはありますか?

中川 社内のDX、効率化という点ではまだスペースがたくさんあると思っています。この1年、エリートがひたすらハードワークした…みたいなところがあって(笑)誰かがいなくなったらできなくなることもあるので、もっと仕組み化していきたいですね。

高江 同じ文脈で、開発チームの成熟度もまだまだかなと。現状はかなり属人的で、1人ひとりに「自分で判断して良しなに動いてもらう」ことを期待しているところがあります。

スプリントプランニングでのタスクの切り方も、担当する人の裁量に委ねられているので、大きさがまちまちで。そこをもっとうまく調整して、新しく入ってきた方も最速でパフォーマンスを出せるようにしていきたいと思っていて、少しずつ整備しています。

ーースプリントの話が出ましたが、プロダクトに関する意思決定はどのようにされているのですか? 現状、PM専任の方はいらっしゃらないとお聞きしましたが。

高際 絶賛、募集しています(笑)ただ全く不在ということではなく、現状はプロダクトオーナーとテックリードから業務をシフトしている2人を中心に、スプリントごとにやることを決めています。

ただ、意思決定の場には誰でも参加して良いことにしているので、エンジニアだけではなくビジネスサイドのメンバーが参加することもあります。最終的には、経理経験のあるメンバーがユーザーの目線からの意見を出して、決定します。どちらかと言うとボトムアップ的な決定プロセスですね。

中川 現状、チームに経理の経験者が少ないので、意思決定は慎重にしています。誰かが意思決定をするというより、セールスやCSがしっかりとファクトを集めてきてそれを見て判断する、という形です。

高際 それで言うと、経理領域のドメイン知識を持っているエンジニアがジョインしてくれると良いな〜というのは思います。

高江&中川 そうですね。

高際 がっつりバックオフィスをやってきたけどエンジニアリングもできる…みたいな(笑)そんなスーパーマンみたいな人は、なかなかいないかもしれないですが。

ーー「経理×エンジニア」という異色のバックグラウンドをお持ちの方、ぜひLayerXさんへ!(笑)他の視点で、いまのLayerXさんに合うエンジニアってどんな方だと思われますか?

中川 マーケティングやCSの領域で、もっとテクノロジーを活用できる部分があると思っていて。そういった部分で、ビジネスを理解しながらやっていきたいエンジニアの人には、いまのLayerXはすごく良い環境なんじゃないかな。

また、まだまだ指数関数的な成長を実現させていくフェーズなので、そういった環境に身を置きたい方も良いのではないでしょうか。

高江 お客様からのご要望が多様化・複雑化してくる中で、設計や実装の難易度がどんどん上がってきていると感じるので、Webサービス開発としての技術的な難しさにチャレンジしたい方にも、すごく良い環境だと思います。

また、これまでは少ない人数で素早くサイクルを回してPMFを図るために、全員がフルスタックな開発スタイルでした。しかしこれからは、UI/UXの改善やパフォーマンスの向上、各種会計ソフトへのきめ細かな対応など、各分野のスペシャリストも必要なフェーズに入っていきます。

自分の得意な領域で、これから大きく成長するSaaSの開発を経験したいという方も楽しめるんじゃないかなと。でも本当に、どんな方も大歓迎ですね!

ーー皆さま、本日はありがとうございました!LayerXで働くことに興味をお持ちの方は、ぜひこちらから求人をチェックしてみてくださいね。

LayerX様.002

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