- ディップ株式会社
- 次世代事業準備室 マネジャー
- 亀田 重幸
新規事業のパートナーに アプリのプッシュ通知を最適化する「Growth Push」とは
今回のソリューション:【Growth Push/グロースプッシュ】
〜プッシュ通知の配信・解析サービス「Growth Push」を活用し、アクティブ率が大幅に向上した事例〜
「バイトル」をはじめとした、求人情報サイトを運営するディップ株式会社。同社では、2011年より求人以外の領域における新規事業へのチャレンジを続けている。その中で生まれてきたのが、家族で写真を共有できる「まごラブ」などのWebサービスだ。
社内にノウハウのない未経験領域でサービスをグロースさせていくために、活用してきたのが株式会社シロクが提供する「Growth Push(グロースプッシュ)」をはじめとするGrowthツールだという。
Growth Pushは、アプリのプッシュ通知を配信・解析するサービスだ。ユーザーをセグメント分けした上でプッシュ通知を出し分け、それぞれに対するリアクションを分析することができる。
ディップでは、導入を行った新規事業チームでの高い実績により、今では既存事業でも活用するようになったのだという。同社の次世代事業準備室でマネジャーを務める亀田 重幸さんに、詳しいお話を伺った。
▼アプリのプッシュ通知を最適化する「Growth Push」とは…
若手が自由にチャレンジできる組織の中で、新規事業を開発
2007年に新卒でディップに入社しました。最初はプログラマーを1年間、次にインフラエンジニアを3年経験しまして。その後、自分でサービスを作りたいという想いから企画に転向し、現在は次世代事業準備室に所属しています。
新規事業として立ち上がった「まごラブ」や「聖地巡礼マップ」に関わりつつ、既存事業である「バイトル」の業務支援も行っています。
弊社の組織文化としては、若いうちから手を挙げればどんどん挑戦させてもらえるような、自由にプロダクトを作っていける環境があると思います。
エンジニアであれば自分でゴリゴリ開発をしているような人が多く、実は「はたらこネット」や「ナースではたらこ」は全て内製で開発・運用しています。
「やりたい」と思ったらなんでもできるようなベンチャー企業的な雰囲気があるので、新規事業に関しても幅広い領域でアイデアを出し合っていますね。
▼「ゴリゴリ開発中!」同社エンジニアの皆さん
エンジニアから企画の転向 考え方を180度変える必要があった
そもそも次世代事業準備室は、弊社が求人以外の領域でもWebサービスを展開していこうということで立ち上がった組織なんです。2011年の冬に「100本の事業アイデアを出す」という課題があって、チームメンバーで考えて200本の企画を出しました。その時の発想は数学と一緒で、足し算、引き算、掛け算、割り算。既存のサービスから足したり引いたり、掛け合わせてみたり。その中で生まれてきたのが、まごラブや聖地巡礼マップです。
アイデア出しの時に苦労したのは、エンジニアから企画に転向したことで脳の使い方を180度変える必要があったことです。感覚的に言うと左脳から右脳にシフトしたイメージなんですよ。
頭をがちがちに使っていた頃から、より感性を使ってユーザーの事を考える。一番の落とし穴は、エンジニア目線だと「作れるかどうか」という実現性から考えてしまって、そこからなかなかアイデアが膨らまないんですよね。
そうすると結局、既存サービスと差別化された企画は生まれなくて。そこで、できるだけエンジニアだった頃とは思考の方向性を変えるように意識していました。
未経験領域での挑戦で、壁にぶつかる… 写真の投稿が増えない!
まごラブは今年3年目を迎えるサービスになるのですが、リリースして1年後くらいに壁にぶつかって。
一言でいうと、サービスをグロースする方法が全然見えてこなかったんです。写真の投稿数を増やしたかったのですがなかなか上手くいかず、KPIである会員数やアクティブ率も緩やかな上昇に留まってしまっていました。
写真を使ったサービスを運営した経験もなかったので、どうしたらいいかわからなくて。そこで、同じような写真系のアプリを運用されている企業さんに自分からアプローチして、色々と情報交換させてもらったんです。
その中の1社が「My365」を運営していたシロクさんでした。お話していく中で、今後BtoBのグロースハックツールを開発されていくことを聞いて。それがまさに、当時の僕たちが必要としていたサービスだったんですよね。
それでまずはシロクさんが最初に開発された「Growth Push(グロースプッシュ)」を、プロトタイプの段階から使わせていただくことになったんです。
アプリのプッシュ通知の解析ができる「Growth Push」
Growth Pushは、アプリのプッシュ通知を配信・解析するサービスです。具体的に言うと、ユーザーごとにプッシュ通知の出し分けができます。
A/Bテストの要領で、文言やデザインなどをユーザー属性に応じて出し分け、それぞれに対するユーザーの反応をチェックすることが可能です。
▼プッシュ通知をユーザー属性に応じて出し分けできる
サービスをリリースしたばかりの頃は、プッシュ通知もどちらかと言うと「なんとなく」配信していました。なので、Growth Pushを使ってみて、通知を少し工夫するだけでユーザーのリアクションに大きな違いが出た時は驚きましたね。
例えば、「週末に遊んだ写真を投稿しよう」という通知を日曜の夜8時に送ることで、写真の投稿率が20%、シニア層のアクティブ率が15%も改善しました。また、具体的に「◯◯を◯◯してあげよう」という提案型の文言は反応が良いことも分かりました。
まごラブで半年ほどGrowth Pushを使った頃には、このように様々なノウハウを得ることができたので、バイトルのチームにもサービスを紹介しました。今ではバイトルの方でも、かなりヘビーに活用しています。
グロースパートナーとして頼りになるのがシロク!
シロクさんのすごいところは、ツールの提供だけに留まらず、一緒にサービスのグロースについて考えてくださるところです。
シロクさんのお客様にはゲーム関連の企業が多いそうで、弊社のようなサービスでも活用できるゲームアプリの運用ノウハウをアドバイスいただいたり、いつも本当に頼りにさせていただいています。
また、シロクさんはGrowth Push以外にも様々なGrowthツールを運用されているのですが、それらを活用するとこちらの開発工数を削減できる点も非常に助かっています。
例えば以前、アプリ内のリテンション施策のために、ダイアログメッセージ機能をスクラッチ開発しようとしていたんです。その時には、「Growth Message」というアプリ内メッセージがアップデートなしで配信可能になるサービスをご提案いただきました。
開発工数も削減できましたし、外部からのコンテンツ更新を可能にしてくれたので、ツールとしても非常に重宝しましたね。
▼サービスの管理画面からアプリ内メッセージを変更できる「Growth Message」
今後もより一層、サービスのグロースに注力していく!
新規事業チームで導入を始めたシロクさんのGrowthツールですが、今後はバイトル、はたらこネット、ナースではたらこ、といった弊社のメイン事業のサービス拡大にもどんどん活用し、チームを越えてノウハウを共有していきたいと考えています。
新規事業も引き続きどんどんチャレンジしていきたいと考えていますが、弊社ではまだまだ、一緒にサービスのグロースを考えてくれる仲間が足りません。一緒にアプリの開発・グロースをやってみたいという方を、是非お待ちしています!(了)