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ポートフォリオが履歴書! 欲しい才能に妥協しない、クリエイティブ領域の新卒採用とは

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今回のソリューション:【ViViViT/ビビビット】

株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)のクリエイティブを担う「デザイン戦略室」には、現在、約80名の社員がデザイナー・クリエイターとして在籍している。しかし実はそのほとんどは中途入社で、新卒の社員が初めて入社したのは2015年4月のことだ。

ビジネスサイドやエンジニアの領域では例年高い新卒採用実績を残す同社でも、クリエイティブ領域においてはまずは学生に対する企業ブランディングから取り組んでいったという。

そんな同社がまだ「ほぼデザイナー不在」の状態だった2011年にDeNAに入社し、クリエイティブに関わる部署を1から築き上げてきたメンバーの1人が和泉 純一さんだ。現在ではデザイナー・クリエイターの採用にフルコミットする形で、15年卒、16年卒の新卒採用も主導してきた。

そこで活用した採用媒体のひとつが「ViViViT(ビビビット)」。「履歴書はほとんど見ずにスクリーニングはポートフォリオで行う、だからこそViViViTの仕組みが役に立つ」と語る和泉さんに、ViViViTの使い方からデザイナー・クリエイターの新卒採用におけるノウハウまでをお伺いした。

デザイン事務所で10年。ITベンチャーを経てDeNAへ

2011年の10月にDeNAに入社しました。キャリアで言うと3社目になるのですが、一番最初は10年間、デザイン事務所におりました。ショールームや店舗のデザインや、工業製品などのプロダクトデザイン、ウェブ、広告といった幅広いデザインワークを手がけていました。

その後ITベンチャーに転職して、とても優秀なメンバーに囲まれ3年間がんばったのですが、残念ながら、上手くいきませんでした。

その時に次は何をしようかな、と考えていて、やはりベンチャー企業で働きたいなと思いました。でも、10人、20人という少ない人数だと結果を出すのにどうしてもチャレンジ出来るチャンスが限られてしまいますよね。

世界を相手にしたサービスを作っていきたい想いもありました。失敗することを前提としている訳ではないのですが、例え失敗しても、得られた経験を、次に活かしてチャレンジ出来るだけの体力がある会社に就職することも大事だな、と(笑)。

そこでベンチャーマインドを持ちながらも大きなビジネスを展開しているDeNAを選択しました。

当時デザイナー不在のDeNAで、MobageのUI最適化を担う

入社した当時はちょうど市場がガラケーからスマートフォンに移行したタイミングで、Mobageに関してもスマートフォン用のUI最適化はまだできていませんでした。それが僕の一番最初の仕事で、日本向けスマホ版Mobageのデザインリニューアルから取り組んでいきました。

当時のDeNAはまだクリエイティブはあまり重視していなくて、「エンジニアの会社」だったと思います。デザイナーという職種のメンバーはほとんどおらず、「編集さん」と呼ばれていた10名ほどのメンバーがちょっとしたバナーのデザインやコーディングをしていました。

極端な言い方ですが、ガラケーのプラットフォームであれば、テキストリンクとバナーさえあれば事足りていたんです。スマートフォンの登場によってそれでは勝負できなくなって、リッチなデザインに寄せていくために社内が変わり始めたタイミングでした。

たくさんのチャレンジとデザイナーとしての成長

デザインを外注しているというイメージを弊社に持たれている方も多いかと思いますが、たぶん想像されている以上に、実は内製していることが多いです。基本的に少数精鋭の体制なので、1案件あたりのデザイナーの数は2、3名程度ですね。

規模の小さめな新規サービスであれば企画者、エンジニア、デザイナーの3名で作ってしまうこともあります。サービスが大きくなるにつれて必要なメンバーを増やしていく感じですね。

1つのサービスに付きっきりで、新規のデザインワークに携われるチャンスが少ないのでは? と心配される方も多いのですが、やはり1つのサービスやチームにずっと所属してしまうと、伸ばせるスキルや得られる知識も偏りがちになります。

極端な例にはなりますが、例えば2Dをメインで行っていたメンバーが3Dにチャレンジしたい、と思った時に、担当しているサービスでは3Dを使わないので知識を得ることもできない、ということでは良くないなと。

そこで、3ヶ月なり6ヶ月のスパンで、自分のやりたいことを上長と話し合った上で、無条件ではありませんが、チームやポジションを移ったり、新しいことにチャレンジ出来るようにしています。企業、サービスとしての成長も大切ですが、デザイナー個人としての成長にも繋がればと思っています。

DeNAのクリエイター新卒採用は2014年から!

実は弊社のデザイナー・クリエイター採用はずっと中途採用のみだったという背景があり、初めて新卒デザイナーが入社したのは2015年の4月なのです。14年の4月から本格的に15年卒の採用活動を始めたのですが、最初はなかなかうまくいきませんでした。

ビジネスサイドやエンジニア領域では継続的に新卒採用の実績を出せていたのですが、美術系学校に対しては企業ブランディングすらできていませんでした。結果、最初は学生からの応募も全然きませんでした。

美術系学校にて説明会を開催したくても、「過去に弊社への新卒採用実績がないので」と断られることもありました。学生自身も「Mobage」は知っていても「DeNA」という会社名は知らなかったり。

そこでまずは、学校で教えている各先生方に直接アポイントを取って学生向けワークショップやイベントを行うということから始めていきました。

結果的に15年卒で採用できたのは3名でした。当然、リーチできる学生に限りも有りましたし、求める人材要件の擦り合わせがうまくいかず「3名しか採れなかった」のです。

求めている人材をポートフォリオで探せる採用媒体「ViViViT」

ViViViTは15年卒採用の時に紹介は受けていたのですが、本格的に使い始めたのは16年卒からで、実際に内定も出しています。ViViViTのまず良いところは、学生のポートフォリオを見た上でこちらから学生に直接アプローチをかけられることです。

履歴書を見るのではなく、ポートフォリオに上がっている作品を通して、弊社が求めるスキルと経験を持つ人材かどうかのスクリーニングをしています。

▼DeNAのViViViT上の採用ページ

具体的にどのような方を採用したいと考えているかというと、まずはつくりたいモノへの強い想いがあり、そしてつくりあげることから逃げない人です。

体育会系な要件に聞こえるかもしれませんが(笑)、そのようなマインド面さえ担保できていればスキルは後からついてくると考えています。

サービスやゲームが大好きで、それをつくりたいという想いさえあれば、そのためにどういったスキルが必要で、どういった学びから実現しようとしているのか?それが結果的に学生のポートフォリオに現れていると考えています。

ポートフォリオ作品のビジュアル的な美しさ以外で、見ているポイントとしては、例えばイラストしか載せていないのに「なんとなくUIデザインをやりたい」と言われても、それはスキルマッチしにくいと感じますよね。

「やりたい」と言うのは簡単なので、その気持ちをきちんとアクションに起こしてアウトプットまでできていることが大切だと考えています。

もう少し説明すると、UIデザインであれば、相手に何を伝えるべきかを考えられていることが必要だと思っています。

例えばViViViT上のポートフォリオへ作品をそのまま「作品だけ」置くのではなく、ビジュルコンセプト、ターゲット設定、機能説明など、どういったツールを使ってどれだけの時間をかけてこれを作りました等々が、見て取れる設計がされている人はいいなと思います。

「なぜViViViTにこの作品を上げているのか」ということをきちんと自分で理解できていて、目的を達成しようとしている人は、実際にお会いしたいなと感じますね。

クリエイター領域だからこそ!採用側からのアプローチが大切

特にViViViTの場合、こちらから学生に「会いたい」というアクションを起こせることが便利です。クリエイター志望の学生は、少しおとなしい、誤解を恐れず言うのであれば、若干、消極的に感じています。

企業のHPを見て気になることを問い合わせたり、説明会にて自分から質問をしたり、ということはあまり見られません。採用への応募でも同じで、エントリーするまでにみんな気が引けてしまっているところがあるかと思っています。

だからこそ、ViViViTの「話したい」というこちらから学生に声をかけられる機能を活用しています。検索機能が充実しているので、卒業年度、志望する業界などでまずは候補者を探します。

その上でポートフォリオを見て、良さそうな人に「話したい」を送っています。ポートフォリオはかなりしっかり見ているので、実際に送っている割合は100人に1人くらいでしょうか…。16年卒の時には30名ほど送ったかと思います。

こちらから「話したい」を送ると学生も喜んでくれて(笑)、そこから実際のエントリーに至る確率は非常に高いですね。

ViViViTでは今年度から、面談もできるリアルなイベントも開催されるようになったのでそちらも活用しています。イベントに参加して接点を持っていくことは非常に大事だと思います。3、40名ほどにイベントで会ったのですが、その時にポートフォリオを見せてもらったことが選考に進むきっかけになり、内定承諾に至った学生もいます。

「話したい」と「お気に入り」を使い分ける!

ポートフォリオを見てセンスがあるな、と思った場合でも、必ずしもすぐに「話したい」を送るわけではありません。例えば、ゲームを作りたいというよりはイラストを描くことが好きなタイプなんだろうなと感じた場合は、「お気に入り」に入れています。

弊社の求める仕事内容と学生がやりたい仕事内容がマッチしないことも少なからずあります。そこでいきなり学生が興味の無い状態から話をするのではなく、「お気に入り」をキッカケとして学生に弊社情報を見てもらい、レスポンスを待つ感じです。

新卒の成長には本人の「やりたい」という気持ちが大事なので、敢えてこのようにしています。

学生のポートフォリオでは、将来自分がどういったデザイナーになりたいかをきちんと表現していることが、企業とのマッチングに繋がると思います。でもポートフォリオに正解はないですし、どう作ったらいいかわからない学生も多いのではないかと。

だからこそ今後は、ViViViTさんの方から学生に対して「企業はポートフォリオで何を見ているのか」を教えてあげるような機能、イベントがあればいいなと思っています。

DeNAのデザイナー新卒採用は本気!

弊社は新卒のデザイナー・クリエイターを採用するにあたり、コミットメンター制というものを設けています。シニアなメンバーが、「コミットメンター」として責任をもって新卒メンバーを一人前に育てることを約束する制度で、僕も15年卒の新卒入社1名のコミットメンターをしています。

「なぜこの学生を採用するのか」ということを具体的に書いて判子を押すので、社員も本当に本気で、真剣に採用活動に取り組んでいます。まだまだ未熟な組織で課題も多いですが、僕たちと一緒にサービスやゲームを作りたい!と思ってくれる「仲間」に出会えればと思っています。(了)

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