Yuichi Hatakeyamaさん
  • コラボレーター
  • Bizer株式会社
  • Yuichi Hatakeyama

マイナンバー利用開始!スタートアップが知っておくべきポイントをまとめてみた

  • -
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    -
  • tweet

2016年1月から社会保障、税、災害対策の行政手続でマイナンバーが利用開始になります。マイナンバーとは、すべての国民に個別の12桁の管理番号をつけて、その情報を基に行政が社会保障や税に関する情報を一元管理する制度のこと

2015年の10月から順次、住民票の住所宛にマイナンバーの通知が発送されていますので、ほとんどの方が受け取られているのではないでしょうか。

厳重な管理が求められるマイナンバー。今回は会社、特にスタートアップで、従業員を雇用している側の担当者が「最低限知っておくべき6つのポイント」、「2重管理を避ける方法」、「落とし穴」をまとめました。

マイナンバーの管理で“最低限”必要な6つの業務とは

マイナンバーに関して適用されるルールは企業規模によって異なります。大企業には厳格なルールが適用される一方で、スタートアップなどの中小企業には一定の緩和措置が設けられています。そこで、スタートアップが最低限対応すべきマイナンバーの管理に必要な以下6つの事務事項を紹介します。

  1. マイナンバー担当者と責任者の選定
  2. マイナンバーの回収
  3. マイナンバーの管理・保管
  4. マイナンバーの取り扱い
  5. マイナンバーデータの消去
  6. マイナンバーのルール制定

1.マイナンバー担当者と責任者の選定

マイナンバーの管理業務を行う事務の担当者と、問題が発生した場合に対応できる責任者を決めておく必要があります。事務の担当者には専門の書籍やセミナーを受講させたり、顧問税理士や顧問社労士からのアドバイスを受けさせるといった教育の機会があると安心です。

2.マイナンバーの回収

  • 紙で提出してもらう場合

個人番号カードのコピー、通知カードのコピー、マイナンバーが記載された住民票などの必要書類を、密閉された封筒でマイナンバーの事務担当者に提出してもらいます

  • データで提出してもらう場合

個人番号カード、マイナンバー通知書などをPDF化してメールの添付ファイルで送信してもらうのは、誤送信やウイルス等による流出のリスクがあるため避けましょう。セキュリティ対策の施されたクラウドサービスの利用が安全です。

紙・データ共に注意すべきなのは「マイナンバーを取得するにあたっては、あらかじめ利用目的を明示することと、本人確認を忘れずに行うこと」が必要となる点です。

3.マイナンバーの管理・保管

収集したマイナンバーの管理や保管にも十分に注意が必要です。紙で提出してもらったマイナンバーは、金庫や鍵付きの書庫などに保管しましょう

データで提出してもらったマイナンバーは、可能な限りクラウドサービス内で取り扱うようにすることがオススメです。自社のサーバー内や、個人のパソコンへのダウンロードは基本的には避けましょう。

クラウド外での作業が必要になった場合は、マイナンバーの部分だけ印刷後に手書きで入力するか、印刷後にファイル内のマイナンバーの情報を完全に削除するなど、規定の保存場所以外にはデータが残らない工夫が必要です。

4.マイナンバーの取り扱い

社内でマイナンバーを取り扱う際には、第三者の目に触れない配慮が必要です。パーテーションを立てて、後ろから覗き込めないような場所が最適です。

マイナンバーを取り扱うパソコンはセキュリティに配慮された場所で利用し、パスワードをかけておきましょう。また、マイナンバーの情報を利用した際に「誰が」「いつ」「どんな目的で」アクセスしたのかを、管理帳簿に記録する必要があります。

5.マイナンバーデータの消去

従業員が退職した場合、一定の保管期間が過ぎたらマイナンバーの消去を行います。マイナンバーを紙で保管していた場合は、シュレッダーにかけるか溶解処分を施すなど、物理的に復元が出来ない形にする必要があります。データでマイナンバーを保管していた場合は、専用の消去ソフトを利用し、データを復元不可能な形で消去するようにしましょう。

6.マイナンバーのルール制定

スタートアップなどの中小企業では、社内のマイナンバーに対する管理についての規定化は法律で定められていません。とはいってもやはり、問題が起こったときのために書面化をしておくと安全です。

また、マイナンバーの担当者や責任者が退職や長期休暇を取ることもあるので、後任者に引き継ぎをしっかり行えるように書面化は必要です。日頃から自社のマイナンバー管理ルールについて、書面でまとめておくといった形で可視化した状態にしておきましょう。

マイナンバー管理を完全クラウド化したい!2重管理を回避するには

このように細心の注意を払うマイナンバーの管理業務。特にスタートアップではマイナンバー担当者の負荷はできるだけ軽減したいところです。マイナンバーの管理業務に特化したクラウドサービスがいくつか登場しており、完全クラウド化を考えている担当者も多いのではないでしょうか。

そこでネックとなるのが、従業員から提出を受ける「扶養控除申告書」の記載欄にあるマイナンバーです。申告書などといった紙の資料とクラウドとの2重管理を回避するための方法は2つあります。

  • マイナンバーの2重管理を回避する方法【その1】

扶養控除申告書のマイナンバー記載欄に「給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨の記載をしましょう。

国税庁のFAQ Q1−9に記載 

  • マイナンバーの2重管理を回避する方法【その2】

「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出しましょう。マイナンバーの管理はクラウドサービス、それ以外の個人情報は社内で集めるというハイブリッド型の方法を取り入れることで、扶養控除申告書のすべての情報をクラウドと社内のイントラネットで管理することが可能になります。

従業員にIDとパスワードを与える、もしくは電子署名といった個人の識別が可能な環境を整えた上で、以下の書式を所轄税務署に提出すれば、会社は扶養控除申告書を集める必要が無くなります。

源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書

マイナンバー制度開始の「落とし穴」とは?

巷では、マイナンバーの利用が開始されるにあたり、様々な噂が飛び交っています。中でも話題になったのが「副業で得た収入にかかる住民税も給与天引きされてしまう?」という噂は、副業をしている個人はもちろんのこと、会社の総務担当者としても、住民税の試算といった業務が増えるという不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか

この噂の真相は「本人が確定申告する際に納付方法を選択できる」ことが正しい理解です。これはマイナンバー制度の開始以前の話になりますが、確定申告の際に副業分の住民税を「普通徴収」で納める欄に丸をつけていれば、個々人で納めることが可能です。誤って「特別徴収」で納める形になっていると、勤務先経由で給与天引きにより納める形になります

いかがでしたでしょうか。マイナンバーの正しい知識が身につけば、不要な業務が増えることも防げますし、なにより安心して日々の取り扱い業務を行うことができます。

大切なことは、担当者が負担を抱え込みすぎないような体制づくりです。そのためには会社のルールを決めておくことや、運用上でてくる疑問点を、顧問税理士や社労士にスピーディに確認できる体制を整えておくことが重要です。

ぜひ皆さんの日々の業務にお役立てください。

  • -
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    -
  • tweet