• 株式会社Zaim
  • 代表取締役
  • 閑歳 孝子

エンジニアと非エンジニアでタスク管理ツールを分けてみたら、業務効率がアップ!

今回のソリューション:【Wunderlist/ワンダーリスト】

〜非エンジニアの業務効率を向上させるタスク管理ツールWunderlistの使い方〜

スタートアップにおいて、タスク管理ツールの選定に頭を悩ます担当者も多いのではないだろうか。エンジニアと非エンジニアではタスクの粒度が異なるのはもちろんのこと、毎日身近に使うツールだからこその「好き嫌い」までがモチベーションに関わってくるからである。

450万人以上ものユーザーを持つ日本最大級の無料家計簿アプリ「Zaim」を提供している株式会社Zaimでは、非エンジニアのタスク管理に「Wunderlist(ワンダーリスト)」を活用している。直感的なUIを好む同社の代表取締役の閑歳 孝子さんに、非エンジニアにも使いやすいというWunderlistの魅力を伺った。

通信社の記者から夢のエンジニアに転身

大学を卒業して、記者として出版社に入社しました。入社当時の2001年頃はインターネットの新しいサービスが続々と生まれている時代で、KDDIやソフトバンクといった通信事業者を主に取材していました。入社3年半の頃に、大学の同期が創業していた会社で一緒にやらないかという声がかかり、インターネット業界に入りました。

はじめは分からないことばかりでしたので、肩書きはディレクターという名の雑用係(笑)。それでも少しずつ開発もできるようになってきて、結局3年ほどサービスの設計や企画に携わっていました。その後エンジニアとしてベンチャーに転職し、アクセス解析ツールの開発をしていました。3年半経った頃、今度はコンシューマー向けのサービスを作りたい想いが出てきたんです。

「アクセス解析」と「お金の管理」の共通点からサービスを閃く

コンシューマー向けのサービスを作るときに、浮かんだのが「アクセス解析とお金の管理は共通点がある」ことでした。アクセス解析ツールの開発で大事にしていたことがあって、お客さんはわかりやすい結果が欲しいんです。どういう手を打てばいいのかを手短に知りたい。そういったわかりやすさに加えて、私が一生当事者でいられる大きなテーマを選ぼうということで「お金の管理」を選びました。

そこで生まれたのが、オンライン家計簿管理「Zaim」です。1年ほど運用しているうちに何十万とユーザーが増えていったので、より安心して使っていただけるために2012年に法人化しました。

非エンジニアの増加に伴い、新しいタスク管理ツールを検討

現在、会社のメンバーのうち半分はエンジニアです。あと半分は管理部やカスタマーサポートチームといった非エンジニアで構成されています。

タスク管理ツールは現在Wunderlist(ワンダーリスト)に落ち着いていますが、そこに至るまでに様々な変遷がありました。会社の立ち上げ時はエンジニア主体でツールを選択していましたので、PivotalTrackerを使っていました。その後は別のツールを1、2年近く活用していました。

ただ、その頃は会社で非エンジニアの割合も増えてきている時期だったこともあって、そのツールにはエンジニアのタスクだけでなく、ビジネスサイドのタスクもごちゃまぜに入ることになってすっかりカオス化していたんです(苦笑)。

ツールが重い、UIが使いづらいといった非エンジニアからの声も多かったこともあって、何とかならないかと感じていました。これを分けようとツールの検討が始まりました。エンジニア側に関しては、この機会にGitHubに集約してしまおうとTo doを全部Issueにして運用することでスムーズに決まりました。

Wunderlist導入のきっかけはTwitterのつぶやきだった

Wunderlistに注目したのは、Twitter で「WunderlistとZaimが一緒になれば便利なのに」というつぶやきを発見したことです。そこにWunderlistの公式アカウントが「私達もすごくそれを思っていたんですよね」と書き込みされていたのを見て「ビジネスを一緒にやりたい!」と社内が沸いたんです(笑)。それがきっかけで2015年に「お買い物リスト」機能の追加で弊社と連携をしました。

実際に弊社で使ってみると、こんなにシンプルで使いやすいツールなら、これまで感じていた不便さも解消されるのではと、弊社のタスク管理ツールとしても導入することにしました。

▼WunderlistではTo do管理がシンプルにできる

これを機にエンジニアサイドに関しては、GitHubでTo doを全てIssue化して管理し、非エンジニアはWunderlistを使うことでTo doを管理することになりました。

Wunderlistには欲しい機能がコンパクトに詰まっている

Wunderlistで気に入っているのが、シンプルなUIです。使いたいと思う機能が全部揃っているのに、 シンプルで使いやすいところが気に入っていますね。また、デスクトップ版のアプリがあるのも便利です。

弊社ではSlackとWunderlistを連携させていて、Slack上でタスクの進捗を把握することが可能になっています。なので、Wunderlistを立ち上げなくても、例えばカスタマーサポートチームの進捗状況や新しくできたタスクを把握するといったことが可能です。

▼SlackでもWunderlistの更新をチェック可能

カスタマーサポートチームには、月間数千件のお問い合わせが届きます。その内容は、サービスの改善が必要なものから一度のご返信で解決するものまで様々です。その内容全てをそのまま開発陣の改善タスクにあげてしまうと、ものすごい数のIssueになってしまいます。

なので、カスタマーサポートチームから相談がある場合は、まずWunderlistにタスクとして上げてもらうようにしています。そのタスクについて一度議論し、その内容が本当にエンジニアの手を借りるべき相談であれば、GitHubのIssueとして上げるようにしてもらっています。サービス改善項目のフィルタリングの機能として効率化にも役立っていますし、今では社内のメールも全然使わないですね。

ビジネスチームでは、進捗管理ツールとして使っています。Wunderlistはタスクのコンパクトさが特徴なので、期日を決めて「資料作成」や、「◯◯を修正する」といった具体的なタスクを入れています。

▼タスクの内容イメージ

タスクの検索がとにかく軽く、完了済みのものを復活させたりすることもできますし、手軽に管理できるのが嬉しいです。逆に数ヶ月に及ぶプロジェクト管理の案件や、ストックしておく資料などはスプレッドシートやQiita:Teamに入れる形で使い分けをしていますね。

Wunderlistの「シンプルで深い」感覚はZaimと共通する部分も

Wunderlistを使用してみて、今の所は無料版で十分満足しています。タスクが洗い出しやすくなったというメリットがありますし、人にタスクを割り振ることが以前より簡略化されました。以前は口頭やSlackで「ちょっとすみません・・・」ということが、WunderlistではTo doを立ててアサインするだけでOKです。前置きを省略することでかなり効率化されていると思います。

▼タスクシェアの依頼通知画面

以前使用していたツールでも同じ流れでタスクのアサインをしていたんですけど、印象が違っていて、Wunderlistは使っていて気持ちが良い感覚なんです。非エンジニアでもわかりやすく使いこなせる。UIの印象によるところもあるのですが、直感的に使えるWunderlistは非エンジニアからは特に評判が良いです。

Wunderlistを使っていると、余計な機能が目立たないシンプルさや、自分達が使いやすいようにカスタマイズできる奥深さを感じます。私たちのZaimのプロダクトのこだわりである「シンプルで、深い感じ」と偶然にも共通しているところがあって、社内でも広く受け入れられた要因の1つなのかもしれないな、と感じています。

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