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ついにAIが「自分の代わりに」なる!?「Genspark AIブラウザ」の使い方・活用事例

「閲覧中のWeb記事や動画を簡単に要約できたらいいのに…」「商品購入時のリサーチに時間がかかる…」そんな悩みを一気に解決してくれるのが、今回ご紹介する「Genspark AIブラウザ」です。
これまでの「AIブラウザ」とは一線を画す、真の意味で「AIが代理人として日常業務を担ってくれる」革新的なツールとして、昨今、SNS上で注目を集めています。
先日、SELECKでご紹介したAIブラウザ「Dia(ディア)」は検索機能に特化したものでしたが、Genspark AIブラウザの最大の特徴は「AIエージェント(※)」機能の豊富さ。拡張機能や外部アプリへの切り替えは一切不要で、すべての作業がブラウザ内で完結します。
※AIエージェントとは、ユーザーが設定したゴールに応じて、複数のAI技術や外部システムを連携させながら情報収集を行い、高い自律性をもちながらタスクを実行してくれるAIのこと
例えば、ビジネスシーンでは、以下のような作業が本当に一瞬で完了してしまうんです…!
- ウェビナー動画をワンクリックで要約&ポッドキャスト化
- 自社製品に関するSNS上の口コミをリサーチ・分析
- Web記事を図解のドキュメントに変換し、ホワイトペーパー化
- 毎日のニュースをまとめてNotionに自動反映
- 備品購入時に類似商品や口コミをリサーチした上で、最安値を提案
さらに、Google系のツールやDiscord、Notion、GitHubなど700を超えるツールとの連携が可能で、情報収集から資料作成など、あらゆる業務がシームレスに自動化できます。もう、「タブやウィンドウを何個も開きながら作業する」といったことが不要に。
そこで今回は、Genspark AIブラウザの概要から使い方までを徹底解説いたします!一部機能は無料で利用できますので、ぜひ読み進めながら、試しに利用してみてくださいね。
<目次>
- 完全エージェント型AIブラウザ「Genspark AIブラウザ」とは?
- まずは、Genspark AIブラウザをダウンロードしてみましょう!
- 早速、Genspark AIブラウザを使ってみましょう!
- Web記事の要約・コンテンツ化
- YouTube動画の要約・スライド化
- ショッピングアシスタント(商品比較・レビュー集め)
- SNS上の口コミリサーチ・分析
- GoogleやNotionなど、700以上のツールと連携可能「MCP」機能
- おわりに
※本記事に掲載している情報は、記事公開時点のものになります。サービスのアップデートにより情報が記事公開時と異なる可能性がございますので予めご了承ください。最新の情報については、Gensparkの公式サイトをご参照ください。また、記事の内容についてご意見や修正のご提案がございましたらこちらまでお願いします。
完全エージェント型AIブラウザ「Genspark AIブラウザ」とは?
「Genspark AIブラウザ」は、AI検索エンジン「GenSpark(ジェンスパーク)」で知られるMainFunc社が、2025年6月に発表したAIブラウザです。
その最大の特徴は、「Full-Agentic(完全エージェント型)」を標榜していること。これは、AIが単なるアシスタントではなく、ユーザーの代理人(エージェント)として、さまざまなタスクを自律的に実行する能力をもつことを意味します。
▼Genspark AIブラウザ紹介ムービー(公式)
公式動画で発表されているGenspark AIブラウザの特徴は、以下のとおりです。
- スーパーエージェント機能
- Webページの内容に応じたサポートメニューを自動表示
- 例1:YouTubeアシスト(要約、スライド化、動画内で紹介された論文の自動ダウンロード)
- 例2:スマートショッピング(価格比較、レビュー収集、類似品の提案)
- Webページの内容に応じたサポートメニューを自動表示
- コンテンツの生成(※非同期で動作するAutopilotモードも可能)
- ポッドキャスト(例:Web記事の要約や、X上の情報をまとめて音声化)
- スライド・ドキュメント資料(例:Web記事や動画の内容を図解資料化)
- 豊富なツール連携
- Discord、GitHub、Notion、Slackなど700以上のツールを連携できるMCPストアを搭載。ワークフローの自動化が可能
- 広告ブロック機能
- 基本的な広告ブロック機能も標準装備し、快適なブラウジング体験を提供
いかがでしょうか? 特に、リサーチ業務の多いビジネスパーソンにとって、Webコンテンツの要約や音声化は非常に嬉しい機能ではないでしょうか…!
また筆者が実際に触って感じたのは、「資料化の能力の高さ」と「商品比較の精度の良さ」です。詳細は後述しますが、日常使いできるAIエージェント機能としてかなり魅力的だと感じました。
<対応OS・利用料金>
Genspark AIブラウザはアプリのインストールが必要で、2025年7月時点でmacOS 15以上でのみ利用可能です。Windows版は近日公開予定とのこと。
料金体系は、1日あたり200クレジット程度が支給される無料プランも用意されており、基本的な機能のみ利用できます。ただし、スーパーエージェントやディープリサーチ、画像・動画生成などの利用可能回数に制限があり、例えばディープリサーチは1回しか利用できないなどの制約があります。
有料のプランは「Plus」と「Pro」の2つがあり、それぞれ月額・年額での契約が可能です。Web UI版とインストール版の両方で同一の料金体系が適用されます。(※補足として、AIブラウザはWeb UI版では公開されていませんので、ご注意ください)
▼Genspark AIブラウザの2つの有料プラン(月額)
まずは、Genspark AIブラウザをダウンロードしてみましょう!
Genspark AIブラウザをダウンロードしてみましょう!公式サイトにアクセスし、「Apple Silicon」または「Intel」のいずれかを選択してインストーラーをダウンロードします。
ダウンロードが完了したら、ファイルを開いて画面の指示に従ってインストールを実行。ここまで、たった3分程度で完了です。
ブラウザを起動すると、下図がホーム画面として表示されます。Gensparkは日本語に完全対応しており、初期設定で特別な手順は不要です。
▼Genspark AIブラウザの「ホーム画面」
AI機能を使う際には、画面中央の入力欄に自然言語で指示を入力する形です。また、入力欄上部には「AIスライド」「AIシート」などAIエージェント機能のメニューが表示されており、具体的なアウトプットがイメージされていれば、そちらのメニューから始めることも可能です。
なお、キーワード検索の場合は、画面上部にある入力バーに入力する必要があるようです。
参考までに、AIエージェントの入力欄に「seleck」と入力すると、下図のようにリサーチ内容が生成される形です。
一つの便利な機能として、Gensparkではタブをまとめてグループ化しておくことができます。よく見るWebサイトを関連性に基づいてグループ化しておくことで、同時に開いたり閉じたり、新しいウィンドウで開くなどの操作が効率的に行えます。
▼実際に、複数タブをグループ化した場合の表示
それでは早速、Genspark AIブラウザを使っていきましょう!
今回は、有料の「Pro」プランに登録。ビジネスパーソンがよく利用しそうな4つのシーンで、各AIエージェント機能の検証を行いました。
- Web記事の閲覧
- YouTube動画の視聴
- ECサイト(Amazon)での商品購入
- SNS上の情報リサーチ(X)
1.Web記事の要約・コンテンツ化
まずは、Web記事から。試しに、SELECKのサイトを開いてみます。画面右上の「Gensparkに質問」をクリックすると、右側にAIチャット画面が表示されます。ここで、「内容を要約して」「この部分について詳細を教えて」といった自然言語での指示が可能です。
<記事の要約>
記事の要約を行ってみます。チャット欄に「記事内容を要約して」と入力してみました。生成された内容はこちら。記事の全体観を掴むには十分な情報量・内容が表示されていると感じました。
そして、要約の内容はそのままNotionに保存しておくことも可能です。生成された回答の最下部にある「Notionに保存」をクリックすればOK。最初はNotionとの連携作業が必要ですが、ほぼログインのみで難しい設定は不要です。
Notionに追加すると、事前に設定しておいたページに自動で反映されます。ページタイトルは、内容に合わせて適宜変更しましょう。
<ポッドキャスト化>
次に、記事の内容をポッドキャスト化してみます。ながら聴きしたい場合などに便利ですね。営業前のリサーチ内容を音声化して、電車や車での移動時間に聴く、といった形で利用できそうです。
チャットボックスに「記事内容をポッドキャスト化して」と入力すると、ポッドキャストのスタイル(一人称なのか・対話形式なのか・インタビュー風なのか)、長さ、雰囲気、強調したいポイントなどについて聞き返してくれました。ある程度、細かく設定できるようです。
▼ポッドキャスト生成依頼時の画面
今回は、対話形式で5分程度、生成AI活用の取り組みの全体像がわかるように生成してほしいとお願いしてみました。AIモデルは「Google Gemini 2.5 Pro Preview TTS」を使用しているようです。
待つこと、おおよそ3分。生成された音声がこちらです。
いかがでしょうか?日本語の発音がかなり自然で驚きました…!内容も、重要な点を十分に抑えているように感じます。男性スピーカーのリアクションも生っぽくて良いですね(笑)。これは日常使いにも良さそうです。
<記事のドキュメント化>
最後に、記事内容のドキュメント化を試してみました。2025年7月に新しく追加された「Genspark AI Docs」機能を使って生成します。これは、リッチテキストとMarkdownの両方に対応した形で、ドキュメントを生成してくれるAIエージェントです。
やり方は簡単。プロンプトで「図解を盛り込んだドキュメントを作成して」と入力するだけです。
この画面上でテキストの大きさ・色・フォントの変更、太字等の装飾、箇条書きスタイルへの変更、図表の挿入なども可能です。その場で編集ができて、かつダウンロードができてしまうのはかなり効率的です…!UIもわかりやすく、問題なく利用できました。ダウンロード形式はHTML、Word文書、PDFの3種類から選択可能です。
実際に生成された資料の全体はこちらからご覧いただけます。さらに、URLでの共有も可能で、URL共有では他のユーザーも編集できます。
▼「Genspark AI Docs」で生成された資料(一部)
2.YouTube動画の要約・スライド化
Genspark AI ブラウザの最大の特徴の一つは、ページ内に埋め込まれたスーパーエージェント機能です。エージェントが機能するWebページを開くと、画面右側に専用メニューが表示され、AIがコンテンツの内容を自動分析して適切なサポートメニューを提案してくれます。
この機能のすごい点は、各サイトの特性に応じてカスタマイズされた機能を提示してくれることです。
例えば、YouTube動画を開くと、「ビデオコンテンツを要約」「トランスクリプトを抽出」「スライドを自動作成」「Gensparkに質問」の4つのメニューが表示されます。
それぞれのメニューを試していこうと思います!
▼画面右側にスーパーエージェントのメニューが表示される
<要約の生成>
まずは「ビデオコンテンツを要約」を選択してみました。最初にタイムスタンプを表示して話の整理を行なってくれます。各タイムスタンプはクリックできる仕様になっており、再生したい部分に直接ジャンプできます。
要約内容は、タイムスタンプの分数・タイトルに合わせて階層的に整理され、動画の全体像をさくっと把握できます。長編のウェビナー動画のなどの内容を、素早く理解したい場合に便利ですね。
<トランスクリプトを生成>
次に、「トランスクリプトを生成」を選択してみました。動画の概要や主要内容などと同時に、トランスクリプトのダウンロードリンクが表示されます。
実際にトランスクリプトをダウンロードしてみたところ、精度的にはそこまで問題ないのですが、話者の指定・識別ができなかったり、全体的に冗長な部分が多かったりと、文字起こし資料として活用するにはまだ改善の余地があると感じました。今後の改善に期待です!
▼生成されたトランスクリプト
<スライドの生成>
最後に試したのは、「スライドを自動生成」の機能です。クリックすると、画面右側でリアルタイムにスライドが作成されていく様子を確認できます。
▼たったワンクリックで動画内容をスライド化
出来上がったスライドはこちら。デザインもかなり洗練されており、見やすいですね…!図解の内容もある程度正確で、このままプレゼンに使えるクオリティ!これはかなり感動しました。
▼Gensparkスーパーエージェントで生成したスライド
自社開催のウェビナー動画をスライド化して視聴者にプレゼントする…といった際にも、かなり便利な機能ではないでしょうか。
3.ショッピングアシスタント(商品比較・レビュー集め)
次に、Amazonなどのショッピングサイトを開くと、「最高の取引を見つける」「類似商品を比較」「他の人の意見」「Gensparkに質問」の4つのメニューが表示されました。こちらも、それぞれ試してみましょう!
<取引内容の精査>
まずは、Apple Airpodsのページを開いて、「最高の取引を見つける」をクリックしてみました。すると、Amazonの製品ページから詳細情報を抽出し、Apple公式のサイトと比較しながら「その商品が正規品と同じ仕様かどうか」を確認してくれました。こんな機能があるなんて驚きです…!
さらに、Apple Store、価格.com、Best buyなどで同一の商品を検索し、それぞれ同じように正規品かどうかを精査した上で、価格の比較まで行ってくれました。リンクも表示されているので、すぐに購入ページに移動できます。
<レビュー・総評>
次に、「他の人の意見」のメニューを試してみました。価格.comなどのプラットフォームはもちろん、X上の口コミや、YouTubeなどのレビュー動画もすべて含んだ形で情報を収集してくれるようです。
分析した上で「Analysis Summary」として、製品の強み、懸念点、おすすめユーザー、慎重に検討すべき人、購入判断の結論などの内容を提示してくれます。ブランドにこだわらず、機能性や価格などを重視してショッピングをする際などにかなり便利だと感じた。
4.SNS上の口コミリサーチ・分析
GensparkではXなどのSNS上のコメントを集約し、分析することも可能です。例えば、「軽井沢に観光に来る人の傾向をまとめて」と入力すると、以下のように「誰がそのコメントを書いているのか」のユーザー情報と一緒に表示してくれます。
最後には傾向分析も表示されるので、自社製品の口コミをリサーチしたい場合や、市場調査を行いたい場合などに活用できそうです。
GoogleやNotionなど、700以上のツールと連携可能「MCP」機能
最後に、Genspark AIブラウザでは、MCPストアを通じてDiscord・GitHub・Notion・Googleカレンダー・Slackなど700を超えるツールとの連携が可能です。
例えば、その日のニュースを要約してNotionに自動反映、Zoomの会議URLを発行してGoogleカレンダーに反映、Discordコミュニティ上の会話を分析、GitHub上で更新があればSlackに通知を送る、といったワークフローを構築できます。
なおデフォルトでは、以下3つのツールがインストールされています。
- X/Twitter Content Explorer
- ブラウザ自動化を通じてX/Twitterのコンテンツを直接検索し探索。特定のツイートを見つけたり、ユーザープロフィールを閲覧したり、キーワードを検索したり、タイムラインをスクロールしたりする。
- Playwright Browser Automation
- 自然言語の指示を通じて自動化されたブラウザ操作を実行。英語で指示すると、対応するPlaywrightコードを生成して実行。反復的なウェブタスクとインタラクションを自動化するのに最適。
- Local Web Fetch
- ローカルのブラウザセッションを使用してウェブコンテンツにアクセス。既にログインしているウェブサイトからコンテンツを取得でき、ソーシャルメディアフィードやパーソナライズされたダッシュボード、メンバー限定のサイトを含む。既存のブラウザの資格情報を使用して、通常のウェブクローラーがアクセスできないコンテンツにアクセス可能。
実際にツールを連携してみました!ホーム画面の入力欄下部にある「ツールを選択」→「追加」をクリックし、今回はGoogleカレンダーを選択しました。
追加後、「今後の予定を教えて」と入力してみたところ、Googleカレンダーに追加されていたその日の予定がテキストですべて表示されました!
さらに、Googleカレンダーに予定を追加してみました。「今日の22時半にオンライン通話の予定が入った」と伝えたところ、Googleカレンダーに「オンライン通話」という予定を入れてくれました。
画面を切り替えず、自然言語で伝えるだけで追加してくれるのは便利です!ただし、この後Googleカレンダーの画面に遷移して、「参加する」ボタンをクリックしないと反映されないようです。カレンダーに直接追加したほうが早いのかも…?
おわりに
いかがでしたでしょうか。今回は、Genspark AIブラウザの概要から基本的な使い方まで、幅広くお伝えしてきました。シンプルで使いやすいデザインでありながら、ビジネス利用から日常使いまで、幅広いニーズに対応する超実用的なAIブラウザではないでしょうか。
まだAIブラウザを試したことがない!という方にはぜひ、気軽に使ってみていただきたいツールです。Windows版はまだこれからというところなので、今後のアップデートにも期待ですね。(了)
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