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  • 中野 康平

【7社まとめ】イチオシの「Slack活用術」を公開!独自の運用ルールからアプリ連携まで

2017年11月に日本語に対応後、国内でも急速な拡がりをみせるビジネスチャットツール「Slack」。先日、「ワークフロービルダー」という新機能が実装され話題になるなど、その勢いはとどまることを知りません。

Slackの躍進の背景のひとつとしては、その「拡張性と柔軟性の高さ」が挙げられます。

実際、SELECKの取材を通じて、独自の運用ルールやインテグレーションなどを活用し、自社にカスタマイズした使い方をされている事例を数多くみてきました。

そこで今回は、Slackを積極的に活用している企業にアンケート調査を行い、「各社イチオシのSlack活用術」をまとめました。ぜひ、ご参考になさってください。

※Slackの基本的な使い方については、こちらの記事をご覧ください。

<目次>

  • 全員必須のタスク管理に便利な「脱出チャンネル」/ GMOペパボ
  • 部署と目的別にナンバーをつけ、チャンネル名を整理 / Loco Partners
  • 表示名の変更で「だれが休みか」を可視化 / SmartHR
  • emojiを使って「乗っかり」投稿!バリュー浸透を加速させる / RELATIONS
  • Slack上でスケジュール調整を完結する「sche-san」/ DMM.com
  • 月20〜30時間のセキュリティ対応工数を削減した「まもるくん」/ DeNA
  • 「共有チャンネル」で他社とコラボレーション / クックパッド

全員必須のタスク管理に便利な「脱出チャンネル」/ GMOペパボ

年末調整や全社アンケートなど、全員が対応しなければならないタスク。その周知やリマインドが、わずらわしいと思ったことはありませんか?

GMOペパボ株式会社でも、リマインドの工数がかかったり、メンバーが依頼されたタスクを見落としてしまう…といった課題を抱えていたといいます。

そうした状況を解決するため、同社が考案した運用法が「脱出チャンネル」というタスク専用チャンネルの開設です。

▼年末調整の提出に関する「脱出チャンネル」

タスクごとに専用のチャンネルを作成し、該当するメンバー全員を招待。そして完了した人から順にチャンネルを「脱出(=退出)」する、というシンプルなルールです。

これにより、対応状況の確認やリマインドが容易になっただけでなく、タスクに関する不明点についてチャンネル内で質問をしてもらうことで、同じ疑問をもつ人が確認しやすくなるといった副次的な効果も出ているそうです。

部署と目的別にナンバーをつけ、チャンネル名を整理 / Loco Partners

チャンネルが増えすぎて、どこになんの投稿をすればいいのか、わからなくなってしまったことはありませんか?

株式会社Loco Partnersでは、全国各地に営業所をもち、チームや部署をまたいだ横断プロジェクトなども進行することから、チャンネル数が膨大になるという課題があったそうです。

それを解決するため、チャンネル名の表記ルールを全社で統一しました。そのルールは、チャンネル名に「部署」と「用途」で番号を振るというもの。

▼チャンネル名のルール(※画像は編集部で作成したイメージ)

▼実際のチャンネル名

これによって、部署順にチャンネルが並び、目的が明確になったため、従来よりスムーズにやり取りができるようになったといいます。

特に新しく入社された人に対して、どのチャンネルにどのような内容を投稿するかの説明が、簡単になりますね。

表示名の変更で「だれが休みか」を可視化 / SmartHR

社員数が増えてくると、各メンバーの休暇を把握するのが難しくなる、というケースもよくあるのではないでしょうか。

株式会社SmartHRでは、「@名前_[日付]おやすみ」のように表示名に休みであることを記載することで、いつ誰が休みなのかを可視化しています。

ある社員がこの表記を始めたことがきっかけとなり、「便利だね」ということで自然と広まったといいます。

この工夫により、休みの人に対するメンションに配慮したり、緊急の対応が必要な場合には、他の人への問い合わせがスムーズにできるなど、コミュニケーションしやすくなったそうです。

また、Loco Partners社と同様に、チャンネル名のルール付けも行っています。同社の場合は、部署の頭文字をチャンネル名の先頭にするというルールになっています。

▼SmartHR社のチャンネル表記ルール

emojiを使って乗っかり投稿!バリュー浸透を加速させる / RELATIONS

独自にカスタマイズできるemojiは、工夫と運用次第で色々な用途に使えます。

弊媒体SELECKを運営するRELATIONS株式会社では、四半期ごとにもっともバリューを体現した人を表彰する「MVP(めっちゃバリューパーソン)」という制度があります。その投票の仕組みに、Slackのemojiを活用しています。

具体的には、「バリューのemoji、@名前、投稿の理由」の順で書いたメッセージを投稿すると、スプレッドシートに転記・集計される仕組みをGASで作っています。

▼バリュー投稿の例

さらに、バリュー投稿を促進するため、他の人の投稿にバリューのemojiでリアクションすることで、乗っかり投稿ができるようにしたそうです。

▼事業部チャンネルでの投稿に、バリューemojiで反応

▼バリュー専用チャンネルに自動ポスト

ちなみに同様の仕組みは、Slackアプリの「Reacji Channeler」を使っても便利です。Reacji Channelerを使うと、あるチャンネルに投稿された内容に特定のemojiで反応することで、任意のチャンネルにも、その投稿が自動的にrepostされます。

部署間での情報連携など、様々なシーンで使えそうですね。

Slack上でスケジュール調整を完結する「sche-san」/ DMM.com

ミーティングの日時を調整する際、Slack上でやり取りしながら、別タブでカレンダーを確認して日時を決める…といった経験はありませんか。

合同会社DMM.comでは、グループウェアのG SuiteとSlackを連携させて、スケジュール調整をSlack上で完結できるアプリ「sche-san」を作成しています。

「sche-san」は、参加者の空き時間を検索し、空いている会議室のリストアップを行い、Googleカレンダーへの同期まで行ってくれるアプリです。

Block Kit」というSlackのUIフレームワークを活用することで、スケジュール調整に必要な項目を選択するだけで設定でき、誰でも簡単に操作することができます。

▼実際の「sche-san」アプリ

こうした業務改善を推進するため、情報システムの部署内に業務改善のチームを作り、社内からのリクエストを収集しながら、sche-sanをはじめとした活用法を生み出しているそうです。

月20〜30時間のセキュリティ対応工数を削減した「まもるくん」/ DeNA

対応に時間が取られるルーティン業務を自動化したい…そんな要望にも答えられるのがSlackです。

株式会社ディー・エヌ・エーでは、オフィスの入退室における共連れを防止するため、セキュリティカードでの入室記録がないと退出できない仕組みを採用しています。

そのエラー解除に対して、都度手動で対応する必要があったために、毎月20〜30時間もの工数がかかり、他のタスクに集中しづらかったといいます。また、夜間や休日など、ヘルプデスクの時間外には対応できないという課題も抱えていたそうです。

そこで開発されたのが、セキュリティーエラー解除botの「まもるくん」です。

専用のチャンネルからbotにメンションすると、botが対象の社員情報を確認し、入退室管理システムからエラーを解錠する仕組みになっています。

▼「まもるくん」利用の流れ

ヘルプデスクスタッフの負担を減らすだけでなく、エラー解除までの待ち時間も短縮することができ、「神アップデート」という声が社内で出るほど好評だったそうです。

「共有チャンネル」で他社とコラボレーション / クックパッド

他社ともSlackを使ってやり取りしたい…そんな時に便利なのが、2019年9月に実装された「共有チャンネル」です。

共有チャンネルとは、企業間でワークスペース内の特定チャンネルを共有できる機能です。課金ユーザー同士であれば、誰でも利用することが可能です。

クックパッド株式会社では、この機能が実装される以前から、他社とのコミュニケーションにSlackを活用していたといいます。

ですが以前は、他社の方を追加する場合、ゲストユーザーとして招待するため都度申請を受ける手間であったり、ワークスペースを切り替える必要があったりして、少し使いづらいという声があったそうです。

今では、他社のワークスペースと接続させた「共有チャンネル」を活用し、合同勉強会の話をまとめたりなど、コミュニケーションをスムーズに行っています。

▼ソラコム社と、イベントの開催についてやりとりしている様子

お互いに自社のワークスペース内で、他のチャンネルと同様に参加できるため、気軽に発言しやすくコラボレーションの敷居が下がりそうです。

さらに管理面においても、パブリックチャンネルにするかプライベートチャンネルにするかをそれぞれのワークスペースで選択することができるため、各社のポリシーに合わせた運用ができる、というメリットもありますね。

さて、いかがでしたでしょうか。運用ルールからアプリ連携まで、様々な事例をご紹介させていただきました。ぜひ、読者のみなさまもご参考にしてみてください。(了)

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