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業務改善には「現場勘」が必要!「最強の総務」が取り組む、ブレインパッドの社内改革

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〜「最強の総務」が社内に提供すべき価値とは? 稟議フローから備品管理、営業見込みの可視化まで、社内業務をラクにした、ブレインパッドの取り組みを一挙紹介〜

社内には、「面倒くさい」仕事があふれている。例えば稟議や経費の申請、営業進捗の報告、備品の管理…。

こうした面倒な業務をできる限り効率化できれば、より生産的な働き方を実現することも可能になる。

データ活用でクライアント企業のビジネス創造や経営改善を支援する、株式会社ブレインパッド。同社は2004年の創業後、2011年に東証マザーズに上場、2013年には東証一部への市場変更を果たし、継続的な成長を続けている。

そんな同社で、総務・法務部門のマネージャーを務めるのが、上村 篤嗣さんだ。上村さんはこれまで、「X-point(エクスポイント)」を使った稟議フローの効率化や、「Force.com(フォースドットコム)」を活用したバックオフィス業務の改善に取り組んできた。

結果的に、6年で社員数がおよそ3倍近くなったにもかかわらず、総務の人数はほぼ変わらない4名のまま、業務を回すことができているという。

同じ会社で働く社員の業務を、少しでもストレスのないものにしたい」と語る上村さんに、これまでの取り組みについて、詳しくお伺いした。

営業から総務へキャリアチェンジし、「最強の総務」を目指す

私のキャリアのスタートは、求人広告会社の営業職でした。そこから総務にキャリアチェンジしたのですが、それ以来ずっと根底では、「最強の総務」を目指したいという想いで仕事をしています。

でも、最強の総務ってなんだろう、プロフェッショナルとして何を目指すべきだろう、そしてこれからどんなことが求められていくんだろうって、考えたんです。

そこでひとつ辿りついたのは、コンサルティングファームが提供しているような、ITを使って業務を効率化する「ビジネスプロセス・アーキテクト」の役割です。

ITを使って、同じ会社で働く社員の業務を、少しでもストレスのないものにする。システムでがちがちに固めるのではなく、あくまでもユーザーである社員に優しく、使いやすい仕組みを提供する。

そういったことをずっと意識してきた結果として、これまで様々な業務改善に取り組んできました。

ブレインパッドの管理部門に転職したのは、2011年のことです。当時は70名ほどの組織で、上場を目指していて、どんどん人も増えている、しかもデータ活用のビジネスで稼いでいるなんて非常に面白くて。興味があって入らせてもらい、今に至ります。

それから6年が経ち、弊社の社員数は200名を超えました。ただその一方で、総務の人数は4名のままなんです。やみくもに人を増やす必要がないよう、バックオフィス業務や、社内の仕組みの効率化に取り組んできました

「面倒な」社内業務をなくす!冗長な稟議フローから、改革に着手

最初に取り組んだのが、稟議申請などの社内ワークフローでした。

弊社の中でも特に多いのは、個々の案件にまつわる契約書の申請です。当時、取引先との契約内容の承認や、必要な仕入れ、外注の費用の決裁のための稟議が、月に平均50件以上は実施されていました。

当時から、稟議の電子申請・承認のフローはありました。ただし、本人→所属部署のマネージャー→管理部門のマネージャー→役員→社長と複数人の承認を経て、さらに支払いのために管理部門に回す、という感じで、会社の規模感に合わないとても冗長なフローだったんです。

しかも、当時使っていたツールだと、この承認フローを毎回手動で設定しなければいけませんでした。

さらに、稟議書のフォーマットに可変性がなかったので、売上、原価、費用、その他と4種類くらいに分かれていて。申請する社員側からすると、その違いがよくわからないという状態でした。

そのため、原価だと思って申請したら、「これは費用なので、出し直してください」と差し戻されてしまうこともよくありました。

私は元々が営業出身で、稟議を申請することが多かったですし、面倒くさがりやなので(笑)、なんで申請する側に稟議フォーマットを選ばせなきゃいけないんだろう、という問題意識が強くあって。何とかならないものなのか、と思っていたんです。

「X-point」の導入で、「本当に親切なワークフロー」を目指した

こういった背景から、2011年の末頃から、冗長なフローを短くする取り組みを始めました。さらに2012年3月からは、電子申請のツールを刷新するプロジェクトを開始しました。

ツールを選定する上では、6ツールを、自分で調べて比較検討しました。

▼実際に作成した、比較表の一部

最終的に導入したのが、ワークフローを簡単に構築できるシステム「X-point(エクスポイント)」のオンプレミス版です。

当時使っていたツールではできなかった承認ルートの自動化や、入力情報のCSVでの出力など、高い機能が低コストで使えることが魅力でした。

またX-pointのコンセプトは、できるだけ「紙のような」稟議書をWeb上で再現するというもので、その見た目のわかりやすさもいいなと思いました。

▼実際にX-pointで作成した、同社の稟議書の例

社内への導入自体は、すんなりいったと思います。ただ、社内に公開する前の事前準備は、少し大変でした。

と言うのも、本当に親切なワークフローって何だろう、と考えたときに、ユーザー側に選択を迫ったり、知識を問うような状態ではあまり優しくないなと。

X-pointは非常にカスタマイズ性の高いツールで、かなり細かい部分まで設定ができます。ですので、それを活かし、ユーザーである社員が「本当に使いやすい状態」で提供したかったんです。

差し戻しが激減!「罪の意識」を感じていた稟議フローを一新

そのためにまず、申請用の入力フォームを作成する必要がありました。経費申請、出張申請、飲食費申請など、いまは10種類の申請フォームがありますが、当時はまず5種類を作りました。

それぞれのフォームのどこに何を配置して、分岐はどうするのか。X-point上のデザインツールを使って、ぺたぺたと設置していきました。

▼実際にX-point上で、フォームを作成している様子

必要なことを上から順番に書いていけば、情報が抜け漏れなく揃って、必要な人に届くという状態を実現したいと思っていました。そうすると、どうしても細かい部分までを設定しなければならなりません。

▼「原価」を選んだ場合(左)「費用」を選んだ場合(右)でフォームが自動で変化

パワーポイントに近い感じなので簡単な作業ではありますが、最初は大変でした。

また、申請ルートも設定する必要があります。条件を細かく設定できるので、あらゆる申請パターンに対応できるよう、細かく作り込みました。他にも、承認フローを作るために、社内の階層に合わせて、X-point内にユーザーのグループを作る必要もありました。

ただし、最初に1回入力フォームと申請ルートを作ってしまえば、その分、使う側はラクになります。手間はかかったのですが、必要な作業だと思います。

結果的に、稟議フローは非常にわかりやすくなりました。以前は、「あの項目が書いてないから」とか「フローが違うから」といったことで差し戻すことが多く、罪の意識を感じていたんです(笑)

でもいまは、正しい申請でなければフォーム側がエラーを出してくれるので、「差し戻し」がほとんどなくなりました。申請者、承認者、双方にとって、非常に良かったと思います。

「Force.com」の活用による、バックオフィス業務の効率化に着手

次に取り組んだのが、バックオフィス業務の効率化です。きっかけとなったのは、2013年の頭くらいから個人的に「Force.com(フォースドットコム)」を触り始めたことです。

Force.comは、以前から顧客管理システムとして使っていた「Salesforce(セールスフォース)」が提供する、クラウド型ビジネスプラットフォームです。

最初は、当時兼任していたIRの業務を行う中で、例えば、どの投資家にいつ会ったか、という履歴を残すために自分自身で使い始めました。元々はExcelでまとめていたのですが、Force.comを使ってみたところ、これは便利だぞ、と気がついたんです。

Force.comは、簡単に言うと、データベースの中に好きな情報の「テーブル」をどんどん設置できます。そしてそれらのテーブル同士を画面の中で組み合わせることで、データを自由に整理できるんです。

例えば「取引先」と「社員」というテーブルを作れば、そのふたつをつなぐことで、取引先の担当者を一覧にできる、という感じです。一度作業に慣れてしまえば、かなり簡単に使うことができます。

自由にデータベースを構築し、備品管理や与信管理を効率化

現在、色々な情報をForce.comでまとめていますが、一番成果が大きかったのは、社内の備品管理です。

パソコン、携帯、モニターなど、社員1人ひとりがいろいろな備品を貸与されています。以前はそれを、Excelで管理していました。「パソコン」というExcelファイルの中に、「PC001」「PC002」というようなシートを分けて作っていた感じです。

すると、例えば誰かが退職したときには、備品ごとにシートを探してひとつずつ貸与者の氏名を書き換えることになります。非常に冗長でしたし、これではミスも起こります。

そもそも組織が70名から200名超になったということもあって、入社が月に4~5名いました。そしてそれに伴う備品の準備に、実はすごく手間がかかっていたんです。誰かの入社が決まると、その人に何を手配するのかを部長に確認して、メールでやりとりして…。

さらにExcelでの管理だと、誰が何を持っているかということをすぐに一覧化できません。この方法でも、なんとか頑張って回していたのですが、やっぱり無駄だなと思っていて。

そこでForce.comを使って、備品を管理するデータベースを作りました。備品と人をひもづけておくことで、誰がいま何を持っているかを、一覧化できるようにしたんです。

▼実際に同社が使用している、備品管理データベースの一部

すると、例えば来月辞める人が持っている備品を一覧で見られるので、総務が回収するべきものリストがすぐにわかります。入社手続きも同様で抜け漏れなく手配ができるようになりました。

他にもForce.comを使って、営業活動も効率化できました。例えば、以前は紙で回していた与信管理や、他のツールを使っていた原価管理も、Salesforceに一元化しました。

これで、営業が契約や商談のときに必要な情報に、ひとつのツールからアクセスできるようになりました。他部署といちいち確認する必要もなくなったので、コミュニケーションコストも下がり、みんなラクになったという感じです。

情シスではなく、「現場の勘」がある人が業務改善には最適

いまは総務に関しては、かなり私の手を離れて回るようになってきました。そこで、もう少し営業の効率化に知恵を使おうと、今年の1月からは総務・法務部門のマネージャーと、マーケティングマネージャーを兼任し、とくにインサイドセールスの強化に取り組んでいます。

兼務になってからこれまでの3ヶ月で、もともとExcelで行っていた営業の目標管理を、Salesforce上のダッシュボードで可視化するようにしました。

▼同社が実際に活用する、Salesforceのダッシュボードの一部

そもそも、受注前の見込み案件の可視化はなかなかうまくいっていなかったんです。それをいまは、確度別にA・B・Cとランク分けして、目標件数に対する見込み案件の進捗がしっかりと見えるようにしました。

このような業務の改善は、やはり「勘所」を掴んでいる人が行うことが大切だと思っています。ITツール周りということで、情シスの仕事のように感じるかもしれませんが、そうではないのかなと。

例えば、何を見せたら営業は動くのか、何を見ることができたら営業部長は嬉しいのか、そういった勘がある人の方が、実はシステムの専門家よりも良いものが作れるんじゃないかなという気がしています。

これからも現場目線で、現場のメンバーがより働きやすくなる環境を作っていきたいと思います。(了)

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