- ピクスタ株式会社
- CSO
- 遠藤 健治
月1,000件を超える「お問合せメール」を捌く!PIXTA流の仕組み化とは
今回のソリューション:【メールディーラー】
1,000万点以上の写真・イラスト・動画素材を販売するストックフォトサービス「PIXTA(ピクスタ)」は、2006年のサービス立ち上げ以降、海外も含めた順調な拡大を続けている。素材の売り手と買い手が自由に参加できるマーケットプレイスとして利用者が右肩上がりに上昇する中で、「問い合わせメール」の数も増加を続け、今や月に1,000件を超えるという。
同社でCSO(※)を務める遠藤 健治さんが同社に入社したのは、まだ社員が10名ほどだった2010年。そして遠藤さんがすぐに改革を行ったのが「気づいた人がフォローしあう」方法で行われていたカスタマーサポートだった。導入したのは、メール共有ソフト「メールディーラー」。結果、個別の対応が可視化され、サポート体制の仕組み化ができたと語る遠藤さんに、詳しいお話を伺った。
(※)Chief Strategic Officer/最高戦略責任者
ベンチャー企業の上場を経験し、現在はピクスタでCSOを務める
学生の時からエンジニアとしてアルバイトをしていて、ITベンチャー企業の創業にも関わり、上場までを経験しました。それからずっとインターネット業界に身を置いています。ピクスタに入社をしたのは2010年の10月です。代表の古俣とは以前から知り合いで、コミュニケーションを取っていく中で入社を決めました。現在はCSOを務めています。
当時、社員は10名 「お問合せメール」は全員でフォロー
弊社には、写真・イラスト・動画素材を作るクリエイターの方や、素材を購入するお客様からの問い合わせメールが日々たくさん届きます。でも僕が入社した当時は、メールはすべてひとつのメールボックスに届いていて、気付いた人がフォローし合うような形で回っていたんですね。
担当の者はおりましたが、社員も10名ほどでしたし基本的には全員で対応しているような形でした。それぞれの対応が属人的になっていたので、継続中なのか、完了しているのか、といったステータスも担当者にしかわかりませんでした。
当時はなんとか回っていたのですが、ユーザーもどんどん増加を続けていたので、今後メールが増えていったらまずいなと。抜け漏れも起こるでしょうし、担当者が休みで状況がわからない、といったことが起こるのではないか、という危機意識を強く感じるようになったんです。
カスタマー対応の仕組み化のために導入した、メールディーラー
そこで、カスタマー対応を仕組み化するために導入したのがメールディーラーです。元々前職の時に使っていて良かったので、ピクスタでも取り入れました。
メールディーラーを使うことで、カスタマーサポートに来た問い合わせメールをすべてWEB上で一元管理できます。1件1件のお問合せが誰でも見える形でチケット化され、それを担当者に振り分けることができます。チケット毎に担当者がステータスを更新していくので、対応が継続中なのか、完了しているのか、状況が全員にはっきりとわかるんです。
▼「メールディーラー」画面イメージ
最初はUIに慣れなくて少し大変な面もありましたが、基本的に使いやすいツールなので、すぐに新しい対応フローを作り上げることができました。
現在は月に1,000件のメールを4人で捌く!
サービスが成長し、今では1ヶ月で1,000件の問い合わせメールが来るようになりました。以前の方法ではこれは捌けなかったと思うのですが、現在は4名で対応できています。複数人が同時に対応していてもすべての状況が見えるようになっているので、トラブルが発生してしまうリスクも大きく軽減されました。誰が今、どのお問合せに、どのように対応しているのか、ということが明確になったんです。
メールディーラーでは問い合わせが担当毎に割り当てられるので、タスク管理のような使い方もできます。また、こちらが返信をしてまた向こうから戻ってくると過去のメールと紐づくので、ひとりのお客様に紐付いた形で履歴を追うことが可能です。あとで担当者が変わっても引き継ぎが簡単にできますね。カスタマーサポートを効率化する、大きな武器になっています。
毎週問い合わせを集計し、サービス改善に繋げる
また、問い合わせにカテゴリーを割り振ることができます。それに基づいて問い合わせ内容を分析できるようになったので、サービス改善に繋げられるようになりました。
現状はお問合せが届いたらまずそれが担当者に紐付き、そしてその担当者が種類に応じたカテゴリーを設定できます。ひとつのお問合せにつき複数設定が可能なのですが、例えば弊社の場合は「素材の購入者」「クリエイター」「ユーザー」といったカテゴリーを設定しています。どのようなユーザーがどういったことでお困りのことが多いのか、明確に数値でわかるようになりました。
このデータを毎週集計して、サポートのチームから報告してもらうようにしています。そしてその内容次第によっては他の部署と連携して、具体的な改善に取り組んでいく流れができていますね。
今後も「PIXTA WAY」でサービスを成長させ続ける
今はメールディーラーの活用はユーザーやクリエイターとのやりとりに留まらず、無料素材の受付や、求人といった部分の対応まですべて一手に引き受けて管理しています。メール関連の業務が大幅に効率化したと感じています。
ピクスタには「PIXTA WAY」という10項目の行動規範があります。例えば「解決志向」「スピードは競争力」「スケール化のための仕組み化」といったものがあります。メールディーラーのようなITツールを取り入れて業務を効率化し、サービス改善に繋げるということも、まさに弊社が重要視していることです。今後もPIXTAに集まるクリエイターや購入者の方に最大の価値を提供していく方法を模索し続けたいと思っています。