• 株式会社VOYAGE GROUP
  • コンテンツメディア事業本部プロデューサー
  • 伊藤 淳

2人で1日7本の記事を配信!ネタ探し、SEO、SNS拡散…Webメディア運営術を徹底公開

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今回のソリューション:【BuzzSumo/バズスーモ】

〜バズる記事のネタ作りをBuzzSumo、Google Apps Script、Slackなどを活用して効率化し、1日7本のコンテンツ配信につなげている事例〜

企業がオウンドメディア(自社メディア)を立ち上げてコンテンツを発信することで、潜在顧客を惹きつけるマーケティング手法が広まっている。今では新しいメディアが日々立ち上がっているが、一方でその「集客」や「運営」に課題を抱える企業も少なくない。

株式会社VOYAGE GROUPで「appéti(アペティ)」、「時短美人」、というふたつのメディアを運営する伊藤 淳さんは、様々なツールを駆使して、バズる記事のネタの発想、SEO対策、記事の評価、などを仕組み化している。

面白いことを考えることに時間を使いたいので、運営はできるだけ自動化しています」と語る伊藤さんに、Webメディア運営のポイントを1から10までお伺いした。

未経験からメディア運営をスタート!

新卒でVOYAGE GROUPに入り、3年目になります。もともとはポイント系アプリのプロデューサーをしていたのですが、ちょうど1年ほど前にメディア領域に異動しました。

伊藤 淳さん

メディアに関しては未経験だったので、「取材ってなんだろう」、「PRってなんだろう」、といったことを、ゼロから学んでいった感じです。Webメディアの運営って、取材、ライティング、ソーシャル対策、SEO対策、などなど…考慮しなければならないことがたくさんあって、慣れるまでは大変でしたね。

現在は「appéti(アペティ)」と「時短美人」という、ふたつのメディアを運営しています。appétiは女性向けの飲食系のメディアで、料理の美味しさと言うより、トレンドを追求している点が特徴になります。話の「ネタ」になるようなお店を中心に紹介しているイメージです。実際にそのお店に行かなくても、眺めているだけで楽しいようなサイト作りにこだわっています。

▼appéti(アペティ)

appéti(アペティ)

このふたつのメディアは、正社員2名、内定者のアルバイト2名、エンジニア1.5名というメンバーで運営しています。現在はデイリーで7本の記事を配信しているのですが、正直、そこがかなり大変です(笑)。

アプリからWebに移行し、メディア運営を仕組み化し始めた

2015年1月に、最初に立ち上げたメディアが時短美人です。まずは1ヶ月ほどでスマホアプリを開発し、その後は記事の「本数を増やす」ことにひたすら注力していました。その理由は、WebメディアのPVなどは、記事の本数に比例して増える部分があるからです。

その上でASO(アプリストア最適化)をがんばった結果、すぐにある程度のPVまでは到達できました。ただ、そこから数値が伸び悩んでしまって…。

アプリで流入を増やすことに限界を感じました。一方で、Webではコンテンツを増やすことで流入をいくらでも増やすことができるので、「アプリからWebに移行しよう」と、2015年の夏ごろに方針を転換しました。

しかし、ちょうどWebに移行したタイミングで編集担当者が退職してしまって。それに伴い、自分自身も記事のネタ探しに時間を使う必要が出てきました。そこで、仕組み化できるところは仕組み化して運営を効率化しようと考え、SEO対策やネタ集めの効率化、他メディアの施策などを研究し始めました。

メディア運営の仕組み化のため、まずは記事の分類分けを

メディア運営を仕組み化するために、まず行ったのは配信する記事にそれぞれの「狙い」を設定したことです。全体の1割ほどをバズを狙うキラーコンテンツ、2〜3割を速報性の高いニュース、それ以外を検索流入狙いの記事にしています。

これらの分類は、月に1回の編集会議で決定されます。キラーコンテンツの中身、SEO向けの記事で狙うキーワード、バズるネタ、といった風に、コンテンツの内容を決めていきます。

ネタはあらかじめアルバイトに考えてきてもらっていて、その中で何をどのコンテンツにするのか、そしてどれを外部に委託するのか、ということを割り振っています。

「Buzzsumo」で、ライバル媒体のバズっている記事を研究

編集会議に持ってくるネタを考えるためには、「Buzzsumo」というツールを使っています。Buzzsumoは、各種SNSでバズっているコンテンツを調べることができるツールです。僕たちの場合は、自分たちとユーザー属性が近い10個のサイトでバズっている記事のトップ5を、毎週ウォッチしています。

▼Buzzsumo

Buzzsumo

▼Buzzsumoの情報をスプレッドシートに飛ばしている

Buzzsumo

具体的には、Spotlightさん、by.Sさん、MERYさん、iemoさん、TABI LABOさん、東京カレンダーさん、などがバズる記事をよく配信しているので、チェックするようにしていますね。

Buzzsumoを使うと、例えば、TABI LABOさんの「明日の夜明け前、金星と土星が大接近!」という記事がFacebookで2,500シェアされた、というようなことがわかります。他にも、MERYさんが最近「占い」に力を入れ始めていて、 「動物占い」「言霊占い」「バースデーカラー占い」というネタでバズっているんだ、とか。

これをずっと眺めていると、バズる記事の傾向がわかってくるんですよね。天体系は一定のニーズがあるな、とか。僕と編集長とライターの方々で毎週必ずチェックして、参考にしながら記事のネタを考えています。他にも、ネタを考える上では今流行っているものを知りたいので、芸能人のインスタやTwitterをチャットツールのSlackに流して、常に情報収集はしています。

SEO対策は自力で!Google Apps Scriptを活用

SEO対策については、自分たちの力でできることをいろいろ行っています。基本的には基幹キーワードと複合ワードを検索エンジンに打ち込んだときに、上位表示されるように狙って記事を書いています。基幹ワードというのはひとつのキーワード、複合キーワードは「朝食 おいしい」といった、2つ以上のワードを組み合わせたものです。

伊藤 淳さん

「どのキーワードで上位を狙うか」というキーワードの抽出が、SEOの肝というかセンスになると思います。ステップとしては、最初にある程度狙う領域を見極めます。

例えば女性向けの飲食系メディアのappétiであれば、「カフェ領域は検索上位を狙っていけそうだな」、ということを判断する。そして、「モーニング 渋谷」とか「モーニング パンケーキ」といったように具体的なキーワードのあたりをつけて、大量のリストを作ります。

今、僕たちは1,000弱のキーワードをリスト化しています。リストを作った後に、Google AdWordsのキーワードプランナーを使って、リストにあるワードが月間に何回検索されているかを調べます。そして、あまりに検索回数が少ないものをリストから弾いて、残ったキーワードで上位を狙っていきます。

キーワードの順位を上げるためには、「そのキーワードを検索エンジンに入れたときに、どのサイトが上位に表示されているか」を常に把握しておくことが重要です。でも検索順位は常に変動するものなので、Google Apps Scriptを使って、自動で各キーワードに関する上位のサイトを取ってくる仕組みを作りました。

▼自動で各キーワードに関する上位のサイトを取ってくる仕組み

検索結果ページのHTMLを解析して、検索順位1位、2位、3位、などを取得しています。この結果を見ていれば、各キーワードの上位はどんなページで、さらに自分たちのサイトが何位あたりにいるかもわかります。

僕はエンジニアではないのですが、Google Apps Scriptなど使って、自分たちの使うものを自作するように心がけています。エンジニアではないので世に出せるプロダクトは作れませんが、自分で使うものは作れる。これができるとエンジニアさんが、ユーザーの方に関わる部分の業務に集中できるようになります。

記事の評価も、Google Apps Scriptを使って自前で!

現在、記事の評価指標にはPVを置いています。基本的に記事の総PVは公開日が古いほど大きくなりやすいので、正確な評価をするために、公開から7日間のPVを重要視しています。

とはいえ、公開から7日間のPVをGoogle Analyticsで区切って見るのは結構大変なんですよ。そこでGoogle Apps Scriptを使って、Google Analyticsの結果をスプレッドシートに飛ばし、7日間のPVを一覧でチェックできるようにしています。

ただ、記事の評価をどう次のアクションにつなげるか、という点は難しいですね…。評価の高い記事の傾向を見ることで、PVを獲得できる記事の大まかなジャンル、ライター、などを学習することはできると思うのですが、例えばダイエットの記事が良かったからといってダイエットの記事ばかりあげても仕方ないんですよね。この点は、まだまだ試行錯誤を続けています。

メディアのブランドを確立し、広告以外の領域の予算を獲得したい

今後メディアはPVをベースに、バナー広告などで売上を作るのはもう事業体として厳しいと思います。たとえ1,000万PVを持っていてもバナー広告だけでは月に300万円ほどにしかならなかったり…。

そのため、僕たちはあくまでもブランドを作って、違ったモデルで事業を回していきたと思います。作りこんだオリジナルの記事を中心に据えて、メディアとしてのブランド感を作っていきたいですね。

伊藤 淳さん

メディアのブランド化に関して最近面白いなと思っているのは、Antennaさんです。 例えば、アプリ起動画面をジャックできる広告プランがかなり売れてるようなんですけど、ここにTVCMやそのメイキング映像を流している企業さんが多いです。従来のバナー広告よりも、企業がブランディングのために活用できるようなメニューも考えられると媒体としては強いのではないかと思っています。

企業には広告予算の他に、PR予算とSP(セールスプロモーション)予算がありますよね。PRやSPの予算は規模としてはすごく大きいのですが、Web広告にはなかなか降りてきません。例えば「座談会でサンプリングをします」という話になると出てくるんですよね。そのあたりをうまく引っ張ってこられるように、メディアのブランドづくりをしていきたいですね。(了)

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