• 株式会社ネットプロテクションズ
  • 人事総務グループ ゼネラルマネージャー
  • 秋山 瞬

全員が当事者となる組織を 社員情報を一元管理するタレントマネジメントシステム

今回のソリューション:【カオナビ】

株式会社ネットプロテクションズでは、「みんなで会社をつくる」というコンセプトの下、若手メンバーが担当業務の枠を超えて採用・研修などの責任ある業務にチャレンジできる仕組みをつくっている。その自由な組織を裏で支えているのが、クラウド型タレントマネジメントシステムである「カオナビ」を使った人事データベースだ。

人事総務グループでマネージャーを務める秋山瞬さんによれば、カオナビの導入によって、全社員がアクセス可能な社員のデータベースができただけではなく、各人のスキルや経歴をまとめることで組織づくりに関しても視点が広がったのだという。

「次世代のリーダー」の創出のためネットプロテクションズへ

2009年10月に中途でネットプロテクションズに入社しました。その前は設立2年目のスタートアップで、5人目の社員として新卒で入ったんです。新規事業を構築したり、関西支社の立ち上げをしたり、人数も60人超まで増えて順調だったんですが、リーマンショックで一気に人が10人弱まで減ってしまいました。

当時、ネットプロテクションズは私のお客さんだったんです。自分自身も新たなチャレンジをしようと挨拶をしに行ったところ、社長の柴田に誘われ、ここでなら自身のwill(意志)である「次世代を担うリーダー創出」ができると入社を決意しました。今はその想いを実現するべく、人事総務グループでマネージャーをしています。

人事データベースは紙とエクセル!社員の顔と名前が一致しない

そもそも弊社には人事データベースが特になく、基本的には紙とエクセル管理ですごくアナログでしたね。一応、自社で作成したアクセスの人事データベースがあるにはあったんですが、使いにくくて私含めて人事部のメンバーにもほとんど触れられていなかったんです(笑)。

その後人数もだんだん増えてきて、派遣社員さんや業務委託の方にもたくさん入って頂くようになりました。それで2012年にフロアを増床して、2フロアに分かれたんですね。それによって今まで以上に、社員同士で顔と名前が一致しなくなってしまい、これは良くないということで、本格的に人事データベースの導入を検討し始めました。

「タレントマネジメントシステム・カオナビ」を導入

それで2012年4月に導入したのが「カオナビ」です。もともと私が株式会社カオナビの取締役と飲み仲間だったので話は聞いていて、純粋に良いサービスだなと思っていました。実際に導入する際は他のツールも検討しましたが、カオナビは、圧倒的にUIが良いという印象を受けたんです。人事だけが使うなら多少わかりにくくてもいいかもしれませんが、経営メンバーも含めてみんなで使いたかったんですね。その場合使いやすくないと結果使わなくなってしまうので。

また、カオナビが単なる人事データベースではなくて「タレントマネジメントシステム」だったというのも重要な点でした。せっかく導入するのであれば、ただ人の情報を集約するだけではなくて、いかにその人の能力開発や育成に活用していくかを大事にしたかったので、導入する意義があると感じたんですね。

全社員が当事者意識を持って組織に関わるための仕組みを

カオナビは権限設定が細かくできるので、まずはエクセルでやっていた目標管理制度をカオナビに入力する仕組みに変えていきました。また、併せて「ビジョンシートという弊社独自の異動希望調査のようなものもカオナビに移管しました。ビジョンシートでは、NP内での具体的な業務の話だけではなく、けっこうみんな、人生で何がやりたいかということを赤裸々に、自由に書いてくれています。「卒業して起業したい」なんていうのも普通に書いてあるのが特徴です。

ちょうどカオナビを導入した2012年は、当時の社員は50名程だったんですが「会社の理念を全社員でつくる」という活動をしていたんです。全員で合宿に行って、グループワーク形式で会社の理念を考えました。そのくらい全員で当事者意識を持って会社づくりをしていこうと考えていたので、出せる情報は基本的にすべてオープンにしていこうと。

それでこの「ビジョンシート」も、カオナビ上で全員が見られるようにしたんです。組織の想いとして各個人の意志、willを大事にしているので、制度・仕組みとしてそれを見える化した形ですね。

組織の人員配置を考えるのに役に立つ機能「シャッフルフェイス」

カオナビがすごく便利なのは、経営者が人員配置を考える時に、メンバーの意志や能力を確認することができる点ですね。例えば関西支社を立ち上げるとなったら、うちで関西出身の人は誰なのか、関西で就業経験があるのが誰かがすぐに検索できますし、新しいことにチャレンジしたいという気持ちを持った人をピックアップすることもできます。

入社前のバックグラウンドももちろんですが、異動の遍歴、研修の遍歴、本人のビジョンなど、すべてを残しているので人材育成やキャリアマネジメントに活用できるんです。

そして「シャッフルフェイス」という機能を使うと、もっと具体的に組織の人材配置をイメージできます。顔写真をマトリクスに乗せることができる機能なんですが、縦軸横軸の指標を自分で設定してメンバーを並べていけるんです。

具体例で言うと、縦軸を部署、横軸を入社年次、と決めて顔写真をマトリクスに出力して、そこから自由にピボットできるんです。いろいろな要素でフィルタをかけられるので、実際の社員の顔を見ながら組織編成をイメージできます。

入社前からログを残し、1本の線として評価を追いかける

人事部の目線でのタレントマネジメントにも活用しています。例えば採用の課程で、候補者の方が誰の面接を受けて入社してきたか、内容のログを含めてすべて残しています。入社前の評価から入社後の評価までがすべて紐付いているので、1本の線として追っていけるんですね。なので、採用でのミスマッチを後で振り返りすることもできます。

今後は現場のメンバーによる更なる活用が狙い

現場のメンバーにとってもいろいろとメリットがあります。簡単に言うと、他のメンバーの自己紹介がカオナビに載っていて誰でもアクセスできる状態にあるんです。弊社では立候補制のワーキンググループという制度があり、自分のリソースの2割を所属部署の外で、部署横断で行うプロジェクトに使うことが認められているんですね。

例えば、新卒採用をワーキンググループで企画から運営まで全て担っていたりします。ワーキンググループのメンバーは毎年変わるので、誰が何をやっていたかがカオナビ上でまとまっているだけでも便利なんですよね。

今はまだここまでできていないんですが、本当は現場でのコミュニケーション促進にももっと使っていってほしいと思っています。例えば、弊社には部署・役職横断でランチに行く制度があって、他部署の知らない人とランチに行ったりするんですね。

その時、先にカオナビの自己紹介を見ていれば、それなりにその人のことを知った上で話ができるので全然違うんじゃないかなと。趣味とか、出身地とかもしかしたら共通の話題を事前に見つけられるかもしれないですしね。今後もカオナビをマネジメントの側面で使いつつ、こういったメンバー目線でももっと活用していけるようにしていきたいと考えています。

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