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アナログな営業組織をデジタル化!魚をスマホで注文できる「魚ポチ」の躍進の裏側

今回のソリューション:【Twilio/トゥイリオ】

〜営業の顧客管理、電話営業を効率化した「Twilio(トゥイリオ)」の使い方〜

配車サービス「Uber」をはじめとして、スマートフォンからオンデマンドで様々なものを注文できる時代が訪れようとしている。オンデマンド系のアプリはリアルな世界と連動しているため、拡大するために「強い営業組織」が必要となる。

株式会社フーディソンは、スマートフォン経由で魚を注文できる「魚ポチ(ウオポチ)」というオンデマンドアプリを開発し、すでに数百の飲食店から日々注文を受け続けている。

この拡大の裏には、同社CTOの石井 健三さんが「アナログな営業組織をデジタル化し、強くした」という事実が隠されている。石井さんが、クラウド電話APIサービス「Twilio(トゥイリオ)」を活用しどのようなシステムを作り、営業組織を強くしたのか、お話を聞いた。

オフィスにいるだけでは本質的なものは作れない

以前はITベンチャーや大手SNS企業でWEBやスマホアプリの開発を行ってきまし た。2014年2月にフーディソンに参画し、CTOを務めています。今まで様々なインターネットサービスを作る中で、「もっとアナログな視点を入れたサービス開発をしたい」と思うようになり、そんな時に弊社代表の山本と出会いました。

水産業界とつながりがない中「築地から魚を仕入れ、飲食店に卸す」というシンプルなビジネスモデルを作り、半年で月に数百万円の売上を出していることに驚きました。

当時は電話、メール、FAXで300店舗の飲食店とやり取りをしているアナログな組織でしたが、だからこそアナログな視点を入れたサービス開発ができる可能性を感じ、CTOとして参画することにしました。

参画した頃は人も少なかったので、朝一緒に築地に行き、魚を発泡スチロールに詰めたりしていました(笑)。

点がつながり完成した、魚をスマホで発注できる「魚ポチ」

CTOとして取り組んだことは、受発注・営業活動のデジタル化や「魚ポチ」というスマートフォンアプリの開発などです。

「魚ポチ」は、飲食店がスマートフォンから魚を簡単に発注できるオンデマンドサービスで、今では飲食店から弊社への発注の90%を占めるようになりました。

▼スマートフォンから魚を発注できるアプリを開発

実は参画当初からこのアプリを作ろうと考えていたわけではなく、飲食店からの受発注管理をデジタル化していく中で、アイデアが湧きました。

もともと、弊社の受発注管理はカレンダーに付箋を貼るというアナログなやり方でした。冗談ではなく、風が吹くと付箋が飛んでしまい受発注がわからなくなることもありました。

そこで、電話、FAX、などで受けていた受発注をまずデータベースで管理できるようにし、顧客マスターを作りました。

顧客管理をデジタル化できるようになったので、次は「日々の電話やFAXでの発注をスマートフォンでできるようにしたらどうか」と考えて作ったのが「魚ポチ」です。

はじめから壮大な構想があったわけではなく、アナログな営業力で飲食店を開拓し、受発注のデジタル化を行う中で、点と点が繋がり線になりアプリができた感覚です。

「魚ポチ」を広めるために営業活動の管理をデジタル化

「魚ポチ」を広めていくために重要なのは飲食店への営業ですが、弊社はもともとテレアポなどの営業活動も紙で管理をしてました。

これだと、後から見た人が把握することも難しく、営業活動の分析もできません。そのため、営業活動の管理をデジタル化しようと考えました。

そして、せっかく管理をデジタル化するなら、テレアポ自体も効率化したいと考えました。通常のテレアポは番号を毎回電話機に打ち込むと思いますが、この作業を効率化するために、営業マンが見る管理画面からボタン1つで電話ができるサービスを検討し始めました。

いくつかサービスはあったのですが、管理画面に入力した営業活動の結果を顧客マスターに繋いだり、画面自体をカスタマイズしたかったため、シンプルで柔軟性が高いTwilioを選択しました。

Twilioを組み込んだ管理画面は、2週間ほどで開発できました。管理画面に営業先の「電話番号情報」を組み込んだ通話ボタンを設置し、それを押すだけでPCから電話ができます。

▼Twilioを組み込んだ管理画面で、営業先を管理

営業マンが電話をした後は、ただボタンを押すだけで記録が残る仕様にしました。また、FAXをボタン1つで送る機能も実装しました。

これは、予め登録しておいたFAXの文面を1クリックで営業先に送ることができます。管理画面上の行動はデータベースに保存されるので、「FAXの◯◯日後に電話すると受注が決まりやすい。」といった分析も可能です。

営業効率が1.5倍になり「魚ポチ」の拡大基盤ができた

システムを作り営業組織がデジタル化したことにより、営業マンが1日にかけられる電話の件数が1.5倍程になり、受注件数も上がったと感じます。これで、「魚ポチ」を一気に広げていく基盤ができました。

アナログにデジタルを融合させる中で実感しているのは、「本当に便利なものは必ず広まる。広まらないのは、利用者のITリテラシーが低いせいではない。」ということです。今後も利用者のITリテラシーのせいにせず、本当に便利なものを作り続けたいと思います!(了)

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