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- 田邊 賢司
Web開発者を悩ませる「割り込みタスク」に対応!ランサーズCTOが選ぶ管理ツール
今回のソリューション:【Wrike/ライク】
タスク管理のスタイルや方法は企業によって様々だ。日本最大級のクラウドソーシングサービスを提供するランサーズ株式会社でCTOを務める田邊 賢司さんは、全社の要求を最も満たすタスク管理ツールを探した結果、米国企業Wrike, Inc.が提供するプロジェクト管理ツール「Wrike(ライク)」に行き着いた。
求めていたのは、基本的なタスク進捗の管理機能に加えて割り込みタスクへの自動対応、優れたUI/UX、API連携、そして価格の手頃感だ。Wrikeはこのようなニーズを全て満たしたのに加えて優れたビジュアライズ機能によって、多忙なIT系スタートアップ企業の業務マネジメントにも多大な貢献をしているという。田邊さんにWrikeの導入から活用法までを聞いた。
SIerからWeb系へ 現在はランサーズでCTOを務める
元々は私、Web系ではなかったんです。いわゆるシステムインテグレーターとしてメガバンク系の開発の2次・3次受けをしていました。規模も本当に大きくて、数十億から数百億の規模で、1,000人以上が関わっていたり。そうするとリリースした後は別の会社さんが運用をするので、自分の作ったものがどう使われてるのかわからないというのが普通でした。
でもやはり、自分の作った物がどう評価されているのかを知りたくなってきたんです。そしてWeb系の華やかな世界を見ていて、自分がやりたいと思っていたITってこういうことなのではないかと。そういった経緯で、6、7年ほど基幹系をやった後にWebに移り、ソーシャル系のアプリやゲームの開発をしてきました。その中で開発系のチームのマネジメントや立ち上げもしてきて、2014年4月にランサーズにCTOとして参画しました。
マネジメントの立場でも、常に技術を学び続けることが大切
エンジニアのマネジメントで気をつけているのは、やはり技術レベルの高い人とも話ができるように自分もある程度勉強して、座学だけではなくて実際に「やってみる」事です。今はもうCTOで経営陣という立場なので、業務的にコードを書いていると逆に怒られてしまう感じではありますが、個人的な時間を使って勉強したりしています。
先日も初めて社内の有志で自費でエンジニア合宿をやったんですが、私も久しぶりに新しい言語で1日コードを書いて、やはり楽しかったです。お酒を飲みながらコーディングしてましたけどね(笑)。
社内の要望をしっかり満たすタスク管理ツール探し
もともと社内でTrelloやRedmineなど、色々なタスク管理ツールを使ったことはあったんですね。でも社内の要望を全部叶えてくれるものがなかなかなくて。条件としては、まずはベーシックな機能を備えているのは大前提で、あとは見た目のおしゃれ感と、UI/UXの使いやすさです。デザイナーやエンジニアは色々気にする人も多いですからね。
それに加えて一番要望が大きかったのが、ガントチャートに割り込みタスクを入れた時に他のタスクの予定が自動でずれる、という機能でした。Webサービスを提供している会社の場合、障害などの外的要因で割り込みタスクがどうしても発生しやすいんです。その際に他のタスクを全部、ひとつずつずらしていくのが非常に手間だったんですよね。
クリティカルなニーズをクリアし、価格も手頃だったのがWrike
こういったクリティカルなニーズに最も対応していたので、選んだのがWrikeでした。他のサービスに比べて価格もお手頃感がありましたので。
2015年の初めくらいからトライアルを始めて、2月から正式に使用しています。Wrikeはサービス自体は昔からあるんですが、日本ではあまりマーケティングしていないイメージですね。弊社が申し込んだ時のやりとりも全て英語でしたし。私はCTO向けのクローズドの勉強会で他社の方が紹介していて、サービスのことを知りました。
▼「Wrike」画面イメージ
タスクは割り切れないところまで細かく切る!
基本的な使い方としては、ディレクトリをプロジェクト単位で切っています。ランサーズ全体でランサーズチームというものがあって、その中に各プロジェクトが立っている形です。各タスクは基本的に、それ以上割り切れないレベルまで細かくして管理しています。サブタスクも切れますが、敢えて切らずに別々にしています。タスクを追加するのも簡単で、労力もかかりませんし。
開発チームでももちろん使っています。ランサーズの開発スタイルは、どちらかと言えばウォーターフォール寄りの要素を持っています。開発のスコープをできるだけ小さくして、少ない人数で短い期間でPDCAを回しているイメージです。このようなスタイルだと、例えばTrelloだとちょっと物足りないんですね。スクラムをがっちり組んでれば全然Trelloでもいいと思いますが。
ネックとしては有料なので、立ち上がったばかりのスタートアップ企業が使うにはちょっと厳しいかもしれませんね。ある程度の規模になってきたら本当におすすめです。
プロジェクトマネジメントに大きく貢献する、高いビジュアライズ機能
またWrikeが非常に良い点は、各タスクの進捗が一元管理されて、きれいにビジュアライズされるので状況を俯瞰して見ることができるんです。メンバー毎のタスクの総数と、稼働中/締切超過のものが自動でグラフや表にわかりやすくまとめられています。この人最近、期限超過が多いな、タスクがカツカツでやばいのかな、体調悪いのかな、などがすぐにわかってフォローできます。プロジェクトマネジメントが非常にスムーズになりました。
特にスタートアップ系の企業だとマネジメントも現場で行っていかなくてはならないので、こういったツールの力をうまく借りることは重要だと思います。Wrikeのような現場でも使い勝手が良くて、マネジメントの観点からも進捗管理がやりやすいツールはとても良いですね。今後も活用していきたいと思っています。