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コスト削減だけじゃない!グリーの「事業に貢献する」情報システム部とは

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〜「付加価値を生み出す情シス」とは? グリー株式会社・情報システム部の、変化にスピーディーに対応できるシステムづくり〜

企業活動を支える情報システムの開発・運用を行う「情シス」。その役割は、ITコスト削減を求められる「コストセンター」的な位置づけから、次第に変化を遂げてきている。

その代表的な例が、ソーシャルゲームや新規事業が次々と生まれる、グリー株式会社を支える情報システム部だ。

「事業に貢献する情報システム部」を目指す同部署では、ビジネスルール管理システムの「Progress Corticon」や、システム間のデータ連携を行う「DataSpider」、アプリケーション開発基盤の「ServiceNow」を導入。

「ビジネスのスピードにシステムがついていけない」という状況を脱し、変化に対して柔軟かつスピーディーに対応できる仕組みづくりを行っている。

今回は、情報システム部のITマネジメントグループでマネージャーを務める藤咲 款さんに、情報システム部の変化のプロセスや、具体的なお取り組みなどについて詳しく伺った。

情報システム部の「コストセンター」からの脱却!

私はもともとITコンサルの会社で、システム開発をしていました。ただ、もっと自らビジネスに貢献したいと思うようになり、バックオフィスであっても最先端の技術やツールを使っていけそうだったグリーに、2013年に転職しました。そこから現在まで、情報システム部に所属しています。

入社当時は社内システムも整備中で、ERP(※)やワークフローシステムをやっと導入した段階でした。「とりあえず業務が回る」仕組みを整えることに、精一杯だった時期です。

※ERP : Enterprise Resources Planning(企業資源計画)の略。企業の持つ資源を統合的に管理し、有効活用するための手法概念のこと

この仕組みを2、3年で徐々に整えていき、2016年からは情報システム部として付加価値をより生み出していこうという動きになりました。

情報システム部は、売上を直接作るわけではない「コストセンター」的な立場なので、どうしてもコストを下げることに注力しがちな傾向にあります。

ですが、グリーでは「もっと業務課題の解決に直結するような、ツールや仕組みを提供していこう」と攻めの姿勢に転じていきました。

新規事業にスピーディーに対応できる仕組みづくりをスタート

そのために、まず課題だったのは幅広いジャンルでどんどん新しいモデルの事業が生まれる、というグリーの特徴でした。

例えば、ゲーム事業1つを取ってみても、ゲームタイトルごとに配信形態や収益配分の構造がすごく複雑で、定型化できないところが多々あります。

新しい事業が生まれる度に、調整すべき要件が積み重なり、システム対応は追いつきません。経理や人事などのバックオフィスのメンバーは、増えていく業務を手作業でやりくりするしかなく、徐々に負担が大きくなっていきます。

つまり、「ビジネスのスピードにシステムがついていけない」という状況に陥っていたんです。

そこで、もっと柔軟かつスピーディーに対応できる仕組みを作るため、ビジネスルール管理ツールの「Progress Corticon(プログレス コーティコン)」や、システム間のデータ連携を行う「DataSpider(データスパイダー)」、アプリケーション開発プラットフォームの「ServiceNow(サービスナウ)」を導入しました。

▼導入ツール一覧

これらを導入する際に意識したのは、初期費用が抑えられるかという点と、様々な変化に適応できる汎用的なツールであるか、という点です。

と言うのも、新しいゲームや新規事業が次々と生まれる環境なので、バックオフィスの業務も常に変化が求められます。極端な話、3ヶ月後や半年後にどういったシステムが必要かは、誰にもわからないんですよね。

ですので、一気にパッケージを入れてしまうより、変化に応じて柔軟に作り変えられるツールの方が弊社には合っていたんです。そのため、特定の業務に特化したパッケージを使うのではなく、課題に応じて使い分けできるものを選んでいました。

「伝言役」はつまらない!システム開発を内製化

そして実は、これらのツールは、外部のベンダーさんに外注することなく、すべて社内のリソースだけで開発・運用を行っています。

パッケージやスクラッチで作ったシステムの場合、基本的には情報システム部が企画や要件定義を行い、コーディングはベンダーさんに依頼するという体制が多いかと思います。

しかし、Progress CorticonやDataSpiderなどのツールは、少しITスキルがある人であれば誰でも触れるレベル感なんです。導入時こそベンダーさんに支援していただきましたが、プログラミングの経験がほとんど無いメンバーでもすぐに習得し、独力で開発ができるようになりました。

ですので、業務部門の社員と直接話して実装に落とし込むまでを、社内のメンバーだけで行うことができます。従来のように外部との調整に時間を割く必要もなくなったので、機能追加にかかる工数もかなり削減されました。

情シスのメンバーは、少人数で幅広い範囲をカバーしているので、完全なエンジニアでもないですし、経理や人事の業務に詳しいわけでもないので、間に立って「伝言役」みたいになるケースが多いと思います。そこを一気通貫してできるようになったことで、情シスとしてもやりがいを感じています。

開発工数を50%削減!ルールエンジンの活用で、経理作業を自動化

これらのツールを導入するにあたって、まずはスモールスタートで進めていきました。

「規模的には小さいけど、ここを作り変えたら必ず成果が出る」といったところから着手して、そこで成果が認められたら、他の領域にも展開していくという進め方ですね。

Progress Corticonの場合は、経理の月次決算業務からはじめました。弊社では、開発したゲームをネイティブアプリとして配信したり、GREE以外のプラットフォームで配信することも多くなっています。また、他社と協業して開発するケースもあります。まずは、そういった協業先への分配金計算や、仕訳の作成を自動化しました。

▼システム全体の構成図

GREE Platformで配信するゲームの場合は、月次決算のオペレーションもシステムに組み込んであり、自動化されています。しかし、他社のプラットフォームで配信しているゲームでは、それぞれのプラットフォームの管理画面を参照して、「売上から手数料を引いて料率を…」といった作業を、Excel上で手動でやらざるを得ませんでした。

そこで、Progress Corticonで計算ロジックを定義し、外部のアプリケーションから呼び出せるようにしました。

▼Progress Corticonのルールフロー設計のデモ画面

アプリケーション間のデータ連携はDataSpiderで自動化しているので、手作業は無くなり、正確かつスピーディーに処理を行うことができるようになりました。

このように、開発効率の高いツールを組み合わせて、新たな機能として切り出して実装することで、既存システムに変更をかける場合と比較し、工数も約50%削減することができました。

データを扱う際の「人的ミス」をなくす

経理業務で成果が出てからは、人事系オペレーションの自動化など、他領域への展開も始めました。

例えば、基幹システムで持っている人事データを、勤怠システムや評価システムに反映させる仕組みを、人事担当者にノウハウをヒアリングしながら2ヶ月で実装しました。

これまでシステム間で人事情報を受け渡す際には、連携元のシステムから必要なデータをエクスポートし、Excel上で加工・整理してアップロードする、といった一連の作業を手作業で行う必要がありました。

そうすると、時間がかかりミスも生まれがちですが、そこをProgress CorticonやDataSpiderで自動化したことで、重要データの取り扱いにおける人的ミスをなくすことができました。

入退社オペレーションを、ServiceNowで効率化

また、入退社オペレーションの効率化も行ったのですが、こちらではServiceNowを活用しました。

弊社は、グループ会社の増加や業務委託・派遣社員も含めた人の出入りが頻繁で、人事・総務・情シスなど、多くの担当者が連携してオペレーションを進めています。そのため、部門間の情報共有や業務プロセスのコントロールが重要になってきます。

しかし以前は、それらの作業をExcelで行っており、データのチェックや受け渡しに時間がかかっていました。

そこでServiceNowを活用し、入退社の申請から後続オペレーションをサポートするアプリケーションを作りました。

▼ServiceNowのデモ画面

ServiceNowは、豊富なテンプレートをベースに、カスタマイズも柔軟にできるので、複雑な画面やワークフローもスピーディーに実装することができます。

▼入退者オペレーションのServiceNow活用イメージ

この仕組み化によって、入退社オペレーションにかかっていた工数を、約30%削減することができました。

他にも、社内のFAQシステムや、貸出用PCなどのIT資産管理の仕組みもServiceNowで作っています。

コスト削減だけでなく、事業に貢献する情報システム部を目指す

このように、ツールをベースとした柔軟なシステムを作ったことで、バックオフィスの工数は劇的に削減されました。他にも、開発効率や品質の向上、オペレーションミスの削減、属人化の排除などにも繋がりました。

今後は、現場にいなければ見えないような業務課題を見つけるためにも、私たち情報システム部も積極的に他事業部の業務を理解していきたいと思っています。

そして、「この業務だったら、このツールで改善できますよ」といった社内提案をしていくなど、もっと事業部の課題解決に貢献できる情報システム部を目指していきたいです。(了)

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