• ギルドワークス株式会社
  • 代表取締役
  • 市谷 聡啓

「受託開発を変える!」クライアントと受託開発者の共通理解を生むプロジェクト管理法

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今回のソリューション:【Pivotal Tracker/ピボタルトラッカー】

〜企画と開発の橋渡しをするプロジェクト管理ツール「Pivotal Tracker」の使い方〜

「本当にこの機能は必要なのだろうか」「開発に移るには検証が不十分なのではないか」クライアントからのオーダーベースでWEBの受託開発を担う場合、そのように感じることがあるかもしれない。ターゲットが不明確なまま開発が進みローンチされてしまった結果、成功できなかったサービスが世の中には多く存在する。サービスの作り手であれば誰でも、そのようなリスクをいかに減らしていくかを考えるものだろう。

2014年に創業したギルドワークス株式会社はこのような問題を解決するべく、新たな受託開発のスタイルを提唱している。それは企画側であるクライアントと、開発側である同社がしっかりと連携し、仮説検証を細かく繰り返しながらユーザーに求められているプロダクトを共に作っていくものだ。そして両者の橋渡しとして活用しているプロジェクト管理ツールが「Pivotal Tracker(ピボタルトラッカー)」だ。企画と開発の枠を越え、お互いの知見と技術を活かしていく開発スタイルの構築法について、同社代表取締役の市谷 聡啓さんに聞いた。

受託開発→サービスプロデュース→再び受託開発へ

市谷 聡啓さん

私は元々Slerにおりまして、受託開発でシステムの構築を行ったり、マネジメントをしていました。そんな中でサービスを作ったりプロデュースする立場を経験したくなり、楽天に転職しました。そしてその後また、受託開発という立場に戻ったんですね。アジャイル開発をもっと実践していきたいと考えていたので、その実績のある永和システムマネジメントに入社しました。

このような経験を積んだ後に、より責任を持って意思決定に関わっていきたいと考え、2014年にギルドワークスを設立しました。弊社では、受託開発側である私たち自身もクライアントの企画に入り込み、仮説検証を細かく重ねて「何を作るべきなのか」を明確にしながらアジャイル開発でプロダクトを作っています。

「受託開発の在り方」への疑問からギルドワークスを創業

なぜこのようなスタイルで開発をしているのかというと、私がサービスの開発者とプロデューサーを共に経験したことで、「受託開発の在り方」に疑問を持ったからです。クライアントの企画がこちらに回ってきた時、「まだ実装するには早いのでは」と感じる機能があったり、「もっと企画の検証が必要なのでは」と思うこともありました。ただクライアントも決められた予算や期間の中でプロジェクトに取り組んでいるので、そういったことをこちらから発信することはなかなか難しい部分があります。でもやはりプロダクトを共に検証しながら受託開発をしていくことが重要だと考え、現在のスタイルに行き着きました。

受託 ✕ アジャイル開発だからこそ大切にしていることがあって、それは企画と開発が共通理解を持つことです。まずはアイデアから企画が走り始めて開発へと移りますが、開発フェーズに移行する時には、「何を作るのか」という点でお互いに同じ目標を追っていることが重要になります。そのような共通理解を持つために活用しているのがプロジェクト管理ツールのPivotal Trackerです。

市谷 聡啓さん

チーム開発のハブとなる管理ツール、Pivotal Tracker

サービスの開発を行う場合、ざっくり言うとまずはアイデアがあって、次に開発があり、そしてゴールにはソフトウェアがあります。この企画から始まって開発へと進んでいくフローの中で両社の業務を受け渡しをする役割を担っているのがPivotal Trackerです。2010年頃に前職にいた頃から使っています。

具体的なフローで言うと、まずはユーザーにプロダクトを通してどういう体験をして欲しいのかを明確にするために、ユーザーの基本行動を話し合いながらストーリーマップを作っていきます。何度も仮説検証を繰り返すことで、ユーザーにとって本当に必要な機能が見えてくるんですね。そしてそのストーリーマップを実現する機能が明確になり、企画と開発で共通理解を持つことができたらPivotal Tracker上に落とし、そこから開発がスタートします。

▼具体的な開発フロー。企画と開発をPivotal Trackerが繋ぐ。

Pivotal Tracker画面

Pivotal Trackerはチーム開発に非常に適していると感じています。良くできている点は、チームのVelocity(ベロシティ:1スプリントでチームが開発できる開発規模のこと)が自動で算出される点です。1週間でこのチームはどれだけのタスクをこなすことができるかということを、実績を元に自動で算出してくれます。

例えば実際に1週間で実装できた機能がその予測より少なければ、チームに何らかの問題があるのでは、と判断できます。誰かが開発に詰まっているかもしれないし、企画時に考えた機能を実装するのが予想より難しかったのかもしれません。チームの状態を自然に把握しながら開発を進めていけるので、企画側との情報共有もスムーズになり、結果として素早く問題に対応することができます。

他ツールとの連携でより深い共通理解を

開発に移行した後も、企画者と開発者の認識を合わせながら進めていきます。最初にアイデアや目的を共有できても、「では次にお見せできるのは最後に完成したものです」ということではやはり共通理解を持っているとは言えないので。開発フェーズ全体の中で、短い単位でお互いに理解を振り合わせることが重要です。

市谷 聡啓さん

例えばそのために実行していることが、プロトタイプを多く作成することです。特にデザインなどはPivotal Trackerだけではアウトプットがわかりにくいので、プロトタイプツールの「Prott」を一緒に使って共有しています。Pivotal Trackerの中にある機能が実際にはどのような画面になるのかということをProttで確認し、見比べながら開発を進めていくイメージです。

他にもスマートフォンアプリの開発をしている場合は「Deploy Gate」というアプリを限定的に配信できるツールも使って、クライアントにも実機でアプリを触ってもらったりもしています。こちらが何をしているのかきちんと見える化して共通理解を得るためには、相手にとって一番わかりやすい方法を採ることが大切だと思っています。

「正しいものを正しく作る」ための管理を実現

私たちは「正しいものを正しく作る」ことを大事にしています。「正しいもの」とはユーザーが求めているプロダクトであり、「正しく作る」とは企画と開発が壁を超えて、共に仮説検証を繰り返しながら開発を行うことです。それを実現する手段が受託開発とアジャイル開発のコラボレーションだと考えています。このような私たちが目指す開発スタイルの実現のために大切な役割を担っているPivotal Trackerを、他のサービス友併用しながら今後も使い続けていきます。

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