• クリエイティブサーベイ株式会社
  • 代表取締役
  • 田口 亮

顧客情報の管理もお任せ!1時間で実装可能なWEB決済サービスStripe

今回のソリューション:【Stripe/ストライプ】

〜決済機能の審査が短期間で完了するWEB決済サービス「Stripe」の使い方〜

BtoCのWEBサービスを展開している企業にとって、ユーザーが利用料金を決済するための手段の選択肢は今や数多く存在する。WEB上で簡単にアンケートを作成できるツール「クリエイティブサーベイ」を提供しているクリエイティブサーベイ株式会社は、WEBデザインを展開する株式会社フォーデジットから2014年に分社し設立された。同サービスがオンライン決済に採用しているのが、アメリカ発のWEB決済サービス「Stripe(ストライプ)」だ。

導入当時、Stripeは決済がドルのみの対応で、日本版もまだリリースされていなかった。それにも関わらず同社がStripeを採用した経緯について、代表取締役である田口 亮さんに伺った。

ユーザーの声をデザインに乗せるため、アンケートサービスを開発

クリエイティブサーベイは、WEBプラットフォームを使ったアンケート作成サービスです。誰でも簡単に、WEB上で綺麗なアンケートを作ることができます。最初はフォーデジットデザインというWEBデザインの会社でのプロジェクトとして開発を始めました。

僕は元々ずっとWEBデザインをしています。アンケートサービスの開発に踏み切った出発点は、「デザインにユーザーの声や感性が反映されていないのではないか」という問題意識でした。WEBデザインはユーザーの目的意識が強いものなのですが、広告的なニュアンスも含まれるので、どうしてもクライアント様の感性やインパクトのようなもので選ばれてしまうことも多いんです。

デザインの仕事は、クライアントに聞いた要件を元にデザイン案をいくつか出し、提案するというケースが多くあります。例えばトップページを担当者さんと話しながらデザインして、A案とB案を上げます。担当者さんは「A案いいですね」と言って、次に上司の方が、「Aのこの部分とBのこの部分、合わせてCにならない?」って(笑)。当然クライアントの意見が大切なのですが、前提としてユーザーの声や感覚がテーブルの上に乗っていないんです。そこにすごく、問題意識がありました。

「ユーザーの声をもっと聞く」ためにクリエイティブサーベイを開発

そこでまず、フォーデジットデザイン内で結成されたリサーチプロジェクトでデザイン調査を始めました。当初は既存のサーベイツールを使っていましたが、写真を2枚見せてそれぞれどう感じるかといったような簡単な質問しかできなかったので、これでは本当のユーザーの声は聞けないな、と。そこで、自分たちでツールの開発を行い、アンケートを実施できるようにしました。

100件程の調査を行い、調査としては一定の成果はでましたが、アンケート結果だけを提供するのではなく「アンケートを自分たちで自由に行うことができる場所」そのものを提供したい、と考えるようになったんです。そうして、利用者側が自分たちでユーザーの声を集められるサービスとして、今のクリエイティブサーベイが生まれました。

▼誰でも簡単にWEBアンケートが作成できる「クリエイティブサーベイ」

現在開発体制は4名で、エンジニアとアシスタント、セールス的なフロント、そして僕です。デザイナーはいないので、僕が兼務。少ない人数なのですごく大変ですが楽しいです。2013年10月にリリースし、2014年7月にはクリエイティブサーベイ株式会社として分社しました。

決済サービス「Stripe」導入の決め手は1時間で搭載できる手軽さ

決済代行サービスの導入を検討し始めたのは2012年頃です。検索してみると色々なものがありましたが、主要なものは、導入審査を受けるための前提としてサービスが実装済であることが必要でした。また、大手のサービスですと審査期間として2ヶ月間以上かかるとのことでした。

当時はまだクリエイティブサーベイは開発中でしたし、2ヶ月間も待つのは無理。どうにかならないのか? と悩んでいた時に、いつも海外の情報を仕入れている開発者向けのタイムラインで弊社のCTOがアメリカの決済代行サービスStripeを知りました。試しに触ってみた結果、小1時間で決済機能を搭載できるということで、じゃあそれだ!と決定したわけです。将来的にグローバルに展開したいとも考えていたので、迷いはありませんでした。

Stripe導入のため、急遽渡米し海外に法人を設立

そうしてStripeの導入へと動き出しました。まずサービス利用の条件を調べると、アメリカの銀行口座が必要ということでした。いくつかの日本にあったアメリカの銀行でも聞いてみましたが、日本国内にある日本法人ではアメリカの銀行口座が作れないんですね。

そこで、その翌週末にはアメリカに行って、現地法人を立ててきました。色々な人に話をしていたら支援してくれる人が現れ、いろいろと助けてくれて、口座開設することができました。トータルでStripe導入にかかった期間は1ヶ月半ほどになりました。

▼ダッシュボードで売上の管理もできる「Stripe」

顧客情報の管理はStripeにお任せ!情報流出のリスクを回避

まずシステムとしてStripeに満足しているのが、顧客情報をこちらで管理しなくていいという点です。従来型のサービスだと顧客情報の管理は事業者側で行うのですが、Stripeの場合はそれを含めてサービスとして提供されています。グローバルなセキュリティ規格「PCI DSS」にも準拠しています。

顧客情報の流出がよく話題になっていますが、そういったリスクをこちらで負わなくていいという点に安心感があります。我々がコミットするところと、Stripeが持つ部分とが棲み分けがはっきりしているので、我々はリスク管理ではなくサービス自体に注力できることは大きなメリットでした。

充実のQ&Aと豊富な情報で安心感があるサービス

開発的な視点でいうと、サービスとのつなぎこみも非常に簡単でしたし、ヘルプやQ&Aの充実具合も素晴らしいです。それにアメリカでは既にメジャーなサービスなので、WEBで疑問点を検索すればものすごい数の記事がヒットしますし、開発リソースも充実しています。

他社が提供する決済代行サービスも良いものが出てきていますが、今の使い心地や安心感を維持してくれる感じがあまり伝わってくるほどでもないので、乗り換えは検討していません。どちらかといえば、Stripeが「円」に対応したので、今後しかるべきタイミングでドル決済からの置き換えを検討しています。

今後グローバル展開も考えているのですが、決済システムとして日本のツールを使っていたとしたら様々な国の分散したプラットフォームに乗せるのは難しかったと思います。この点でもStripeはグローバルなので良かったです。まだアジアには法人がないんですよね。早く日本に来て欲しいです(笑)。リクエストフォームから何回も日本に来て欲しいと送っています!

まだ「駆け出し」のサービスに今後はもっと大きなインパクトを!

サービスが立ち上がって1年半ほどになりますが、ようやく少しずつ認知されてきたのかな、と感じています。事業モデルがフリーミアム(※基本的なサービスは無料で提供し、さらに高度な機能については料金を課金する仕組み)なので、やっぱりお金を払って頂ける瞬間って、本当にミラクルだと思います。Slack(チャットツール)に、Stripeで新しい決済が行われた時に通知が届くようにインテグレーションしているのですが、通知が来るとやっぱり嬉しいです、すごく。

ただチームやサービスとしては全然まだこれからです。このようなアンケートツールでユーザー数が一番多いものだと2,000万人ほどが使っています。クリエイティブサーベイも、その位のインパクトがあるサービスにしたいですね。ここから先に行かないといけない、と日々考えています。

;