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急成長するFintech市場。投資規模「22兆円」の大部分を占める、決済領域の「メインプレイヤー」とは?

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金融(Finance)と技術(Technology)を融合させた、新たな市場「Fintech(フィンテック)」。米国から誕生したFintechの潮流は日本にも波及しており、大きな盛り上がりを見せています。

Fintech市場全体の投資規模は22兆2,650億円(※1)であり、前年度比で90%も増加しています。2010年から右肩上がりで増加しており、現在も絶賛成長中です。

(※1)フィンテック、発展する市場環境:日本市場への示唆より引用

Fintechの登場により、世の中は便利になり、金融は身近な存在へと変化しました。

代表的な例でいうと、

  • 財布を持たずに、スマートフォンで決済

  • 自動で家計簿が作れるクラウド家計簿

  • 複数のクレジットカードを一元化

など、画期的なツールやサービスが続々と生み出されています。

Fintech

2015年度の国内のFintech市場規模は33億9,400万円(※2)であり、ここ数年で急成長を遂げています。特に国内では、「freee」を始めとした「クラウド会計ソフト」。「maneo」を始めとした「ソーシャルレンディング」が市場を牽引しています。

2020年には567億8,700万円にまで市場が拡大すると予想されており(※2)、今後もますます活性化していくことでしょう。

(※2)国内FinTech(フィンテック)市場に関する調査結果 2015より引用

Fintechは大別すると、以下の8つのサービス領域で表せます。

「決済」/「投資・運用」/「企業会計」 /「資産管理」

「融資」/「資本調達」/「ブロックチェーン」/「金融セキュリティ」

今回はFintech市場で、いま最も勢いのある「決済」領域を取り上げたいと思います。 ECサイトの運営に携わる方、Fintech事業に興味がある方、の市場調査の参考になれば幸いです。

▼Fintech事業の立ち上げに関する記事もございます。

「決済」領域への投資が6割増加

▼Fintech市場全体の投資規模(フィンテック、発展する市場環境より引用)

投資規模

米市場データ会社CBインサイトによると、2016年度上半期の「決済」領域への投資は、944億4,072万円であり(※3)、前年度比で59%も増加しています。

投資件数も54件から71件に増加しており、米国企業への投資が圧倒的に優勢となっています。今年度のFintech市場全体での投資金額は減少傾向にありますが、「決済」領域は盛り上がりを見せているようです。

(※3)FinTech「決済」分野への投資は6割増加より引用

以下では、「決済」領域の市場動向、押さえておくべき「メインプレイヤー」を取り上げていきます。

リアル店舗でもオンライン決済を可能にするサービスたち

スマホやICカードをかざすだけで電子決済ができてしまう「モバイル決済」。

みなさんも一度は体験されたことがあるのではないでしょうか。そんなモバイル決済をリアル店舗で可能にしてしまう代表的なサービスが、

  • ApplePay(アップルペイ)
  • WeChat Pay(ウィチャット ペイ)

です。以下でそれぞれについて、詳しく説明していきます。

とうとう日本に上陸「Apple Pay」

▼日本では10月下旬にローンチ予定

Apple Pay

最近、日本で一番話題になっている「モバイル決済」といえば、「Apple Pay(アップルペイ)」ではないでしょうか。

Apple Payは、クレジットカードやキャッシュカードの情報をiPhoneに登録し、店頭でおサイフケータイのようにワンタッチで支払いを済ませたり、アプリ内で決済したりできるサービスです。

NFC(Near Field Communicatio)という機能を用いることで、対応している支払端末にかざすだけで支払いが完了するという仕組みなのですが、日本ではつい最近まで非対応でした。

日本では、Felicaと呼ばれるガラパゴスな決済システムが広く普及しており、国際標準であるNFCが殆ど浸透していません。そのため、Apple Payはローンチからしばらくの間非対応だったのですが、iPhone7よりFelicaを標準搭載することとなりました。

▼海外では既にローンチ済み

Apple Pay海外

このような日本仕様にローカライズするという、Appleの大胆な取り組みの背景には、海外市場における、Apple Payの苦戦が考えられます。

米国市場では、ローンチからわずか数ヶ月で巨大なマーケットシェアを獲得し、他のモバイル決済の参入余地がないほどの寡占状態となっていますが、アジア市場では苦戦を強いられています。

アジア最大級のマーケットである中国では、「Alipay」「WeChat Pay」といったモバイル決済がすでに定着しており、Apple Payは浸透しづらい状況にあるとのこと。そのため、まだまだ黎明期である日本市場で、巻き返しを狙っているのかもしれません。

中国市場で大人気「WeChat Pay」

▼WeChat Pay

WeChat Pay

WeChat Pay(ウィチャット ペイ)」は、WeChatが提供しているモバイル決済サービスであり、中国のモバイル決済市場で絶大なシェアを獲得しています。

WeChatは、日本のLINEに相当するメッセンジャーアプリであり、登録アカウント数は世界最大の13億人。月間アクティブユーザー数も6億5千万人います。中国では、モバイル決済が急速に普及しており、WeChat Payの利用者は4億人に上るとのこと。

▼WeChat Payの仕組み(株式会社オルタナレッジより引用)

WeChat Pay

サービスの利用開始はとても簡単で、WeChatに銀行の情報を登録するだけ。オンライン上での決済はもちろん、実店舗での決済にも対応しています。

実店舗での決済の場合は、QRコードを読み取ることで決済を行えます。決済完了後は自動的に銀行口座から引き落とされるため、面倒な手続きはありません。

中国人観光客に対するビジネスに、大きく活用できるのではないでしょうか。

オンライン決済を簡単に導入できるサービスたち

  • PayPal(ペイパル)
  • Alipay(アリペイ)
  • Stripe(ストライプ)

は、クレジットカードなどと同列のオンライン決済サービスです。 これらを導入することで、例えば、ECサイトでユーザーが商品を購入したときに、PayPalやAlipayでの決済が選択できるようになります。

▼導入すれば、様々な決済手段が選択できるようになる

決済手段

  • SPIKE(スパイク)

は、ECサイト等に、クレジットカード決済を導入できるサービスです。

以下で、それぞれについて詳しく説明していきます。

オンライン決済の第一人者「PayPal」

▼PayPal

Paypal

PayPal(ペイパル)」は、米国発のオンライン決済サービスです。世界190カ国で利用され、1億5,000万人以上のアクティブユーザーを抱えています。また、決済サービスとしては世界で最も有名で、サービス展開も世界最大規模です。

▼PayPalでの決済の様子

Paypal

仕組みとしては、PayPal内に口座を作成しクレジットカードを登録することで、相手にクレジットカードなどの個人情報を提示することなく、決済することができます。決済に必要な情報はメールアドレスのみなため、大変セキュアな決済サービスです。

▼PayPal_送金の仕組み

PayPal

PayPalの強みとして挙げられるのが、対応クレジットカードの種類の豊富さです。「VISA」「Master」「JCB」「Amex」と主要なブランドはすべて対応しています。

決済手数料は3.6-3.9%とそれほど安くはありませんが、セキュリティの高さや導入の簡単さから、海外の大手ECサイトの殆どがPayPalを導入しています。日本でも、楽天やユニクロ、東急ハンズなど様々な業種の企業が採用し始めています。

アリババが提供する決済サービス「Alipay」

▼Alipay

Alipay

Alipay(アリペイ)」は、アリババグループが提供しているオンライン決済サービスです。プリペイド式の決済方式が中国人のライフスタイルにマッチしたことから、国内最大規模の決済サービスへと成長を遂げました。

また、手数料無料、公共料金を支払える、モバイル決済対応、など利便性に優れた機能がたくさんあり、中国ではクレジットカードと同等の地位を確立しています。大人から子供まで広く利用されているとのこと。

▼Alipayの決済イメージ(F-REGIより引用)

Alipay

Alipayは、消費者と販売者の間に、下図のような形でAlipayが挟まり、決済を代行します。販売者に代金が支払われるのは、消費者が商品を受け取ってからになるので、「商品が届かない」といったトラブルを防ぐ、消費者保護を目的としたモデル設計となっています。

▼Alipayの仕組み

Alipayの仕組み

Alipayも、WeChat Payと同様にサービスに登録をすれば、すぐに利用開始できます。銀行口座を登録し、Alipayに必要額を入金すれば、タオバオ等のECサイトで決済できるようになります。

越境ECの中国展開を考えている方は、Alipayの導入は必要不可欠かも知れませんね。

130通貨以上での決済が可能「Stripe」

▼決済API_Stripe

Stripe

対応通貨が130以上もある決済APIサービス「Stripe(ストライプ)」。

Stripeは、初期費用や月額費用などはなく、取引額に応じた決済手数料を支払うことで、個人・法人問わず利用できます。数行のJacaScriptコードをサイト内に埋め込むだけで、決済機能を簡単に実装できます。また、クレジットカードでの決済だけでなく、Apple PayやAlipayなどのモバイル決済にも対応しています。

▼10月に日本で正式ローンチ

Stripe日本

Stripeは、世界25ヵ国で展開しており、売上は毎年数10億ドルずつ成長しています。また、VISAやアメリカンエクスプレス、三井住友カードなどから、約3億ドルの資金調達に成功し、企業価値は50億ドルともいわれています。

FacebookやTwitter、Kickstarter、Appleなど著名な企業が利用しており、日本でもいくかの企業が既に利用を始めているとのこと。(利用企業は、Sifteryで検索可能)

日本では、2015年5月よりβ版が提供されていましたが、2016年10月4日に正式ローンチされました。これまでは日本円での決済しか対応していませんでしたが、正式版では130通貨以上での決済が可能となります。Apple Payの日本でのローンチに伴なり、日本市場での活躍の場が今後ますます増えていくことでしょう。

▼Stripeの活用事例(β版)もよかったらご参考ください。

決済手数料が無料のサービス「SPIKE」

▼SPIKE

SPIKE

SPIKE (スパイク)」は、メタップス社が提供しているオンライン決済サービスです。クレジットカード決済機能のついたリンクの作成や、HTMLタグを貼り付けるだけで、ECサイトに決済機能を簡単に導入できたりします。

登録事業者数は20万以上であり、国内では最大規模の決済サービスとなっています。また、数百万円程度であった登録事業者の売上規模も、数千万円単位に膨れ上がっているとのこと。

プログラミングなどの専門知識は一切必要なく、最短1分で利用開始できるとのこと。Facebookとの連携もあるため、アカウント登録は一瞬で終わります。

▼SPIKEのプラン

SPIKE

SPIKEの最大の特徴は、決済手数料が無料であることです。月10万円までという制約がありますが、フリープランであれば、初期費用・月額費用・決済手数料のすべてが無料のため、完全無料で決済サービスを導入できます。

これは、他の決済サービスにはない「SPIKE」独自の強みですので、個人事業主の方や企業して間もない方に、大変おすすめできるサービスですね。

新たなオンライン決済!「ビットコイン」

▼世界最大級のビットコイン取引所

Coinbase

仮想通貨の代表例として挙げられる「Bitcoin(ビットコイン)」。

手数料の安さ、QRコードをスキャンするだけで決済できるという利便性から、ビットコイン決済が世界各国で急増しています。

海外では、

  • Coinbase(コインベース)

世界初、米国政府認可のビットコイン取引所。 120万以上のアカウント登録があり、法人向けに為替差損なしでBitcoin決済を行えるソリューションを提供。

  • Bit Pay(ビットペイ)

EC事業者向けのビットコイン決済API。ビットコインによる決済の受け付け、法貨での受け取りが簡単にできる。 TruCoin社と提携し、ビットコインATMの提供も開始。

という、2つのサービスが台頭しており、Microsoft社がビットコイン決済を導入したりと、米国内では広く普及されつつあります。

▼ビットコイン決済を提供している日本のスタートアップ

coincheck

一方日本では、GMOやDMMなどの大企業がビットコイン決済の提供を始めたり、いくつかのスタートアップが取り組み始めたりと、 盛んな動きは見られますが、まだまだ普及されていない現状です。(現時点で利用できる店舗は"100"程度)

ここ数年は、海外の後を追うように、日本のFintechも急速な成長を遂げているので、 ビットコインが汎用的な決済手段となる将来も、そう遠くないかもしれません。

今後の動きに注目

今回は「Fintech決済」について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。 Fintech市場は展開が早く、目を離すたびに、新たなイノベーションが次々と起きています。

日本市場でも盛り上がりを見せていますが、海外市場はそれ以上に活性化してます。グローバル視点でFintechを捉えてみると、より一層面白いかもしれませんね。

Fintechに興味がある方は、これを機に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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