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副業でも評価・昇給アリ!カウシェが、挑戦と成長実感のある副業の実現を目指す理由

kauche_seleck

副業」という働き方が急速に広まっている。民間調査によると、副業や兼業を行う人は2021年には昨年から100万人あまり増加し、812万人に及ぶとの見通しだ。

そんな中、組織で働く人のおよそ8〜9割が副業メンバーという組織がある。シェア買いアプリ「KAUCHE(以下、カウシェ)」を提供する株式会社カウシェだ。

カウシェでは、2021年3月に人事制度「KAUCHE de WORK(カウシェ デ ワーク)」を制定。その特徴は、副業で働くメンバーであっても、半期ごとに実施する目標設定・評価サイクルに基づいた昇給の対象となることだ。

加えて、副業メンバーの「異動」も可能とすることで、雇用形態に関係なく新しい挑戦の機会や、成長実感を得られる環境を提供している。

同社で「副業人事」として働く山永 航太さんは、「ただスキルを切り売りするだけではなく、評価や昇給を通じてやりがいを感じ、働くことをより楽しめる副業を実現したい」と話す。

今回は山永さんと、実際にKAUCHE de WORKを通じて昇給を実現した「副業PR」の大塚 早葉さんに、同社の副業メンバー向け人事制度について、詳しいお話を伺った。

「副業メンバー」として創業初期からカウシェでPR、HRを担う

大塚  私は、2020年の9月からカウシェに副業として関わっています。前職は、メルカリでPRをしていたのですが、夫が仕事で香港に行くことが決まりまして。

そこで、メルカリを退職して香港で新しく仕事を始めようと思う、というブログを書いたところ、それを見た弊社代表の門奈からTwitterで声をかけてもらったんですね。

それをきっかけにPRをサポートすることになり、香港に来てからも引き続き関わっています。今年に入ってこちらでの生活基盤も整ったので、他の会社での仕事もスタートし、いまは個人事業主として合計3〜4社で働いています。

▼本取材はオンラインで実施いたしました(【左】山永さん【右】大塚さん)

カウシェ様_オンライン取材

山永 私は2020年10月に、副業としてカウシェにジョインしました。本業は、株式会社POLという会社で、採用コンサルタントとして企業様の採用のご支援をしております。

その前職が楽天株式会社で、2016年に新卒で入社したのですが、そちらでは採用人事や人事企画系の仕事をしていました。

実はカウシェCOOの前本とは、大学時代からの友人でして。定期的に話をする中で、カウシェをローンチするタイミングで既に20名ほどいた副業メンバーのエンゲージメント向上や、採用を手伝ってほしいという話があり、それらをミッションとして活動することになりました。

ワークスタイルとしては、カウシェは完全に「本業プラスアルファ」という位置づけで、土曜日をメインに稼働しています。

「自律・自燃型組織」を目指して。正社員の比率は1割程度

大塚 カウシェは、「1人では買えない買い物アプリ」です。

友達や家族、または知らない人と一緒にTwitter等のSNSやLINEを通してシェア買い仲間を探し、購入をすることで、普通よりもお得に、そして楽しく、お買い物ができるECアプリになっています。

リリースは2020年の9月ですが、サービス提供開始から約半年で出店商品数は約5,000点にものぼるなど、順調に成長しています。

▼実際のアプリ画面のイメージ

カウシェ_アプリ

山永  事業のビジョンとしては、「世界一楽しいショッピング体験をつくる」を掲げています。

カウシェというアプリを通じて、買い物をシェアをすることがすごく楽しくなって、それがどんどん広がっていくような世界を作っていきたいねという話をしていて。「体験」にはすごくこだわって、アプリを開発しています。

この事業ビジョンを達成させるためにはもちろん組織も大切なので、組織ビジョンとしては「自律・自燃型組織」ということを掲げています。

働くことを楽しみながら、自分自身の熱量を最大化していく組織を作りたいという思いが込められていて。正社員であっても副業メンバーであっても、関わる人たち全員が自律・自燃で成長できるような組織を目指しています。

▼同社が掲げるバリュー(共通の行動規範)

カウシェ様_バリュー

山永 現在(※2021年6月)の組織形態としては、正社員は6名です。加えて、副業メンバーが30名以上、インターンが3名います。毎月変動がありますが、「正社員vsその他」の比率で見ると1:9〜2:8くらいです。

このように副業メンバーの比率が高いのは、最初からそれを狙っていたわけではないんですね。まず創業当時は、事業を成長させていくために、副業の人たちに頼らざるを得ない状況がありました。なので色々な人にお願いをしていたら、結果的にこうなった…と言ったほうが正しくて。

実際、9割以上がリファラルでの採用です。「副業人材を取りにいこう」と求人を公開して…といったケースはほとんどありません。

副業メンバーは、職種的にも幅広く活躍しています。エンジニア、営業、マーケティング、デザイナー、経理、PR、HR、それからオペレーションの部分ですね。とくにエンジニアの数は多く、iOSエンジニア、Androidエンジニア、バックエンドも副業として入ってもらっています。

「スキルの切り売り」で終わらない副業を実現する

山永 このように副業メンバーが多い組織では、1人ひとりをマネジメントするというより、それぞれが自律的に考えて動き、成果を出していく…ということが自然と求められていくとは思います。

ただ、先ほど申し上げた「自律・自燃型組織」を作っていくにあたり、副業であってもメンバーがもっと働くことを楽しんで、モチベーションを上げられる環境が必要だと思っていて。

ただスキルの切り売りだけになってしまうと、自分自身の成長を感じられる機会も少ないですよね。新しい挑戦もある副業を、人事としてどうすれば提供できるのか、ということを考えていきました。

結果、やりがいや成長実感を感じられる瞬間として、やはり評価や昇給は重要だなと。それが副業にあってもいいよね、という話がHRの中で上がりまして、生まれたのが「KAUCHE de WORK」という人事制度です。

KAUCHE de WORK

KAUCHE de WORK自体は全社的な人事制度なのですが、その中に、副業メンバーの昇給、ジョブローテーションといった仕組みを設けています。

具体的に副業メンバーの昇給をどう実現するのかというと、まずは半期ごとに目標設定を行い、それに対して、自己評価とチームフィードバックを行います

このチームフィードバックがあることが、ひとつの特徴的かなと思っています。というのも、副業の方って上長と会話することはあっても、チームの人たちから「ここが良かった、悪かった」といったフィードバックをもらう機会ってなかなかないじゃないですか。

その上で、評価者による面談を実施し、目標に対して5段階のレーティングをつけます。レーティングに対し「上位20%が昇給対象となり得る」「最大20%の昇給を行う」ということを規定していて、最終的にはキャリブレーションを実施します。本当にしっかりと、いわゆる人事評価のプロセスを踏んでいくような形です。

本制度は、基本的には一定以上のコミットメントのある方を対象としています。その上で、各自が相談し、評価対象者とするか・しないかを決めていきます。

2021年3月から運用をしているのですが、初回の対象になったメンバーは23名で、そのうち5名が3%〜67%の昇給を実現しました。初回ということもあり、大幅に上昇した人もいましたね。

正社員向けの評価との違いは、まず成果と行動の比重です。副業メンバーは給与に対しての成果を出すことがやはり求められるので、成果の比重を7割と高めに置いています。

とは言え通常の副業であれば、成果が10割ですよね。KAUCHE de WORKでは、副業メンバーに対して行動評価もしっかりと行うことで、中長期でミッションを実現するためにバリューを意識した働き方をしていただけるようにしています。

また副業メンバーには等級がなく、レーティングもわかりやすく5段階にしています。基本的に、4〜5であれば昇給対象になり得るというイメージですね。

副業でも挑戦できる。職種を越えて「異動」したケースも

大塚 私はこの制度によって評価を受ける側でしたが、最初に聞いたときには、「副業メンバーのことも正社員と同じように大切にしているんだ」ということを感じて、シンプルにとても嬉しかったですね。

副業や業務委託で仕事をするときって、「給与は自分で交渉するもの」というイメージがあるじゃないですか。しかも、すごくクールに考えると、会社としてはなるべく人を安く雇えたほうが良いですよね。

その中でこうした制度を設けるということで、自分たちが「外部の人」と見られていないことを感じましたし、もっと一緒に働きたいと会社が思ってくれている…ということが伝わりました。

▼同社のオフィスの様子

カウシェ様

私自身はどんな目標設定をしていたかというと、いまカウシェは1人でも多くの人にサービスを知ってもらいたいフェーズなので、PRとして「認知度を◯◯%に向上させる」というような目標を立てていました。

結果的に、認知度向上に効果の高い朝の情報番組や夜の経済番組を中心にTVでカウシェを5回以上取り上げていただいたことが評価され、昇給の対象になった形です。

給与以外の部分でも、フィードバック面談のときに「何に挑戦したい?何がやりたい?」ということをすごく聞いてくれたんですね。「カウシェを挑戦する場に使ってもらっちゃっていいので」という話をいただいて、「いいんかい?」みたいな感じだったのですが(笑)

副業メンバーを、世に言う「スキルを切り売りしてくれる人」と見ていないのが、本当にありがたいなと思いました。

実際にそのとき、新しいチャレンジとして「香港でチームを作りたい」という話をしたのですが、それに向けた動きも今しています。

他にも、PRチームのもうひとりのメンバーは、PRではなく別の仕事にチャレンジしたいという話をして、実際にサプライチームに異動になりました。

山永 この出来事がきっかけになって、副業メンバーのジョブローテーションも制度の一環として規定することになりました。具体的には、評価面談の際に異動などの希望を出せるということです。

「カウシェ=副業で活躍できる」というポジショニングを作っていきたい

山永 実はこれまで私自身も、副業メンバーのエンゲージメント向上であったり、中途採用であったりは、ほとんど経験がない中でチャレンジさせてもらったんですね。

カウシェに入ってから半年、ほぼ新しいことに挑戦させていただいたので、ここからは更にまたチャレンジングなことに向かっていきたいと思っています。例えば、今後副業メンバーが増えれば増えるほど社員と副業メンバーの接続が求められるので、そのパイプを仕組みとして作っていきたいですね。

また、より大きい視点で言うと、PRと連携して「副業といえばカウシェだよね」というポジショニングをしっかり取っていきたいと思っています。副業という領域の中で、何か新しい、面白いことをやっていきたいですね。

大塚  私はメルカリでイチからPRを学んだのですが、それが別の会社でもできるのかどうか、最初は自信がなかったんです。でも、カウシェでしっかりと成果を出すことができ、良いフィードバックもいただくことができたので、まずはすごく良かったなと思っています。

今後は、香港のチームで働いていくことがまずチャレンジですが、プロダクトのPRだけではなく、コーポレート系、特に個人的に大好きな働き方のPRもやっていきたいですね。

山永も言っていましたが、副業の魅力を正確に発信していくことで、より多くの人にカウシェで副業をすることに興味を持ってもらえたらいいな、と思っています。(了)

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