- ジオマーケティング株式会社
- セールスマネージャー
- 秋葉 大輝
社外への業務依頼も自動化。HubSpotフル活用、SaaS企業の業務オペレーション超効率化術
【Sponsored by 株式会社100】事業の立ち上げフェーズにおいては、限られた社員の工数を無駄にせず、外部パートナーとうまく分業を行いながら効率的にタスクをこなしていくことが求められる。
長年培った「地理分析」を武器に、ショッピングモールなどの商業施設のテナントリーシング(※)業務と、テナント企業の店舗開発業務をサポートするSaaS「gleasin(グリーシン)」 等を展開するジオマーケティング株式会社。
※市場のニーズや近隣の出店状況を踏まえた上で、テナントを誘致し契約する業務のこと。
わずか4名という社員数ながら複数の事業を展開する同社は、見込み顧客の発生から請求業務に至るまでに発生する多様なタスクを「自動でチケット化」し、「自動で外部パートナーに割り当てる」仕組みを構築し、オペレーション業務を大きく効率化することに成功している。
この「自動化」の仕組みづくりのハブとなっているのが、マーケティング、営業、カスタマーサービスのための統合ソフトウェアである「HubSpot(ハブスポット)」だ。
同社セールスマネージャーの秋葉 大輝さんは、「どういう仕組みを作れば人を増やさずに一番効率化できるか、試行錯誤した結果として現状の形がある」と話す。
今回は秋葉さんと、同社でCOO 兼 CTOを務める寺前 翔太さんに、ジオマーケティング社におけるHubSpot活用について、詳しくお伺いした。
※本記事のインタビュアーを務めるのは、HubSpotダイヤモンドパートナーであり、ジオマーケティング社のHubSpot運用をサポートした株式会社100(ハンドレッド)取締役 遠藤 祐太朗さんです。
遠藤 祐太朗さん
株式会社100(ハンドレッド)取締役 兼 HubSpot スペシャリスト。
BtoB企業を中心にマーケティングの戦略設計から実行支援まで、一気通貫で伴走。お客様のビジネス成長を前提としたコンサルティング+αを得意とする。週末はワークアウトで汗を流すストイックな京都人。
遠藤さんのTwitterアカウントはこちら
▼(左から)ジオマーケティング寺前さん、秋葉さん、100遠藤さん
わずか4名の社員で「地理分析」のデータとノウハウをSaaSとして提供
ーー(遠藤)本日はよろしくお願いいたします。まずは自己紹介をお願いできますでしょうか。
寺前 私はジオマーケティングのCOO 兼 CTOとして、開発側と、マーケティング周りを中心に見ています。
秋葉 私は2019年の6月にジオマーケティングに入社し、現在はセールスマネージャーを務めています。営業管理やナーチャリング施策など、主に「お客様に届く部分」が私の役割です。
寺前 最初に弊社についてお話しますと、コアになる考え方は「ジオ」、つまり地理分析です。座標データを使った、商業施設にいらっしゃるお客様の分析をコンサルティングサービスとして提供してきた会社になります。
例えば店舗でポイントカードを発行するときに、住所を登録しますよね。そこから、ポイントカードの利用履歴や購入したものを分析すると、「どこから来た人がどのお店で何を買っているか」がわかります。
こうしたデータを用いることで、例えば「次は、今お客様が来ていないこのエリアに向けてキャンペーンを打ちましょう」といった提案ができます。
また、「無印良品に来る人はこういう人」「ユニクロに来る人はこういう人」といった形で、ブランドごとのお客様属性を分析することも可能です。それを商業施設に来ているお客様のデータと結びつけると、「この商業施設にはどんなブランドが入ると良いか」が見えてきます。
こうして蓄積してきた地理を使った分析のノウハウを、SaaSのサービスとして展開しているのが「gleasin(グリーシン)」です。
▼商業施設とテナント企業(ブランド)をAIとビッグデータでサポートするgleasin
ーー(遠藤)gleasinでは具体的にはどのような「地理を使った分析」を提供されているのですか?
寺前 弊社はGeodemo®という、エリアごとの居住者のライフスタイルやライフステージの違いを把握できるジオデモグラフィックデータを保有しています。これは、最新の国勢調査と地価公示データを利用して、日本全国の約21万の町丁目を分類したものです。
このGeodemo®と、携帯電話のGPSデータや、各社のWebサイトから取得した店舗の住所情報などを組み合わせることで、データドリブンかつ直感的な商圏分析が可能です。
勘と経験だけに頼らない客観的な判断材料となりますので、新規出店の際のスピーディーな意思決定ができるようになります。
こうしたデータの提供に加えて、ブランドを誘致したい商業施設さんと新規の出店を検討しているブランドさんのマッチングも提供しています。
ーー(遠藤)2021年11月時点で、3,200施設以上のショッピングセンターと、1,200近くのブランドの商圏データベースが収録されているんですね。これだけのサービスを、社員4名で運営されているのはすごいですね。
秋葉 社員として働いているのは4名ですが、外部のパートナー企業さんや、業務委託をさせていただいてる方と協力して事業を展開しています。関わっていただいている人数としては、総勢15名ほどかと思います。
大量のリード情報を、効率的に外部パートナーと共有する必要があった
ーー(遠藤)今回はジオマーケティングさんのHubSpot活用についてお聞きしていくのですが、当初はgleasinではなくコンサルティングサービスの方でHubSpotを導入されたんですよね。
寺前 そうですね。2020年にHubSpotを導入したのですが、当時はコンサルティングのお客様がどんどん増えていく中で、効率的な顧客管理を行うことが目的でした。
もともとは別のCRMを使っていましたが、接触履歴やWeb解析などのログを将来的なマーケティング強化に活用したかったこともあり、HubSpotを選びました。
秋葉 その後、gleasinが弊社のメイン事業へと成長していく中で、ブログ等を通じたインバウンドの流入を強化するためにgleasinのドメインでHubSpotを使いたかったため、用途を切り替えたという形です。
現在は、gleasinの顧客管理やマーケティング、社内オペレーションの効率化のために、HubSpotのMarketingHubとSalesHub、ServiceHub(※)を導入しています。
- MarketingHub:LPやフォームの作成、マーケティングオートメーション、SNSや広告の一元管理等の機能を有したマーケティングソフトウェア
- SalesHub:見込み客に関する情報を集約し、取引を効率的に成約へと導くためのSFA(営業支援システム)機能を実装したソフトウェア
- ServiceHub:顧客との関係を深め、サポートを提供するためのカスタマー サービス ソフトウェア。チケットベースでのタスク管理が可能
※編集部注:HubSpot社の提供サービスについて、詳しくはこちらよりご確認ください。
ーー(遠藤)新規のお客様の獲得から、カスタマーサポートの部分までをHubSpot上で運用されているということですね。現状は、新規のお客様の獲得経路はどういったチャネルが多いのですか?
秋葉 gleasinはリーシングや店舗開発といった特定の領域で活用されるサービスなので、その部隊の意思決定者の方に辿り着くことがなかなか難しいんです。ですので、現状ではリファラル(紹介)やアウトバウンド(テレアポ等)が重要なチャネルになっています。
そして、まずはフリープランにご登録いただくことが最初のステップになります。その後は、メールを中心としたナーチャリング施策や営業活動を通じて、有料プランのご契約を目指していきます。
gleasinはSaaS型のビジネスなので、コンサルのように単価の高い少数のお客様を追いかけていくというよりは、サブスクリプション型で売上を積み上げていく必要があります。そこでHubSpotを使って、大量のリードや取引の情報を、外部のパートナーさんも含めて共有するための仕組みを作っています。
SaaSにおける煩雑な顧客管理、請求管理をServiceHubで自動化
ーー(遠藤)外部のパートナーさんも含めて情報を共有する仕組みについて、詳しくご紹介いただけますか?
秋葉 まず、アウトバウンド等でアプローチをかけている段階では、スプレッドシートで顧客データを管理しています。その後、弊社と何らかの接点が生まれた段階で、HubSpotのServiceHubとSalesHubのパイプライン(※)に管理を移行しています。
※セールスが見込み顧客を成約に結び付けるためにたどる、段階的なプロセスのこと
▼HubSpotが提供するパイプライン機能(※イメージ)
ーー(遠藤)一般的にServiceHubはカスタマーサポートをチケット管理で行うために使われるケースが多いと思いますが、それを敢えて見込み顧客の管理にも活用されているんですね。
秋葉 そうですね。フリープランへのお申込み、もしくはお問い合わせという形で見込みのお客様が入ってくると、それに伴って社内で行うべき関連タスクが数多くあります。それらをServiceHubのチケットとして自動で生成し、担当者に割り当てています。
それらのタスクが完了すると、今度はSalesHubの取引パイプラインに契約条件などを含んだ「案件」が自動生成され、有料プランのご契約までをフォローアップしていきます。
▼社外パートナーを巻き込んだ業務フローを構築(※編集部作成のイメージ図)
ーー(遠藤)ServiceHubのチケット管理を活用することで、タスクのステータス管理がしやすかったり、SalesHubの取引パイプラインとも権限を分けて管理することができますね。
秋葉 はい。社内には私とCS担当の人間がいますが、こうしたタスクについては業務提携をしているパートナーさんに依頼するものも多くあります。そこで、そういった方々にもHubSpotのアカウントを発行し、こちらから都度指示をしなくてもタスクを拾っていただけるようにしています。
ーー(遠藤)この仕組みがあることで、社内リソースを無駄にせずに、効率的かつ網羅的に顧客と案件の管理を行うことに成功されていると思います。2021年6月に弊社がHubSpot運用のご支援に入らせていただいた時には、もうある程度この仕組みを作られていましたね。
秋葉 そうですね。最初はSaaSに合った請求管理をHubspotで行うために、ご相
SaaSの請求管理は煩雑で、BtoBなのでお客様ごとに契約期間が異なったり、お値引きがあったり、無料トライアル期間があったり…。ですので、一概にシンプルに自動化することは難しいんです。
最初は毎回手打ちで作業をしていましたが、
その後、オペレーション効率化のためにServiceHubのチケット運用の幅を広げていきましたが、遠藤さんには色々と教えていただけてとてもありがたかったです。
HubSpotって、良くも悪くも「何でもできそう」な感覚があるんですよね。それによって、逆に自分が最適な答えに行き着いているかどうかわからないこともあります。でも、遠藤さんにサポートいただいたことで、何ができて何ができないのか、すぐに判断をいただけたことがとても大きかったです。
ーー(遠藤)弊社ではこれまで100社以上のHubSpot運用をご支援していきましたが、ジオマーケティングさんは活用の幅広さと深さという意味で、上位に入る企業様だと感じています。
秋葉 自分たちではまだまだHubSpotを使いこなせていないと思っているので、そう言っていただけると嬉しいですね。
試行錯誤を経て、将来のスケールに耐えうる自動化の仕組みを構築できた
ーー(遠藤)このようなHubSpotを活用したオペレーションの効率化によって、どのような成果がありましたか?
秋葉 やはりコミュニケーションコストがぐっと下がりました。基本的に社内はSlackを使ってやりとりをしているのですが、お客様とはメールでのやり取りになるので、どうしても抜け漏れが出てくるんですね。
今はタスクを自動生成して担当者に割り当てるだけではなく、ServiceHubのチケット生成から自動でお客様にメールが飛ぶような設定もしているので、だいぶ楽になったなと。
どういう仕組みを作れば人を増やさずに一番効率化できるか、人の手を動かさずに機械でできるところは任せよう、という発想で、色々と試行錯誤しています。
加えてマーケティング的な視点から見ても、HubSpotを使うとブログやLPも簡単に構築できます。例えば「セミナーやりましょう」となってもすぐに動けるので、それはすごくいいところかなと思いますね。
ーー(遠藤)何かマーケティング施策を打ちたいと思った時に、すぐに実行できる状態があるということですね。事業成長に対するインパクトとしては、いかがでしょうか?
寺前 一部繰り返しにはなりますが、やはり外部の方とのコミュニケーションコストを下げられたことは大きいですね。
私たちは4人しかいないので、4人が極力タスクをこなさないようにすることが非常に大事なんです。社外のパートナーさんには対面で指示もできないので、タスクが自動生成されて、業務が進んでいくことは理想的です。
寺前 今後、よりマーケティング施策を強化してリードが増えたときに、それを受け入れる仕組みがなければぐちゃぐちゃになってしまいます。そうした意味合いでも、タスクを分散して自動化できる仕組みがあることはとても大きいと思います。
「gleasin=店舗開発には欠かせないサービス」という認知を拡大していく
ーー(遠藤)最後に今後のチャレンジや展望について、お聞かせいただけますでしょうか。
秋葉 gleasinが提供するサービスの中で、現在はブランド企業様の獲得営業に注力しています。
店舗の出店にあたっては、商圏情報など皆さん色々なエビデンスを見て判断されるわけですが、なかなかそこがうまくいっていない企業さんも多いです。なぜならば、店舗開発業務に特化したツールやサービスが、これまでありそうでなかったからなんですね。
いわゆる「店舗開発のDX」という領域になりますが、それを実現するためにgleasinというサービスが存在すること自体、まだまだ知られていないと感じています。
そのため、まずはgleasinが、「立地のポテンシャル」が直感的にわかる商圏分析のツールとして認知されることが必要です。そのための機能拡充も行っていますし、マーケティング活動もスタートしているので、HubSpotも活用しながら進めていければと思っています。
「gleasin=店舗開発には欠かせない」というポジショニングを作っていくことが、直近の目標のひとつですね。
寺前 私たちはこれまで、自分たちが持つ「こういうサービスがあったら良いよね」という思いを軸にプロダクトを作ってきました。その形がある程度できて、お客様も増えてきたので、これからはもっとお客様の声を吸収していきたいと思っています。
それがいわゆるマーケティングになると思うのですが、市場を見てプロダクト改善をしていくフェーズに入ってきたなと感じています。
その上で、HubSpotのMarketingHubももっと活用していきたいですし、お客様の声を反映してプロダクト改善をぐるぐる回していけるような、スケールしていける体制と仕組みづくりが必要です。今後1年の課題としては、まずはそこに取り組んでいきたいと思っています。
ーー(遠藤)寺前さん、秋葉さん、本日はありがとうございました。(了)