• 株式会社ディー・エヌ・エー
  • 経営企画本部
  • 山本 優三

世界中どこでも、社員に「同じ働き方」を提供する DeNAのワークフロー統一化

今回のソリューション:【kintone/キントーン】

株式会社ディー・エヌ・エーは、2011年頃より本格的にグローバル展開を開始した。これにより、社員が世界中どこの拠点でもストレスなく、同じように働くことができる環境を構築する必要性に直面した。

そこで、様々なバックオフィス関連の業務を世界的に統一する「バックオフィス•グローバル化•プロジェクト」が立ち上がった。その中でも今回は「ワークフローの統一」に焦点を当てる。メンバー間で業務の受け渡しを円滑にするために作成されるワークフローだが、当時は数にして170あまりが「乱立」している状態で、世界の各拠点で利用されているツールもバラバラだった。

その状態を脱するために活用したのが、ビジネスアプリプラットフォーム作成サービス「kintone(キントーン)」だ。実際にその改革を担った、2010年に新卒で入社した山本 優三さんに、詳しいお話を伺った。

入社1年目でGoogle Apps導入プロジェクトを主導

2010年に新卒として入社し、今年で5年目となります。経営企画本部に所属しており、社内向けの業務プロセスの改善とシステムの構築・運用を担当しています。

入社1年目で、いきなり既存のメールやカレンダーのシステムをGoogle Appsに切り替えるプロジェクトを任されました。1年目の新卒に多くの部署を巻き込む業務を任せることには驚きましたが、「これぞDeNAならでは!」と感じました。

元々使っていたシステムを変更するということは本当に大変で、数十の部署にヒアリングをしながら、要件を詰め、なんとか切り替えることができました。現在は、ワークフローの全社切り替えプロジェクトを主導しています。

全世界でバラバラのワークフローツールをkintoneに統一

2011年頃からDeNAがグローバル展開を開始したことで、社員が世界中どこの拠点でもストレスなく、同じように働くことができる環境を構築する必要が出てきました。そこで立ち上がったのがバックオフィスをグローバル対応するプロジェクトで、現在に至るまでに様々な施策が行われています。そしてその一環として、2014年から全世界でバラバラだったワークフローツールも統一することになりました。

ツールの選定に関しては、まずシステムの項目が多言語に対応している必要があり、かつ拠点の増加に柔軟に対応できるクラウドシステムであることが必須でした。更に、DeNAは変化の激しい業界に身を置いているので、現場で簡単にカスタマイズできることや、外部システムとの豊富なAPI連携によるフレキシブルなシステム構築が可能なことも重視しました。

これらの条件を鑑みた結果、選択したのはkintoneです。そして2015年の春、全てのワークフローを刷新することができました。

▼様々なビジネスアプリが作成できる「kintone」

数十の部署の要望を真摯に受け止め、ベストな要件を固める

ワークフローを刷新するに当たっては、社内にも様々な立場の人がいるので、もみくちゃになりながら進めていった感じでした(笑)。

まずは要件を明確にするために意識したのは、各部署に「やりたいこと」をゼロベースでヒアリングすることでした。そのヒアリングを元に「それって本当に必要ですか?」「こういう形では実現できませんか?」「じゃあこの項目はいらないですよね?」という形で話し合いを行っていき、「本当に必要なこと」を浮き彫りにしていきました。

単に「必要ないのでは?」と聞くのではなく、それぞれの要望に耳を傾けて、真摯に受け取ることを最も重視していました。全員が業務を良くしていこうという考えを持っており、アプローチと観点が違うだけなので、それらの声を一旦吸収した上でベストな要件を提案することを地道に続けていきました。

形だけの承認が減り、170以上あったワークフローが半分以下に

要件を明確化した後、実際の構築に進んでいくに当たっては、まずは元々あったワークフローをすべて洗い出し、kintone化する上での難易度をつけていきました。そして各ワークフローに対する現状の申請数を出し、難易度が低くて申請数が少ない部分から手をつけることで開発のノウハウを溜めながら進めていきました。

kintone化を進めていく課程で、内容が似通ったものは統合を行ったり、実際のワークフロー業務の改善にも踏み込んでいきました。最終的には、元々170以上あったワークフローが半分ほどの数に落ち着きました。

特に良かったのが、「形だけの承認」が減ったことだと思います。上長が承認するというプロセスは安易に入れがちなのですが、「本当に上長が見る必要あるんだっけ?」ということを突き詰めていきました。もちろん規定からすれば上長が見る必要があるものもありますが、担当者が承認を行なうことで十分なケースも沢山あったのです。

フローのプロセスを削るのは勇気がいりますが、しっかりとセキュリティー側と議論をし尽くしながら、シンプルにしていきました。

「日本で申請・アメリカで承認」も可能に!社員の反応は上々

kintoneを導入して、以前より申請が効率化しましたし、今回ひとつの申請で複数件の承認が一度にできるようにしたので、便利だね、という声を頂いています。また、グローバルでフローを統一したことのメリットも大きいです。

例えばIT周りの申請に関しては、アメリカにも承認ができるメンバーがおりますので、日本で深夜に申請してもアメリカは昼なのでリアルタイムで承認がおりるようになりました。以前はワークフローツールが各国でバラバラだったので、こういったことはできませんでした。

それにDeNAは新規事業が多い会社なので、スピーディーな対応を求められることが多いんですね。kintoneだと要件さえ決まればすぐに新しいワークフローを構築できるので、現場からの要請をすぐにシステム化することができます。以前は新規事業が立ち上がってもまだワークフローがない、ということはよくあったので、喜んで頂けています。今後も現場からの要望をスピーディーに拾い上げて、どんどんkintoneワークフローを改善していきたいと思っています。

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