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- 舟迫鈴
広告ブロック&暗号通貨を稼げるブラウザ「Brave」がすごい。高速表示、無料ビデオ通話機能も
次世代の高速表示&プライバシー保護に特化したWebブラウザ「Brave(ブレイブ)」をご存知でしょうか?
「広告をブロックしてくれる」ブラウザとして話題になり、2020年頃から日本でもユーザーが増加していますが、まだまだ使ったことのない方も多いようです。
▼少々古いですが日本語の公式TV CM動画がありました
Braveの正規版がリリースされたのは2019年11月ですが、2022年5月には月間アクティブユーザー数が5,550万人を突破し、世界中から支持を集めています。
のちほど詳しくご説明しますが、Braveの特徴・使うメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
- WebサイトやYouTube、各種SNSの広告をブロックできる
- ユーザーが自ら広告を見ることで、仮想通貨を稼ぐことができる
- セキュリティ対策やプライバシー保護機能が充実している
- ページの高速表示と、バッテリー消費量の削減を実現
- クリエイターに投げ銭を送ることができる
- 安全なウォレットやビデオ通話を使うことができる
- 動画や音声の「バックグラウンド再生」「オフライン再生」が無料でできる(iOSのみ)
これだけ見ても、これまでのブラウザから大きく進化していることがわかるかと思います。今回はこの「Brave」について、そのメリットや始め方、各種機能の使い方までを徹底解説いたします。
<目次>
- 「速くて安全」と言われる「Brave」はどんなブラウザ?
- 超簡単!Braveを実際に使ってみましょう!
- 本当に広告がブロックされるのかを検証してみます!
- 広告を見て仮想通貨を稼げる「Brave Rewards」の仕組みとは
- ウォレットやビデオ通話、動画のオフライン再生も全て無料でスゴイ
- 終わりに
「速くて安全」と言われる「Brave」はどんなブラウザ?
「Brave」は、FirefoxやJavascriptなどの開発者として知られるBrendan Eich氏が開発したWebブラウザ / ブラウザアプリです。どなたでも、インストールするだけで特別な設定もなく、無料で利用することができます。
BraveはGoogle Chromeと同じ「Chromium」をコードベースとして採用し、オープンソースとして開発されています。実際、見た目や使い勝手はGoogle Chromeにかなり近く、拡張機能もほぼ使えるので、Chromeユーザーは違和感なくすぐに使えると思います。
▼パッと見た感じもGoogle Chromeと似ている「Brave」
現在、Windows、macOS、Linux、iOS、Android版が公開されていますが、その最大の特徴は、広告をブロックする機能を標準装備していることです。
一般的な広告をブロックする代わりに、Braveは自身のネットワーク上で承認されたプライベートな広告を配信します。そしてユーザーは、その広告を閲覧するかどうかを自分で選択でき、閲覧した場合は広告料の70%がユーザーに分配されます(この機能についてはのちほど詳しく解説します)。
ユーザーは自分には無関係な、または不快な広告に悩まされることなく、インターネットを使うことができ、さらにはお金を稼げる可能性もあるということですね(ありがたい話…!)。
また、広告をブロックしていることで、ページの読み込み速度も向上します。実は、スマートフォンでコンテンツを視聴する際の、データ転送量の約4割が広告であるという調査結果もあるほど、広告は大きな容量を占めているのだそう。
実際に使ってみると、表示は体感でわかるくらいめちゃくちゃ速い!公式サイトによると、Google Chromeの3倍の読み込みスピードだそう。
YouTubeチャンネル等でも、どのくらいのスピードかを検証した動画が公開されています。特にこのiOSの比較動画はわかりやすかったです。
Braveは広告に加えてトラッカー、サードパーティによるデータ保存やIPアドレス収集、悪質なマルウェアもブロックします。個人情報をデバイスの外に出さないため、悪質なクリック誘導やフィッシング詐欺の被害に遭う可能性も軽減できます。
このように、ユーザーのプライバシーを保護しながら、高いパフォーマンス(高速表示)を実現しているブラウザ、それがBraveなんですね。
公式サイトには、Braveが他のブラウザサービスと比べてどれだけ機能面で優れているかを比較している表がありましたので、ご参考までに貼っておきます。
※出典:https://brave.com/ja/
超簡単!Braveを実際に使ってみましょう!
Braveの始め方はとっても簡単で、公式サイトから、必要なアプリケーションをダウンロードするのみ。ここではmacOS版でご紹介します。
ダウンロードしてBraveを立ち上げると、まずはこんな画面が出てきてウェルカムツアーが始まります。
順を追って進めていきます。まずは、これまで使っていたブラウザからブックマークと設定をインポートできます。私はGoogle Chromeの設定をそのまま引き継ぎました。これ、地味に助かりますね。
続いて、デフォルトの検索エンジンを設定します。せっかくなのでBraveを選びました。
完了です!
とーっても簡単ですね。色々と気になるものが表示されていますが、順に説明していきます。
本当に広告がブロックされるのかを検証してみます!
では、実際にBrave上で広告がブロックされるのかどうかを見てみましょう。まずは本サイト「SELECK」を見てみます(自ら犠牲になるスタイル)。すると…
…バナー広告が消えていますね!!媒体運営側からすると大きな声では言いたくないかもしれませんが、すごい。広告ブロッカーを別に入れている方もいらっしゃると思いますが、Braveを使えば不要だということがわかります。
ちなみに広告をブロックしてくれる「シールド」は、サイトごとに設定が可能です。サイトによっては表示が大きく崩れてしまうケースもあるので、その場合はシールドをオフに設定すると良いと思います。
シールドをオフにすると、消えていた広告が表示されました。
ちなみに、YouTubeやTwitterも確認しましたが、広告コンテンツは見事にブロックされていました!(特にYouTubeの広告カットは嬉しい方も多いのでは…!)
広告ブロックに関しては、細かく設定をすることもできるので、自分好みにカスタマイズしても良いかと思います。
広告を見て仮想通貨を稼げる「Brave Rewards」の仕組みとは
最初にお伝えした通り、Braveでは敢えて広告を見てくれた人には報酬を渡す仕組みがあります。それが「Brave Rewards」です。
Brave Rewardsは、一人ひとりに配信されるプライベート広告を見て報酬を得たり、気に入ったクリエイターに投げ銭ができたりする機能です。
この報酬や投げ銭に使われている仮想通貨を、「BAT(Basic Attention Token)」といいます。ユーザーは、Braveブラウザから通知される広告を見ることで、このBATという仮想通貨を稼ぐことが可能です。
では、実際に広告を見てみます。まずは、ブラウザからBrave Rewardsの使用を開始します。
しばらくすると、ブラウザにプライベート広告が届きました!この広告を見るかどうかは、自分で選ぶことができます。
リンク先のサイトを確認しています…(「きき湯」さんでした)。
これで、BATが獲得できました(正確には、翌月の5日に残高として反映されるそうです。現時点では「推定報酬」になっています)。
こうして稼いだBATの使い道としては、①bitFlyerに送金し、換金する ②登録されているクリエイターに投げ銭をする の大きく二つです。
まず、①bitFlyerに送金し、換金する ですが、これは2021年5月から可能になりました。現段階では、日本でBATを換金するための方法はこれしかないので、換金をされたい方はbitFlyerのアカウントを認証して連携しましょう。
次に、②登録されているクリエイターに投げ銭をする ですが、これは「チッピング」と呼ばれ、好きなクリエイターのサポートや、加盟店の商品購入にBATを使うことができる機能です。
チッピングを手軽に行える場所としては、Twitterがあります。BraveでTwitterを開いてみると、何やら新しいボタンが増えていることに気が付きませんか?
なんと、「チップ」というボタンが追加されています。
こちらをクリックするだけで、クリエイター(この場合はTwitterの投稿者ですね)にBATを投げ銭として送れます。ただし、受け取り手がBrave Rewardsのコンテンツクリエイターとして登録されていなければ、すぐに受け取ってもらうことはできません。
▼受け取り手がコンテンツクリエイターではない場合
▼受け取り手がコンテンツクリエイターの場合は、すぐに送れます!
ちなみにコンテンツクリエイターになるには、登録ページより登録を行い、関連するサイトやアカウントを登録する必要があります。興味のある方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
ウォレットやビデオ通話、動画のオフライン再生も全て無料でスゴイ
ここまで、特にBraveの広告関連の機能を説明してきましたが、Braveには他にも充実の機能が備わっています。
安全なマルチチェーン暗号資産ウォレット「Braveウォレット」
Braveウォレットは、ブラウザ内蔵型の暗号資産ウォレットです。Metamaskをはじめとする他の多くのウォレットはブラウザの拡張機能であり、固有のセキュリティリスクがあると言われますが、Braveウォレットを使えばなりすましやフィッシングなどの被害にあうリスクを大きく下げることができます。
また、NFTとマルチチェーンをサポートしており、様々なWeb3 DAppsへの接続が可能です。暗号資産の保管、管理、育成を一つのウォレットで完結させることができます。
※詳細:https://brave.com/ja/wallet/
プライバシーの保護されたビデオ通話「Brave Talk」
Braveには、ビデオ通話機能も備わっています。これが地味にすごい。追跡もデータ収集もなく、プライバシーが保護されていることに加えて、4人までの通話であれば、無料・時間制限ナシ・回数制限ナシで使うことができます。
ログインも、アプリのダウンロードも不要で、Braveブラウザからそのまま利用できます。YouTubeへのライブ配信や、ブレイクアウトルーム、投票などの機能も充実しています。
▼実際に使いましたがごくごくノーマルなビデオ通話でした!
※詳細:https://brave.com/ja/talk/
ブラウザで読めるニュースフィード「Brave ニュース」
「Brave ニュース」は、主要なソースからのカスタムニュースフィードが、ブラウザに直接配信される機能です。内容は自動でキュレートされますが、カスタマイズも可能で、もちろん他のニュースサイトにあるようなトラッキングはありません。
ブラウザを開いて下にスクロールするだけでチェックできる、という気軽さがいいですね。フィードは、一日中自動で更新されます。
※詳細:https://brave.com/ja/brave-news/
動画のオフライン / バックグラウンド再生ができるPlaylist機能
iOS版Braveのみの搭載ですが、2021年5月から展開されている「Brave Playlist」という機能を使うと、Youtubeなどの動画をBraveブラウザアプリ内に保存して、オフライン再生&バックグラウンド再生をすることができます(スゴイ)。
実際にiOSアプリでYouTubeを開いてやってみたところ、ワンクリックで簡単にPlaylistに追加することができました。
※詳細:https://brave.com/ja/playlist/
終わりに
いかがでしたでしょうか。知れば知るほど、Braveってすごいですよね。
ユーザーフレンドリーで使いやすいのはもちろん、お財布にも優しくて、しかも多機能。ユーザーもこれからどんどん増えていくのではないでしょうか。
個人的には、皆がBraveを使ってしまうとコンテンツクリエイターへの収益分配が難しくなってしまう部分もあるのではないかな、という不安もありますが…(なので、個人としてはYouTube Premiumなどは解約せずに感謝の気持ちで登録し続けたいです)。
逆に、Brave Rewardsが広まっていくことで、サードパーティに搾取されることなく、コンテンツの作り手と受け手が直接つながる世界が実現されていくのかもしれませんね。
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