- コラボレーター
- SELECK編集長
- 舟迫鈴
【2022年総まとめ】スタートアップ、Web3、プロダクトマネジメント他。キーワードで見る人気記事15選
あけましておめでとうございます。SELECK編集長の舟迫です。
本年も、SELECK編集部一同、読者の皆さまに役立つ情報を発信してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします!
さて今回は、2023年1本目の記事として、2022年にSELECK編集部が特に注目していたキーワードを5つ選び、それぞれ反響のあった記事を3本ずつ、合計15記事をご紹介させていただきます。
▼今回ピックアップしたキーワードはこちら▼
- スタートアップの資金調達
- Web3.0
- プロダクトマネジメント
- 開発内製化
- ダイバーシティ(DE&I)
どのキーワードも、2023年も継続してウォッチしていきたいものですね。昨年をふりかえるだけではなく、今年のトレンドをいち早く掴むという意味でも、ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
キーワード① スタートアップの資金調達
2022年は株式市場の冷え込みによりIPO評価額が落ち込み、資金調達を目指すスタートアップには「冬の時代」が訪れたとも言われました。
しかしそれでも、同年11月の時点で年内の調達金額の合計が100億円を突破した企業数が9社にのぼるなど、その勢いが衰えていない側面もあります。(※出典はこちら)
SELECKでも、2022年には大規模な資金調達に成功したスタートアップに積極的に取材をさせていただきました。
まずは、シリーズD・122億円の資金調達について、その裏側も含めて非常に貴重なお話を聞かせていただいた、アンドパッド社の記事です。
シリーズD・122億円調達の裏側。アンドパッドが海外投資家に支持された四つの理由
また、2022年5月に150億円、同10月には467億円の資金調達を発表したUPSIDER社には、継続率が99%を超えるというサービス開発の裏側と、創業初期の転機についてお聞きしました。(※取材は2022年8月に実施)
累計200億超の資金調達も達成!急成長中の「UPSIDER」プロダクト誕生&開発の裏側
そして、サービスを提供するための市場すら存在しない段階で、累計33億円の資金調達に成功したエッジAIプラットフォームを展開するIdein社には、投資家とのリアルなやりとりを公開いただきました。
投資家「Googleがそれをやらないのはなぜ?」市場ゼロから33億を調達したIdein社の裏側
2023年も、スタートアップにとっては難しい時期が続きそうですが、新たな注目企業もまだまだ登場すると思われます。とても楽しみですね。
キーワード② Web3.0
2022年、最もバズったキーワードは「Web3.0(Web3、web3という表記も)」ではないでしょうか。
SELECKでは、2022年の年始に「Web3.0とは何か?」という解説記事を公開したことを皮切りに、この領域の有識者や先駆者の皆さまにインタビュー取材を行ってきました。
中でも特に大きな反響があったのが、インターネット黎明期より実業家として活躍し、現在はWeb3.0関連の事業開発や啓蒙活動にも取り組む、伊藤 穰一さんのインタビューです。
web3をより多くの人へ届ける。伊藤穰一氏が主催するDAO的コミュニティ「Henkaku」とは?
また、Web3.0業界の最先端で活躍されている方をゲストとしてお招きし、その未来を探る新企画「Web3対談」も開始しました。
第一弾は、「フィジカル世界におけるクリプトの可能性」をテーマに、NFT会員権を活用した国内初のバーCryptoBar P2Pを経営するBBBさんと、NFTアートプロジェクト、KawaiiGirlNFTのファウンダーAme-chanさんのお二人に登場いただきました。
【Web3対談#01】CryptoBarP2P×KawaiiGirlNFT / フィジカル世界におけるクリプトの可能性
本連載は2023年も継続する予定ですので、どうぞお楽しみに。
また、インタビューだけではなく、Web3.0の世界でよく使われる用語や、ツールの解説記事も多数公開しました。その中でも特に反響があったのが、NFTプロジェクトの立ち上げにも必須になりつつある「Discord」のbotについてまとめたこちらの記事です。
圧倒的に便利!おすすめ「Discord Bot」12選と、導入方法を総まとめ!【2022年度版】
Web3.0が一般に浸透するのか、単なる一過性のブームとして終わるのか…。2023年はある意味「勝負の年」になるのではないかと思っています。引き続き注目していきます。
キーワード③ プロダクトマネジメント
「プロダクトマネジメント」は、SELECKが数年間に渡って取材を続けている領域ですが、その注目度は年々高まっているように感じます。
その背景には、市場や顧客ニーズの複雑性が増す中で、より再現性を持ったプロダクト開発が求められていることが挙げられます。実際に多くの企業がプロダクトマネジメントの体系化に取り組んでおり、プロダクトマネージャーの採用ニーズも急速に高まっています。
今回は、SELECKが2022年に取材したプロダクトマネジメントに関する記事の中でも、特に反響が大きかったものを、BtoB、BtoC、スタートアップの三領域でピックアップしました。
まずはBtoB領域より、ベルフェイス社の事例です。過去の成功を「再現性のない成長」だったと語り、そこからいかにして脱却したのか、リアルなストーリーをお話しいただきました。
「再現性のない成長」を脱却。プロダクトマネジメントの大変革を経たベルフェイスの現在地
続いては、BtoC領域より、ディー・エヌ・エー社が展開するPocochaにおける事例です。プロダクトを「国」と捉える独自のプロダクトマネジメントのフレームワークを構築しています。
プロダクトマネジメントは「国造り」。Pocochaの急成長を支える哲学とフレームワーク
最後に、スタートアップにおける事例です。「爆速開発」でおなじみのLayerX社における、ユーザーの真のニーズを拾い上げながらも開発スピードを落とさないプロダクトマネジメントについてお聞きしています。
「爆速開発×ユーザー体験向上」を実現するLayerX。その鍵となる「地図とコンパス」とは
プロダクトマネジメントは、その形は違えど、どんな企業でも必要とされるものです。今後もさらに進化した取り組みの事例をお届けできればと思います。
キーワード④ 開発内製化
2020年に訪れた「DXブーム」も落ち着き、多くの企業では単なる「デジタル技術の活用」に留まらない、新たな価値の創出へとその活動を広げることができているのではないでしょうか。
その流れの中で注目したいのが、「システム開発の内製化」です。
日本では、システム開発をITベンダーに外注する形態が一般的だったこともあり、「社内システムを自社開発している企業は約31%、顧客向けサービスを自社開発している企業は約19%」に留まっています。
この数字を、アメリカの「約60%の企業が社内システム、顧客向けサービスの双方を自社開発している」という数字を比較すると、日本はかなり遅れをとっていることがわかります。(※出典はこちら)
しかし日本でも、徐々に開発内製化に取り組む企業が増えてきています。そんな事例とあわせて、そもそも開発の内製化とは何か? ということをまとめてお届けしたのがこちらの記事です。
【事例7選】「内製化」とは? 多くの企業がシステム開発の外部委託をやめる理由を徹底解説!
また、個別の取材記事でも、開発の内製化に取り組む企業を取り上げました。まずは、2018年にプロダクト開発の内製化を開始し、ゼロから100人規模のエンジニア組織の構築に成功したリンクアンドモチベーション社の事例です。
非IT企業がゼロから100人の開発組織を構築。MRR9.3倍、2.4億円を5年で達成した組織戦略とは
また、開発の外注における失敗によって、アプリ開発が三度「白紙」になったというプログリット社の非常に生々しいストーリーもお聞きしました。
「三度の白紙化」を経てアプリ開発を内製化。プログリットのエンジニア組織立ち上げの全貌
一部のテクノロジー企業にとって、システム開発を内製で行うことは当たり前かもしれません。しかし日本では、まだまだ開発が社外リソース頼みになっている企業の方が多いという現実がありますので、今後の進化も楽しみです。
キーワード⑤ ダイバーシティ(DE&I)
ダイバーシティ自体は、特に目新しい概念ではありません。しかし最近では、大手企業のみならず、創業初期のスタートアップのような組織でも、多様性に対する意識が非常に高まっていると感じます。
その背景としては、単なる公平性のみの観点からのダイバーシティではなく、市場に存在する多様なニーズに応えるために、多様性のある組織の方が価値を創出しやすくなってきている、ということがあります。
とはいえ、取り組みとして実績をあげている企業の多くは大企業や、外資系の企業であることもまた事実。
SELECKで取り上げた事例の中でまず大きな反響があったのが、10カ国以上のメンバーで構成されるメルカリ社のセキュリティチームの取り組みでした。
ダイバースを越えた「ボーダレス」へ。メルカリ・セキュリティチームの組織カルチャーと実践
同じく日本発のユニコーン企業であるPaidy社の事例も、先進的でとても参考になるものです。
同社は、2008年の創業時から「日本発のビジネスであっても、人材・情報・お金は世界中からベストなものを集めて勝負する」という思想を持ち、多国籍な組織づくりに取り組んできたといいます。
アンコンシャス・バイアスを疑え。日本企業のダイバーシティ促進を妨げる要因と解消法とは
そして最後にご紹介するのは、徹底した多様性を活かしたチーム作りを行うTractable社の採用方針です。
同社の日本支社では、国籍やジェンダーの多様性のみならず、採用時はカルチャーフィットを超えた「カルチャーアド(Culture add)」の観点で、組織に新たな風を吹き込んでくれる人材かどうかを重視しているといいます。
カルチャーフィットではなく「アド(add)」。急成長ユニコーン企業Tractableの採用戦略
今後は、国内のより小規模なスタートアップの多様性に向けた取り組みも、ぜひ取材していきたいと思います。
2023年もSELECKをどうぞよろしくお願いいたします
2022年にSELECK編集部が注目していたキーワードと、それぞれで反響のあった記事を全部で15記事ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
この変化のスピードが速い世界では、1年でトレンドが大きく変わります。ビジネスの現場でも、2023年にまた新しい概念や流行が生まれてくるはずですので、しっかりとウォッチしていければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。本年もSELECKをご愛読いただけますと幸いです。