- 一般社団法人ウェブベルマーク協会
- 常務理事
- 今宿 裕昭
震災から4年、今こそ情報発信を!オウンドメディアが支える「ウェブベルマーク」
今回のソリューション:【Cloud CMO/クラウドCMO】
〜コンテンツマーケティングのためのオウンドメディア構築・運用に役立つ「Cloud CMO」の事例〜
様々な情報を企業側からWEB上に発信することで自社サービスへのリーチを増やす、オウンドメディア。近年注目を集めるWEBマーケティング手法のひとつで、運営に乗り出す企業の数も増加の一途を辿っている。しかし、オウンドメディアの立ち上げや効果的な運用には様々なノウハウが必要だ。特に予算や人的リソースが限られている場合には、適切な外部の支援サービスを活用することが重要になる。
一般社団法人ウェブベルマーク協会は、2011年の東日本大震災の被災校支援を目的として、ベルマーク教育助成財団、朝日新聞社、タグボート、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズの5社により2013年に設立された。従来のアフィリエイト広告の仕組みを活用しながら、被災地の学校に対し継続的な支援を続けている。
その活動の中で重要な役割を果たしているのが、株式会社イノーバが提供する「Cloud CMO」を活用し構築・運用されているオウンドメディアだ。震災から時間がたった今こそ、情報発信の重要性は増しているのだという。同法人の立ち上げを行い、現在に至るまで常務理事を務める今宿 裕昭さんに詳しいお話を聞いた。
「被災地に対してできること」がウェブベルマーク立ち上げの契機
博報堂に入社して、20数年になります。入社以来ずっとマーケティングプランナーという形で様々なクライアントさんの戦略立案を担当させていただいてきました。現在は通常の広告代理店の業務とウェブベルマーク協会の業務を兼任しております。
ウェブベルマーク協会を立ち上げるきっかけになったのは、東日本大震災でした。日本中の誰もがショックを受けたあの瞬間に思ったのは、自分にも何かできることはないかということでした。そこで私のこれまでの経験を活かして、被災地に継続的な支援を続けていけるようなスキームが作れないかと考え始めた時に、たまたま新聞でベルマークの記事を読んだんです。
ベルマークを知っている人は多いと思いますが、私も細かい仕組みまではよく知りませんでした。商品の包装紙やパッケージにつけられた「ベルマーク」を切り取って学校・団体毎に集めて財団に送ることで、1点あたり1円がそれぞれの団体のベルマーク預金になります。そして貯まった金額で自分の学校・団体の設備品などを購入することができる仕組みです。
学校に必要なものしか購入できないので、お金の使い道が明確なんですね。そこでベルマークを使えば必ず被災地の子供たちのところに必要なものを届けることができるのではないか、と思いました。そこで私以外の同じような気持ちを抱いていた数名のメンバーと構想を練って、プロジェクトを進めていきました。
アフィリエイト広告 ✕ ベルマークで被災地の学校支援を
まず初めに私たちの「広告」のスキルとベルマークの掛け合わせで、何ができるかを考えました。そこでいわゆる成果報酬型広告と言われているアフェリエイト広告のスキームを活用しようと。広告主であるクライアントが成果分だけお金を払うという仕組みを使って、バナーのクリック数に応じた金額が寄付される「ワンクリック募金」というスキームを作りました。それともう1つ、WEB上で買い物をするとそのうちの一定金額が寄付される仕組みと併せて、ウェブベルマークの活動として進めていきました。
そして1960年からベルマークを運営している朝日新聞社にご相談させていただき、博報堂のCSR活動、社会貢献活動の一環としてウェブベルマークの立ち上げをご了承いただきました。現在はベルマーク財団が、ウェブベルマークの支援金と他の支援金を合わせ、被災地の1校あたりにつき30万円を支援し、各学校で必要なものを買ってもらっています。2014年度は、岩手・宮城・福島の小中学校、157校に支援を行いました。
震災発生直後には、ランドセルや教科書など、被災地で必要なものはある程度想像がつきましたよね。でも震災から時間が経ってしまっているので、もう何が必要なのか、把握しきれないんです。そこで学校側が支援内容を選べる、ベルマークの支援が役立っているんです。例えば「それは分からなかったな」と思ったのが、時計のニーズがあったことです。
小学校と中学校がひとつの場所に間借りして学校運営をしていると、時間割が違うのでチャイムが鳴らせないんです。それで先生方がご家庭の時計を持ち寄って授業をしていたそうなのですが、私物なので各クラスで誤差が生まれるんですね。全校集会などを時間通りに進められず困っていたと。そこでベルマークの支援金を使って電波時計を各教室に置いたところ、チャイムがならなくても全校生徒が同じ時間で動けるようになったということで、本当に感謝されたんですよ。
オウンドメディアの情報発信を目指しCloud CMOを導入
ウェブベルマークの取り組みを知っていただくための情報発信として、最初は本サイトとは別にAmebaブログを運営していました。被災地の情報や、母の日にプレゼントを買うことで被災地を支援しよう、といった呼びかけを行っていたんです。しかし全体的な最適化を考えた場合、こちらから発信する場所も本サイトと同じドメインの方が一体感があって良いですよね。そこでオウンドメディアという形でのブログ運用を考え始めたんです。
そしてコンテンツマーケティング支援のサービスをネットで探していて、Cloud CMOを知りました。資料請求を申し込んだらすぐに返事があり、実際にお会いして、様々な事例を見せていただきました。話を聞けば聞くほど運営元のイノーバさんはコンテンツマーケティングのスペシャリストで、とても魅力的なサービスだと思いましたね。ただ我々は一般社団法人なのであまり予算がなく、最初はコスト感が合いませんでした。でも昨年末に、半年間格安でサービスを使えるトライアルキャンペーンを行っていたので、使い始めてみたんです。
ブログに投稿するように、簡単にオウンドメディア運営ができる!
Cloud CMOは、コンテンツマーケティングを実践するための様々な機能が一体化したサービスです。こちらで行うことは個人でブログを運営するのと同様で、テンプレートに必要なことを入力していけば記事ができます。とても使いやすいサービスですし、申し込んで半日ほどで本サイトとの繋ぎ込みも完了しました。
運営にあたりイノーバさんからまず言われたのは、記事をたくさん書いてくださいということでした。まずはコンテンツの数を揃えるべきだと。それで2015年の2月ぐらいから、被災地の学校の様子や東北に住んでいる記者の方のコラム、お得なお買い物情報などを記事にしてブログで配信するようにしました。私が中心になって記事を書くのですが、他にも外部のライターさんなども含めて10名ほどが執筆して毎日配信をしています。
他にも具体的なアドバイスを頂くことができて、例えば一方的な記事だけでは読者が疲れてしまうので、もう少しまとめサイトのようなコラムを書いてみてはと提案を受けました。そこでワンクリック募金ができる10数個のサイトをまとめ記事風に投稿したところ、やはり非常に「いいね」がついたんですね。
本サイトのアクセス数を3倍に伸ばしたブログの力
現在、ブログに対する流入経路はニュース系のサイトや、Facebook、Twitterなどが多くなっています。ブログから本サイトへも流入できる動線を作っているのですが、Cloud CMOを使い始めてから本サイトの流入が約3倍に増えました。まだサービスを導入して3ヶ月ほどなのにこの成果は大きいですよね。まぁ本当は、30倍くらいにはなってほしいと思っているのですが(笑)。
今は「こういった記事を増やした方がいいのでは」というコンサルティングを含めて、イノーバさんにご支援いただいています。特に満足しているのはサポートです。契約以前から、営業の方が「サポートはきちんとやらせていただきます」とおっしゃっていたのですが、営業トークではなく本当に非常に丁寧なんです!例えば「右サイドバーを変えてほしい」と朝にご相談したら、午後には変更が完了していたり。スピードが早くて、対応も丁寧で、何度も何度もこちらの要望を聞いてくださるんです。本当に素晴らしいと思います。
今後強化していくSNSマーケティングでも力を借りたい
実はCloud CMOは現状では活用し切れてしない部分もあります。例えばキーワードを元に作成したコンテンツのWEB上での効果が測れたり、メルマガを送ったり、SEO対策までをカバーしています。コンテンツ作成も依頼できるので是非お願いしたいのですが、まだ予算の関係で難しいんですよね。でも今後は、コンテンツマーケティングの進化のためにイノーバさんにはより一層の支援をお願いできればと考えています。
本サイトを運営しているのは博報堂アイスタジオなのですが、やはりコンテンツマーケティングの専門家の方にしっかりついて頂いているということが心強いです。今後は LINE@やTwitterといったソーシャルメディアマーケティングも強化したいと思っているので、その領域でもイノーバさんのお力をお借りしたいと考えています。