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  • 権藤 悠

自社PR、何から始める? 「広報ノウハウゼロ」から半年でTV取材を獲得するまで

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今回のソリューション:【リアライズ】

企業が成長する上で欠かせない要素のひとつが、広報活動だ。どんなに良い技術やサービス、組織文化を持っていてもそれが世の中に伝わらなければ、新たな顧客獲得や採用力の強化に繋がることはない。

Acroquest Technology株式会社は、ビックデータなど技術的難易度が高い分野のソリューション提供に強みを持つ企業だ。そしてまた、同社の「全員の給料を全員で決める」といった特徴的な社内制度はメディアに取り上げられることも多く、 2015年には「働きがいのある会社」ランキングでも第1位に選出された(Great Place To Work(R) Institute実施。従業員25~99名部門)。

だが実は同社では、これまで広報活動に力を入れてきたことはほとんどなく、ほぼ「受け身」の状態だったのだという。そのような状態に危機感を持ったのが、2013年新卒入社の権藤 悠さんだ。権藤さんは、広報ソリューションを提供する株式会社リアライズのサービスを活用し、まずは基礎から広報を学んだ。そして半年後には、自社発信のネタに対してテレビ局や新聞社から問い合わせ・取材が来るまでになったのだという。「広報ノウハウゼロ」からこのような成功体験を得るまでの道のりについて、詳しいお話を伺った。

個性的な社内制度が特徴のAcroquest Technology

2013年に新卒で弊社に入社し、現在は広報を手がけています。弊社はJavaやビッグデータに強みを持つ開発会社なのですが、ひとつ特徴的なのが社内制度です。

様々な取り組みを行っていますが、例えば、社員全員が納得して働くために「Happy360」という皆の給料を皆で決める、という査定制度があります。直接の上長だけではなく、全員が点数を付ける項目を用意して給料を決めています。他にも、誕生日の人には社員1人ひとりが一輪の花を贈る「花一輪」という制度があったり、以前から全社禁煙を取り入れていたり。「社員の働きやすさ」を実現することには、本当に力を入れています。

広報ノウハウがなく、自分達から発信していくことができない…

このように特徴的な取り組みを色々行っているので、メディア側から問い合わせが来て取材を受けることは以前からありました。従って広報に関しては、こちらからの発信はしてこなかったんです。結果的に、自分達からどのような発信をすればメディアに取り上げてもらえるのか、ということをあまり意識できていませんでした。

事業内容もBtoBでテクノロジー色が強く、口コミや自社のエンジニアブログで発信を行うだけで十分でした。しかし、技術の提供からサービス開発に事業がシフトしていく中で、経営者、事業担当者といったビジネスサイドの方々にも上手く発信をする必要が出てきました。企業としての成長のためには、良いサービスがあるだけではやはり駄目で。自社の事業ポリシーを知ってもらうためのブランディング活動やPR活動も重要なんです。

そんな時にたまたま、弊社が「働きがいのある会社」ランキングで1位をいただいて。これは絶好のチャンスということで、会社としても広報活動に力を入れよう、という流れになりました。とは言っても、広報ノウハウは持っていなかったのでどうしようと。そこで導入することにしたのが、リアライズさんのサービスです。年単位の会費を支払うと、報道関係者専用のクローズドサイト「プレスリリースプラットフォーム」にプレスリリースを提供可能で、また、百戦錬磨の元広報部長が講師を務める広報ノウハウセミナーに参加できるようになるというものです。

「リアライズ」提供の勉強会で、まずは広報について幅広く学ぶ

私の場合は、まず「広報初心者向けのPRP勉強会」に参加しました。そこではネタ探しの方法や、記者ウケするプレスリリースを書く方法などを学ぶことができます。実際にプレスリリースを書いてレビューをしてもらうような回もありました。1コマあたり1時間半の勉強会を1日2コマ行うこともあるので、3、4回行けば広報の基礎を一通り学ぶことができます。初年度を終えて2年目に入ると、ディスカッション寄りのセミナーにも参加できるそうです。

セミナーの種類は幅広く、「経営者向けのPR講座」ではWBSやヤフーニュースのトップに取り上げられるにはどうしたらいいか、といったことも学ぶことができます。社長に広報ノウハウ獲得の必要性を進言して、参加してもらいました。また「PRPメディアセミナー」という勉強会では、朝日新聞の記者や、カンブリア宮殿のプロデューサーを呼んだトークセッションがあり、広報担当者が多いときは600人ほど参加しています。トークセッションの最後にはパネラーの前に長蛇の行列ができ、大名刺交換会が始まります。1人30秒と決められた時間の中で、各社が売り込みをするのです。ちなみに私もそのプレゼンをおこない、朝日新聞社の取材を獲得したり、各マスコミの記者・ディレクターとの繋がりを作ることに成功しました。

以前より柔軟な発想で、プレスリリースを活用できるように

このように勉強会で広報の基礎をインプットしたことで、まず変わったのは、様々なタイミングで「プレスリリースを打つ」という発想ができるようになったことです。

ある時、月に一度の全社会議で、若手社員から「毎週金曜日はかりゆしウェアを来て出社したい」という提案がありました。かりゆしウェアは沖縄県で官公庁などを中心にクール・ビズとして導入されているアロハシャツですが、それを着て働けば涼しいし快適。かつ社内がカラフルになって良いのではないか、という提案で、実施することが決定しました。

この時「これをネタにプレスリリースを打ってみよう」と直感的に思いました。というのも、リアライズさんのPRPセミナーで、時期に合わせてメディアが必ず飛びつくようなネタがあり、クール・ビズもそのひとつだということをインプットしていたのです。以前はプレスリリースを打つタイミングも新サービスのリリースくらいしか思い付きませんでしたし、このように発想が変わっただけでも個人的には大きな進歩でしたね。

▼「かりゆしウェア」をプレスリリースのネタに…

具体的なプレスリリースの打ち出し方にも、アドバイスをもらえる

かりゆしウェアのプレスリリースを打つことは決めたのですが、出すタイミングがわからなくて。そこでリアライズの方に聞いてみると「それ本当にどこの会社も取材を狙っていて、とっくにリリースを出しているので急いだ方がいいですよ。今日、今すぐ出した方がいいです!」と言われて。その時はまだ5月下旬だったので、「そんなに早いうちに?」とまずは驚きました。でも、「絶対に今日がいいですよ!」っておっしゃったんです。

メディアに応じて、FAXやメールなどアプローチに使うべき手段も違うので、具体的にどのように行動するべきかということも教えていただきました。また、通称「広報手帳」と呼ばれているあらゆるメディアの連絡先が載っている手帳の存在も知ることができました。

そこから他プロジェクトから人を借り、6人ほどでチームを組んで、片っ端からマスコミへ電話かけてプレスリリースを提供していきました。例えばテレビ局であれば、それぞれの局の代表連絡先に「クールビズの一環でかりゆしウェアのネタを提供したいのですが…」等の説明をしていきます。すると、電話窓口の方が、「それならばこの番号に電話してください」といった形で、連絡すべき先を教えてくださいました。

テレビ朝日からリアクションが!毎日新聞、そしてWBS取材に繋がる

このようなアプローチを行ったことで、実際にテレビ朝日から連絡が入り「かりゆしのプレスリリース面白そうですね、取材を検討しているのですが」という問い合わせがありました。電話を繋いでくれた人が「テレビ朝日からです!」と言った時には社内が「おーっ!」と湧きました。

▼実際に配信したプレスリリース(一部抜粋)

残念ながらその時には検討段階で話が流れてしまったのですが、自分達のアプローチに対してメディアから問い合わせが来る、という成功体験ができたことが大きかったです。その後、毎日新聞から問い合わせがあり、掲載に至りました。これをきっかけに、自分たちにとって当たり前のことでも、ネタによってはメディアから反応がもらえる可能性がある、という意識が社内に根付いたと感じています。

その後も継続した情報発信を続けた結果、3ヶ月程度で「広報担当者の夢」とも言われるテレビ東京の報道番組「ワールドビジネスサテライト」取材獲得・放映に至ることができました。「内定解禁」の特集でしたが、放映の反響は大きく、16卒・17卒の学生から連絡が殺到しました。マスコミの力を本当に強く感じましたね。

社内に「広報の重要性」が浸透し始めた

先のかりゆしの1件があってから、私以外の社員もリアライズさんの勉強会に参加するようになりましたし、私や先輩が講師になって社内でも広報勉強会を開催するようにもなりました。新卒採用など、企業ブランディングと関わりがあるメンバーが参加しています。このような活動が広まってきたのは、広報の重要性が社内に浸透し始めてきた結果だと思います。

更に社内SNSでも企業ブランディング用のグループ作り、広報ネタのアイデア出しをするようになりました。そのグループでは「こういう新規サービスの場合、他社はこう打ち出してる。じゃあうちは、違った切り口でPRすれば差別化できるよね」といった会話が自然とされるようになって。広報マインドはもちろん、マーケティング視点が以前より強くなったことを日々実感しています。今後は、弊社の企業価値向上のために、PRを通じて高度なテクノロジーを言語化・見える化することに努め、社会全体に自社の事業を拡散する土壌を養成したいと思っています。(了)

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