- リレーションズ株式会社
- COGOO事業部
- 福里 さや香
Slackはもはやチャットツールではない! 外部連携、bot、IoTまで広がる活用法
今回のソリューション : 【Slack/スラック】
〜チャットだけではなくあらゆるコミュニケーションに役立つ「Slack」の使い方〜
本サービスSELECKは「働く人のSELECTが集まる場所」として、様々なITツールの活用事例を紹介しているが、同サービスを運営するリレーションズ株式会社でも数々のツールを活用している。
その中でもチャットサービス「Slack(スラック)」の活用方法は多岐にわたり、議事録の作成からカスタマーサポート、そして電化製品のリモコンまでをSlackに集約している。
同社で大学向け自転車シェアリングサービス「COGOO(コグー)」事業に携わる福里 さや香さんに、その具体的な活用事例を聞いた。
▼Slackの使い方を徹底解説!シリーズ記事はこちら
ゼロから事業を立ち上げるためにリレーションズに入社
私は新卒で入社したNTTデータで4年間業務システムの開発を行ったあと、グリーでソーシャルゲームのディレクターをしていました。
自分でサービスを作りたいという想いからグリーを選んだのですが、2年ほど働いたあと、より小さい組織でゼロから事業を立ちあげたいと思い、リレーションズに転職しました。
リレーションズはピュアなくらいチャレンジングな会社で(笑)。元々はコンサルティング会社で、社員の大半は営業・コンサルメンバーでした。
そこからコンサル以外の新規事業として初めて立ち上がったのが、現在私が携わっている大学向け自転車シェアリングサービスのCOGOOという事業です。
サービスに使うハードウェアもアプリも独自開発しているのですが、スタートした時は社内にエンジニアが誰もいない状態だったんです。かなり無謀ですよね(笑)。
▼大学向け自転車シェアリングサービス「COGOO」
メールとFBからSlackへ移行!お気に入りはカラフルなUI
入社当時、チャットツールは導入されていなくて、社員はメールやFacebookでコミュニケーションを取っていました。
とはいえ、メールも1日に何十通もやりとりするわけでもなく。みんなどうやってコミュニケーションを取っているんだ!?と不思議でした(笑)。
そういった状況だったので絶対にチャットツールを導入したいと思い、その時に気になっていたSlackをまずはプロジェクトチームでトライアル的に導入しました。
そこでうまく使うことができたので、全社導入をしたんですね。
個人的に、Slackで一番気に入っているポイントはUIです。何と言っても、すごくカラフルなんです!見る度にちょっとワクワクするような、仕事のテンションを上げてくれるようなデザインだと思います。
チャットは常に触れるツールなので、これってすごく大事なことですよね。
▼カラフルなUIが特徴の「Slack」
今では社員全員と、外部のデザイナーさんなども含めて50名ほどでSlackを使い倒しています。
100以上のチャンネルがあって、業務に関するコミュニケーションからそうではないものまで、常に全員がSlackを見ている状態です。コミュニケーションの量で言ったら、以前の何十倍にもなったかと思います。
議事録からタスク管理まで。Slackを起点にした業務改善
全社導入して1年も経ちませんが、今やSlackはチャットツールの領域を超えています。
いろいろな外部ツールと連携ができるので、Slackをハブにしてたくさんの業務改善の仕組みが生まれました。
例えば議事録を取るのにもSlackを使っています。チャットで議事録をとると後から参照し辛いのでは、と思いますよね。
実はQiita:Teamと連携をしていて、Slackに投稿した議事メモからQiita:Teamの記事を自動生成する仕組みを社内のエンジニアさんが開発したんです。
会議が始まる前に新しいチャンネルを作って、そこで会議中にあれこれみんなで投稿する。
最後に「Exit」と入力するとその会話が全部、誰が何と発言したかも含めてQiita:Teamの記事になるんです。この連携方法はエンジニアさんがQiitaに上げているので、是非探してみてください。
▼Slackへの投稿が自動でQiita:Teamにまとまる
タスク管理ツールのTrelloやWrikeとも同様に連携していて、Slackで「want ◯◯◯」と打つとTrelloに、「request ◯◯◯」と打てばWrikeに、それぞれタスクが追加されます。
日常の業務の中で思い立ったことをすぐにタスク管理ツールに登録できるのはすごく便利です。
▼「want」でタスクがTrelloに登録される
botでTwitterを監視!カスタマーサポートも支えるSlack
Slackから他のツールへの連携だけでなく、他のツールからSlackへの連携もさせています。例えばTwitter監視botです。
自転車シェアリングサービスCOGOOは学生向けにサービスを展開しているので、Twitterで色々とつぶやかれることが多いんです。「COGOOに乗ってたらパンクした」とか。
以前は1日に数回Twitterを直接チェックしていたのですが、今ではほぼリアルタイムにCOGOOに関するつぶやきが自動でSlackに投稿されるようになっています。
つぶやいてくれた人に即連絡ができるようになったので、カスタマーサポート観点で見ても対応スピードが上がりましたね。
オリジナル絵文字でコミュニケーション。さらにはIoTまで!
最近ではオリジナル絵文字も流行っています。Slackは画像をアップロードすることで絵文字を登録できるので、社員の顔写真を絵文字にしているんです。
最近Slackのアップデートがあり、投稿に対して絵文字で「いいね!」のようなリアクションができるようになったので、顔写真を使っていいね!をして、コミュニケーションを取っています(笑)。
▼社員の顔写真を絵文字にしてリアクション!
他にも面白い使い方をしていて、Slackがリモコンになるんです。「projector_on」と打つだけで会議室のプロジェクターの電源がONになり、同時に電動式のスクリーンが降りてきます。
この仕組みには「IRKit」という製品を使っています。IRKitに事前にリモコンが発する赤外線の情報を登録しておけば、遠隔操作できるようになるんです。
これをSlackのスラッシュコマンドという機能を使って、特定の文字を入力したときにIRKitが動作するように設定しています。これぞIoTですよ(笑)。
日々進化するSlackの活用 業務改善をもっと楽しく!
Slackは本当に他のサービスとの連携がしやすいツールなので、「こんなのあったら便利だよね」という仕組みをエンジニアさん中心に日々どんどん作っています。
最近では非エンジニアもいろいろな活用をするようになっていて、例えばQiita:Teamに書いた日報や、毎日の会議室の予約状況、共有で使っているGoogleスプレッドシートの更新通知などがSlackに飛ぶようになっています。
導入した時には、Slackがこんなに活用されるとは思ってもいませんでした。
でも日々使い方が進化していくことですごく社内に活気が出ますし、全員がとても楽しんで業務改善に取り組むことができていると思います。今後も今まで以上に、Slackを使い倒していきたいですね!(了)
▼Slackの使い方を徹底解説!シリーズ記事はこちら
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