- 株式会社ZUU
- 取締役 兼 COO
- 原田 佑介
「鬼速PDCA」実現のカギはチャットツール!? 世界一の企業を目指す組織体制とは
今回のソリューション:【チャットワーク】
〜企業の成長に欠かせない「PDCAの高速化」を実現するための、「チャットワーク」運用ノウハウ〜
変化のスピードが速い現代では「PDCAをいかに早く回すか」ということが、より多くの企業に重視されるようになった。しかし実際に「Plan→Do→Check→Action」というフローを高速で回すためには、それを実現するための仕組み化がどうしても必要になる。
「金融 ✕ IT」を掲げ、エグゼクティブ層の資産運用ビジネスや「ZUU online」という金融経済メディアを運営する株式会社ZUU。同社は2038年に時価総額100兆円超えを達成し、世界一の企業になることを目指している。
そのために必要な社員の行動指標のひとつに「鬼速PDCA」を掲げ、その実現のためにチャットツールである「チャットワーク」を使っている。
チャットワークを報告や情報共有の手段としては敢えて使用せず、PDCAの回転に特化した活用法をしているという同社。取締役兼COOを務める原田 佑介さんに、詳しいお話を伺った。
▼チャットワークの使い方については以下の「徹底解説」を参照ください。
「鬼速PDCA」で成長角度を上げ、23年後に世界一の企業を目指す
弊社で運営している経済・金融情報サイト「ZUU online」というメディアは、オープンから2年半でユーザー数250万人を突破しており、金融経済を扱うコラム系のメディアではトップレベルに位置しています。
僕は現在COOという立場で、そのZUU onlineの更なるグロースに向けた戦略立案を行ったり、採用や組織づくりといった人事領域の業務を担当しています。
元々は2008年に新卒でベンチャー・リンクに入社し、3年ほど新規開拓の営業に従事しました。その後、2011年にDeNAに入社し、外部のゲーム会社のコンサルティングを担当しました。
ベンチャー・リンクに入ったのは、実家が事業をしていて、将来的に自分も起業したいという想いがあったから、というありがちな理由です。DeNAでもある程度結果が出てきていて、ちょうど30歳になろうとしていたタイミングで、もうひと勝負かけたいなと思っていました。
そんな時に、代表の冨田からZUUが1期目で初めてのオフィス移転パーティーに誘われ、「一緒に世界を目指さないか?」と声をかけてもらったことが、ZUUに入社したきっかけです。
冨田とは大学時代に共通の知人経由で出会い、大学卒業後も1年に1度は会って、ビジネスの話をする関係でした。彼の強烈なリーダーシップ、明確かつ壮大なビジョンに惹かれ、ZUUの経営に参画することを決めました。
「鬼速PDCA」で成長角度を上げ、23年後に世界一の企業を目指す
ZUUでは、「90億人が平等に学び、競争し、夢に挑戦できる世界の実現」というビジョンを掲げています。それを実現するために、社員に求める行動基準を5つのVALUEとして定めています。その中のひとつが、「鬼速PDCA」というものです。
僕らは2038年に時価総額100兆円で世界一の企業になることを目指しています。現在の時価総額上位の企業、例えばGoogleやAmazonなどの一流の人材で溢れる企業と比べると、当然今の僕らは見劣りします。
でも23年後に彼らに追いつけるかどうかを考えた時、今のレベルで考えていてもしょうがなくて。重要なのは成長角度を上げていくことだと考えています、まず目指すのは、組織人財の成長角度で世界一の企業です。そしてどれだけPDCAを早く回すことができるかが、その成長の角度を決めると思っています。
鬼速PDCAを実現するためのツールが「チャットワーク」
PDCAを鬼速で回すことに役立っているのが、チャットツールの「チャットワーク」です。弊社では、ビジネス系の全メンバーがチャットワークを使っているのですが、チームやプロジェクト毎のPDCAを高速で回すための業務遂行の部分で活用が進んでいます。
▼さまざまなPDCAを回すためのルームが並ぶ「チャットワーク」
鬼速PDCAは、その名の通りPlan→Do→Check→Actionを高速で回していくことなのですが、まずPlanの部分を、チームやプロジェクト毎に実施ている半週MTG(1週間ではなく、3日でPDCAの1サイクルを回すMTG)で個々人が計画立てます。
そして次の3日間までに全力でタスクをこなすのですが、その業務遂行で役立っているのがチャットワークです。
元々はチームやプロジェクト毎にひとつのルームで間に合っていたのですが、サービスが大きくなるにつれ、同じルームで全く違う内容を議論するケースが多くなってきたこともあり、徐々に細分化が始まりました。
今のルームのイメージとしては、事業部毎の売上を最大化させるための変数をどんどんと分解していき、その分解した先のテーマ毎にルームを作り、各ルームでKPIを定めてそのKPI達成のための議論や業務遂行をしています。
そうすれば、事業成長のボトルネックになっているKPIについて、該当するチャットワークのルームを覗けばある程度その要因を仮説立てすることができます。
事業部の売上を追いかけるマネージャーは、3日の間に出てきた重点課題のルームを追い続け、重点的に示唆だしや議論をすれば良いことになります。そのようにして確実に、最短で重要なDoを推進できる状態を作ります。
また定量的な視点として、チャットワーク内の投稿件数=PDCAのDo・Checkの数と捉えています。例えば、上司にアウトプットのチェックをお願いする投稿であれば、Do及びCheckになりますね。
チームやプロジェクト内での投稿件数が一定時間の中でどれだけ貯まっているかが、ある意味PDCAの進行を測るバロメーターになっています。
悩む時間をゼロにするため、チャットワークで相互コミュニケーション
PDCAは1人で回すよりも誰かと壁打ちしたほうが、圧倒的に早いスピードで回ります。もちろん自分で考えることは絶対に必要なのですが、「これ以上考えても出ない…」という時に誰かからアウトプットをもらうと、PDCAがぐいっと回るんですよ。
よくメンバーにも言っているのですが、「悩む時間をゼロにする」ことが重要だと思います。悩む時間って、ものすごく無駄なんです。アウトプットに近づいている時間を「考えている時間」だとすると、少しでも立ち止まったり迷ったり、前に進むかどうかわからないことを考える時間は「悩んでいる時間」と捉えています。
悩む時間をゼロにし、常に迷いなく明確なゴールに対して突き進んでいる時間を最大化させることが理想です。
悩んでいる場合にはアウトプットには近づいていないので、要するに堂々巡りをしてしまっているんです。「これどうしよう、あれどうしよう」と悩んでる時間があるなら、チャットワークで人にぶつけてみろと。
こいつ悩んでいるなと思ったら、逆にマネージメントサイドから、チャットワークで「これどう?あれどうなってる?」と聞くんですよ。そうすると大体悩んでいるので、先へ進むための情報をインプットするようにしています。
例えば、「この視点持ってる?」「この数字調べた?」と伝えると、「その視点はありませんでした、もう一回調べてみます」ということになり、アウトプットが出てくるスピードが上がっていきます。
共有・報告にはチャットを使うと非効率的になる
PDCAを高速で回すことを最も重要視しているので、チャットルームに入れるメンバーは厳選しています。
要するに、PDCAを回すための会話をしないメンバーはチャットルームには入れない。単なる共有目的でチャットワークに入っている人がいると、その人自身アウトプットに繋がらない情報が気になって効率が悪くなりますからね。
最初のうちは、報告や共有の目的で沢山のメンバーがチャットルームに入っていました。でも、それを確認するだけでもの凄く時間が取られるんですよ。すぐに100〜200件の投稿が貯まるので、キャッチアップするのに時間がかかってしまって。
その反省を踏まえてメンバーを厳選し、必要のないメンバーには退出してもらうようにしました。共有や報告は、半週ミーティングやGoogleドライブ、Qiita: Teamといった情報共有ツールに行えば、十分だと考えています。
チャットワークで全員が「鬼速PDCA」を目指すスタイルができた
このように、弊社ではPDCAを鬼速で回していくことが事業の成長や個人の成長につながっていくというカルチャーの元で、各メンバーがチャットワークを使っています。
非常に使いやすくて重宝しているのですが、タスクの量が多い時には管理が難しい部分はありますね。今後はタスク管理ツールとの外部連携が強化されるといいなと思っています。
ただ、全員がオープンにコミュニケーションをとる仕組みがチャットワークで実現できているので、今後も引き続き使っていきたいと考えています。(了)
▼チャットワークの使い方については以下の「徹底解説」を参照ください。