• 株式会社エス・エム・エス
  • 介護経営支援事業部 マネージャー
  • 平野 龍一

全国の営業拠点を「チャット」でつなげ!営業チームを強くする、その取り組みとは?

今回のソリューション:【チャットワーク/Chatwork】

〜「メール地獄」からの脱出!「チャットワーク」の導入により、営業拠点との連絡を円滑化し、素早い全国展開と営業チームの強化を実現した事例〜

全国に散らばる「営業拠点」との連絡は、多くの企業にとって課題だろう。連絡を密にすれば、メール地獄に工数が奪われる。しかし、連絡を減らすと、情報共有や教育が遅れ、営業チームが十分に力を発揮できなくなる。

実際に同様の問題を抱えていたのが、介護・医療の情報サービスを展開する株式会社エス・エム・エスで、介護事業所の経営支援サービス「カイポケ」を手掛ける介護経営支援事業部だ。

同事業部では、カイポケの営業所を全国展開するにあたり、ビジネス向けチャットツール「チャットワーク」を導入した。増加する営業所との連絡に、メールでは限界に達することが目に見えていたためだ。

チャットワークを導入することで、「見える化」によるマネジメントが可能となり、さらには増加するメンバーの効率的な育成にも成功した。また、チャットツールの弊害とも言われる「雑談の増加」も防げているという。

今回はチャットワークの導入を成功させた、平野 龍一さんに、詳しいお話を伺った。

▼ 介護事業所の経営を支援するサービス「カイポケ」

▼チャットワークの使い方については以下の「徹底解説」を参照ください。

人気急上昇中!チャットワーク/Chatworkの使い方【保存版・1回/7回】

社員3人だけの会社に飛び込み、ゼロから営業組織を作り上げる

エス・エム・エスに来る前は、ベンチャー企業に7年間勤めていました。3人だけの会社に、営業担当の正社員1号として飛び込んだんです。

営業経験が無かったため、最初の半年は1件も契約が取れませんでした。けれどがむしゃらに頑張った結果、成績は倍々ゲームのように上がるようになりました。その後は営業マネージャー、取締役を務めた後、ゼロから大阪支店を立ちあげて、支店長も務めました。

しかし、そのタイミングで親の介護問題にぶつかりまして。それまではニュースで見るだけだった介護問題が、急に自分ごとになってしまいました。

そしてちょうど同じ頃に、自分が外の世界ではどれくらい通用するのか、自分より優秀な人と一緒に働いて、試してみたいという思いも募ってきていました。

この2つの理由から、介護問題に取り組みながら、もの凄いスピードで上場を果たしたエス・エム・エスに転職を決めました。

「カイポケ」事業の複雑化とともに、営業所の全国展開が必要に

入社後は、前職での大阪支社立ちあげの経験を活かして、「カイポケ」の営業拠点の全国展開を推進しています。営業拠点の全国展開の背景には、事業の複雑化があります。

「カイポケ」は、介護事業所の運営を支援するサービスです。もともとは保険請求支援に特化したソフトウェアでしたが、事業を進めながら、介護事業所が抱えている課題を解決していくうちに、経営全般を支援するサービスになりました。

保険請求支援が中心だった時代の「カイポケ」は、Webで広告を出し、問い合わせをいただいて販売するという形をとっていました。やりとりは電話のみで、訪問は一切していませんでした。

しかし、サービスの機能が広がって、複雑になるにつれて、対面で話を聞きたいというニーズが非常に強くなってきました。そこで、直接訪問し、ヒアリングと説明を重ねた上で販売し、導入後も訪問してサポートをすることが必要になりました

メールからチャットに移行し、お客様の質問にもその場で答える

営業所が増えたことに比例して、営業所から本社への連絡も増え、メールが処理しきれない量になってしまいました。また、移動中にメールが確認できないことも不便でしたね。

そうした問題を解決するために、ビジネス向けチャットツールの「チャットワーク」を導入しました。

チャットツールの利点としては、お客様先に自分では答えられない質問をされても、すぐにチャットで先輩に聞くことができ、その場でお客様に伝えられることです。

訪問先のお客様からの質問に対して、「一度会社に持ち帰ります」と答えてしまうと、信頼度はガタ落ちです。そこにチャットツールがあれば、その場で答えることができるんですよ。

「質問部屋」は新人の教育に効果あり。質問はテストにも活用

チャットワークは、全国展開に伴う教育の問題の解決にも役立ちましたね。急速に拠点を拡大する中で、一気に人を増やす必要がありました。しかし、カイポケは複雑なサービスなので、全員がすべてを理解するように教育するのは、現実的ではなかったんです。

そこで、弊社ではチャットワーク上に「質問部屋」というグループを作って、分からないことを先輩に聞いてもらうようにしました。こちらのグループでは、「本日中」や「いますぐ」という緊急度を入れて質問をすると、全国どこからでも先輩の答えが返ってきます。この試みはとても上手くいきましたね。

▼ 実際に質問部屋でなされた質問

また、私は月1回、チャットワークにあがった質問から重要なものを集めて、テスト形式にして配っています

自分がした質問は覚えていても、他の人の質問は覚えていないですよね。チャット上では、古い質問は流れていってしまいますし。でも、他の人がした質問と同じようなものが、いつ自分にふってくるか分かりません。

テストを作って全員に配れば、そういった質問をみんなの共通の知識にできるため、教育効果はとても高いですよ。

コミュニケーションが「見える」化され、マネジメントにも効果的

それ以外にも、あらゆる連絡が効率化されました。例えば、現在は現場の営業チームから、本社のエンジニアに、お客様の要望をチャットで直接あげています。

また、チャットを使うとコミュニケーションが「見える化」されることも大きな効果だと感じています。メールだと、どうしても少人数同士のコミュニケーションになり、外からは見えませんよね。

チャットツールを使うようになったことで、私は東京にいながら、すべての営業チームの日報や、日々のコミュニケーションを見ることができます。これはマネジメントの観点からも利点が大きいと感じています。

この「見える化」は営業チームのメンバー同士でも同じです。どこでだれが何をやっているのか、日常的に見えるようになり、直接会ったことがない人同士でも仲良くなることができ、日々の情報交換が円滑になっています。

チャットの雑談を防ぐには、「徹底的に集中する」社風を

弊社の特徴として、チャットツールを導入したにもかかわらず、チャット上での雑談は少ないですね。

もちろん、「営業が取れた!」というような報告はしますし、それに対してみんなが「おめでとう!」を返すといったことはあります。ですが、それ以外ではチャットで雑談をすることは少ないんです。

これは弊社が、就業時間に厳しいルールを敷いているからだと思います。弊社では19時半には全員が強制帰社しますし、仕事用のパソコンや携帯の持ち帰りは、基本的に禁止されています。

このルールは、あえて仕事以外の時間を設けることで、ゼロからイチを生み出すような新しいアイディアを育てられるようにするために、作られたものです。

そのような事情があるので、勤務時間中は本当に集中して業務に取り組んでいます。そのおかげで、チャットツールの弊害としてよく言われる、雑談で業務に集中できないといった事態も防がれています

今後も、チャットワークをうまく使いこなしながら、情報共有を進めて営業の質を高めつつ、営業拠点の拡大をより加速させていきたいと考えています。(了)

;