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  • 森田 孝一

オンライン転職サイトに「接客」を!リアルタイムで訪問者のニーズに応える仕組み作り

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今回のソリューション:【KARTE/カルテ】

~オンライン接客ツール「KARTE(カルテ)」を使い、サイト訪問者の意思決定を促す改善に取り組んだ事例~

ECサイトをはじめWebサービスでは訪れるユーザーの顔が見えないため、ユーザーのリアルタイムな反応や温度感に合わせたコミュニケーションを提供することは難しい

転職サイト「Green(グリーン)」は、他の業界と比較してIT化が遅いと言われることも多い人材紹介サービスの仕組みの一部をWebに置き換えることにチャレンジしている。運営元である株式会社アトラエでGreenの事業責任者を務める森田 孝一さんは「対面で提供していた価値が、Webに置き換わることでさらに高められる可能性がある」と語る。

そのため同社ではリアルタイムでサイト訪問者の意思決定に寄り添うオンライン接客ツール「KARTE(カルテ)」を導入した。訪問者のセグメントから属性に応じて表示するポップアップの実装、そして効果の分析までが簡単に実施できるようになったことで、ある経路からのコンバージョン率は30%改善したと言う。森田さんにKARTE導入の経緯とその使い方についてお伺いした。

「事業を作る」こと以上に「組織を作る」ことに興味を持ち、アトラエへ

2008年に大学を卒業し、株式会社アトラエに新卒2期目の社員として入社しました。弊社は新卒を積極的に採用していて、現在も社員の7割が新卒入社になります。現在の取締役の2名は1期目の新卒入社した者です。

もともと代表の新居が組織のあり方に強いこだわりを持っていて、年次に関係なく、良い意見は取り入れようという社風なんですね。自分も含めて関わる社員全員が自分たちの会社を創っていくという意識で取り組んでいます。やはり当事者意識を持って仕事に携わることで、働きがいはもちろん、成長スピードも速くなると実感しています。

実は僕が入社したきっかけも、そんな新居の組織作りへの想いに共感したことが大きいですね。仕事って、生きていく上では必ずしなければいけないことですよね。その上で自分にとってどういう仕事が楽しいのかを考えた時に、「事業を作る」ことよりも「組織を作る」ことの方が熱中できたり、楽しめるんじゃないかと思っていました。そこで作りたい組織をイメージしていたところ、ちょうど新居と話す機会があり、その方向性が合致していたことが大きな決め手でした。

人材業界のサービスの一部をオンライン化し、高い付加価値を生み出す

僕は転職サイト「Green」の事業責任者として、戦略の策定から、各チームのKPI策定や実行時における問題解決のサポート、マネジメントなどを幅広く担当しています。

Greenのコンセプトは、アナログな部分の多い人材紹介サービスの領域で、提供する価値を落とすことなく、仕組みの一部をWebに置き換えることで、より速く、安く、精度の高いマッチングという価値を提供するということです。

近年人材業界においても、インターネット化がどんどん進んできています。キャリアカウンセリングを行った上で求人を推薦する、というプロセスの中にも、Webサービスで代替・完結できる部分も多くあります。

もちろん、経験を積んだ職人的なコンサルティングや、実際に面談をするときの空気感は代替できません。ただ作業のように求人を紹介している面なども少なくはないので、その部分をWebで行うことは可能です。膨大なデータと事例から、「どんな人がどんな企業に内定をもらいやすいのか」という視点で求人を紹介していくことで、多くの人材紹介事業者が出している価値に近いもの、またはそれ以上の価値を提供しようとしています。

▼転職サイト「Green」

Green

Webサービスの課題は、「今起こっていること」に個別対応すること

ただ、そうは言ってもWebにはリアルとは異なるメリット・デメリットがあります。メリットは、時間や場所の制約がないので、いつでもどこでもサービスを受けられること。一方でWebの場合、相手の表情を見たり、体調、温度感などを把握して対応することは難しいです。個別化された気の利いた対応は、なかなか実現できません。

例えば、Webでも定量的なパーソナライズはできるので、「こういう企業にアクションを起こした人には、この求人もレコメンドする」という機能は実現できます。でも実際にその人がどう感じているのか、例えば困ったことがあった時にそれをリアルタイムに判断して、対応することは難しい。

ログとして残っているユーザーとのやりとりを分析すればある程度わかりますが、それでは遅いんですよね。もしアナログに「今困っている」というタイミングでこちらがアクションできるようにするには、膨大な監視人員が必要になってしまいます。こういった部分を仕組みでどうカバーしていくか、ということに元々課題を持っていました。

EC業界を参考に、ユーザーに最適化したサービスを考える

「サービスの個別最適化」について考える上では、ECサイトが参考になると思っています。そもそもGreenを運営していく中で気が付いたのですが、転職という大事な選択においては、ユーザーは思っている以上に慎重に意思決定をされます。

その点がサービスを提供する上でも難易度が高いと感じています。その中で、ECサイトはBtoCのWebマーケティングにおける歴史も長く、トレンドを一番押さえていると感じていて、ユーザーに何らかのアクションを起こしてもらう上では参考になることも多いです。

森田孝一さん

もともとショッピングという視点で言うと、リアル店舗では顧客のCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)がずっと行われてきていますよね。そのノウハウが、ECサイトでも実践されていると思います。

一例として、化粧品関連のECサイトではサンプルのお試しから購買までのプロセスが精度高く設計されていたり、誕生日月の割引サービスのような個別化した施策も組み合わせて行われていますよね。

とは言え、人材紹介サービスにECサイトのノウハウをそのまま当てはめることはできません。Greenにはリアルな店舗があるわけではないですし、「誕生月だから今月は面接に受かります!」なんてメールは絶対に送れない(笑)。でも顧客への提供価値を考えたときに、オンラインだからリアルに比べて価値が下がるということはあってはならない。むしろ同等以上を実現することが可能だと思います。

そう考えたときに、最近ECサイトで実行されているWeb接客を見て、ピンときたんです。これはGreenにも絶対に必要だと。リアルな場所でのキャリア面談で体験できる良さを、Web上でもユーザーが享受することが可能になると思ったんですね。

サイト訪問者のニーズに合わせたポップアップが5分で実装できる

そこで導入したのが、「KARTE(カルテ)」です。KARTEはリアルタイムにWebページを訪れているユーザーを属性や行動に応じて判別し、それぞれに合わせた購買や登録などのコンバージョンを促すポップアップを表示できるツールです。Javascriptのコードを埋め込むだけで簡単に実装できるので、エンジニアやデザイナーがいない会社でも担当者が簡単に導入できます。

例えばAという求人ページを15分以上見ている訪問者であれば、「これは悩んでいる」と認識して「お悩みであればこちらはいかがでしょうか?」と、次のアクションをポップアップで促すことができます。KARTEを導入するまでは、このようなポップアップは自分たちで設計し、自分たちで実装までをしていました。

毎回、「仮説を立ててシステム上にロジックを組み、モックアップを作ってからコードを書いて実装し、テストして集計する」というフローが必要になっていました。人員的にも時間的にもコストが非常にかかっていたのですが、KARTEを使うと、仮説さえ持っていればあとは5分〜10分で表示条件まで設定されたポップアップを作成できます。これはかなりありがたい話です。

KARTE

施策の実行から効果検証までを、手間をかけずに実現できるツール

KARTEが便利なのは、リアルタイムでユーザーの動きを追いかけることができることです。その人の属性情報や、訪問したURLの履歴を簡単に確認できます。そういった情報を元にしたユーザーのセグメントも細かく設定できますね。

セグメントに使う情報は、例えば ①「過去に求人に応募したことがある」といった個別のアクション、②KARTE側で計測されるサイトの訪問回数や流入元、③「男性か女性か」といった登録情報、があります。これらの情報を掛け合わせることで、「男性/10回以上訪問/過去にアクションを起こしていない」といった形で、詳細なセグメントができます。さらにポップアップの表示方法も、「○秒経ったら○○を表示する」という形で設定可能です。

ただし、手当たり次第にポップアップを表示しても効果は薄いですね。KARTEはあくまでも実装手段に近いもので、強みは実装が簡単で結果までが見えやすいこと。重要なのはサービスのUX設計だと思います。まずは自分たちの目指すUXありきで、そのためにユーザーを誘導する実験が人手と時間いらずでできる、その手段がKARTEです。

例えばサイトの改善をするときには、できるだけ早くA/Bテストなどを行って結果を分析したいですよね。KARTEを使えばテストの期間もきっちり設定できて、集計も自動。人手もかからない。GreenではKARTEを導入をしたことで、ある経路での登録コンバージョンを30%上昇させることもできました。僕たちのように、少人数で細かくPDCAを回している組織にはぴったりなツールだと思います。

KARTEは社内の意思決定速度を上げてくれる最高のツール

Greenの組織文化として、実は企画職というものを置いていないんです。全員がサービスに携わる企画者のつもりで取り組んでもらいたいという想いと、入社年数に関係なく、良い意見があればフラットに取り入れていこう、という社内文化が根底にあります。

小さなチームで走り始めると、リソースが足りないという問題が出てくる場合があります。実装の優先順位を立てたはいいけれど、実際にテストできるのはだいぶ先になってしまうという。それでも絶対やったほうがいい施策はあるし、営業が急に思いついた新しい施策も試してみたい。そんな時、KARTEがあればすぐに試して、効果検証した上で機能として実装するかの判断をすることが可能になります。

今後もKARTEを使ったWeb接客に取り組み、Greenでの転職成功率を上げていきたいですね。やみくもに来客数を増やし、10,000人の方に登録していただいて1,000人が転職に成功するサービスよりも、1,000人の方に登録していただいて1,000人が転職に成功するサービスの方がはるかにサービスとしての価値が高いと思っていますので。訪問された方のニーズをいち早く察知して、マッチング率や顧客満足度を上げていきたいですね。

KARTE (了)

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