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採用は「お見合い」ではなく「恋愛」!?インターンシップにこだわり続ける、その理由

今回のソリューション:【Jobweb/ジョブウェブ】

〜会社の方向性に沿ったインターンシップを実施し、採用候補者との相互理解を深めることで、ベストマッチな人材だけを採用している事例〜

「100点満点」の人材を採用するためには、どうしたら良いのだろうか?

クラウドセキュリティ・Eメール配信事業を展開するグローバル企業、株式会社HDE。同社はもともと技術ベースの企業のため、特にビジネスサイドのメンバーの採用に苦しんでいた時代があったという。

当時は結果的に求める人材に妥協してしまい、その結果として、カルチャーがフィットせずに辞めていく、という悪循環に陥っていた。その状況を「『70点』の採用だった」と振り返るのが、同社HRの高橋 実さんだ。

同氏がその状況を打開すべく打ち出したのは、「100点満点採用」。

「100点満点」の人材しか採用しない、ということをポリシーとし、徹底的にセグメントされた人材に対し、徹底的に向き合う、という採用スタイルだ。

まず行ったのは、「面接だけで判断するのは不可能」という判断。そしてインターンシップ中心の採用プロセスを導入した。結果的に、新卒領域やグローバル採用において、採用実績がぐんぐん伸びていると言う。

その成功の背景には、求人媒体「Jobweb(ジョブウェブ)」との関係があった。今回は高橋さんに、いかに優秀な学生を採用したのか、その考え方と採用のあり方についてお話を伺った。

クレジットカード業界で、新規事業やITに携わってきた過去

人事畑に入って、もう9年になります。新卒の時は、クレジットカードのJCBに入社しました。そこで7年勤めて、かなり貴重な体験をさせてもらったと思います。ちょうどインターネットが商用化されるタイミングで、新規事業の部署に配属されたんです。

JCB.co.jpのドメインをとったり、四苦八苦しながらサーバーを立ち上げたり…。最終的には、今で言うECのようなものの土台になる企業を作りました。ITに絡んだのはそのときが初めてでしたね。

その後、NTTファイナンスとTOYOTAグループ金融会社のトヨタファイナンスのクレジットカード事業立ち上げも経験しました。クレジットカード業界の中で2社立ち上げたのって、僕くらいではないでしょうか(笑)。

当時はHR領域とは接点がまったくなかったです。トヨタファイナンスにいた頃に途中から人事に関わるようになって、その後、HDEに転職してきました。IT業界はちゃらついているんじゃないか、という先入観があったので、まさか転職してIT業界にいるなんて、昔は思いもよりませんでした。

「70点」の人材を採用しても辞めていく。狙いは「100点満点」

HRはゼロベースから始めたことになりますが、実は新規事業を作ることと、かなり近しい部分があると思っています。

お客さんにサービスを使ってもらうためのプロセス、シナリオを書いて、それを達成していくという新規事業の感覚は、採用にもあてはまる部分があって。対象が、商用サービスから人に変わっただけだと思っています。

ただ、人って「答えがない」ですよね。でもそれが逆に面白い。1人ひとりが違う人間なので、シナリオを書いても、想像だにしない答えが出てきたり。

全然活躍できていなかったメンバーを少しチューニングしてあげるだけで、組織を変える人材になることだってある。その可能性に、今はとても惹かれています。

もともと弊社は、新卒が中心となって文化を作る組織です。もう創業20年になりますが、学生起業から始まって、そこにアルバイトの形態でメンバーが増えていったイメージなんです。

ただ、新卒文化が中心だと、中途で入社した方のカルチャーフィットが難しくなってしまいます。正直、ちょっと前までは中途採用もうまくいっていませんでした。

エージェントに紹介してもらうものの、満足できるレベルの方はなかなかいない。けれど人が必要なので、いわゆる「70点」の人材でも採用していたんです。でもそういった人材は、結局カルチャーが合わずに3割は辞めていってしまう。そんなことが繰り返されてしまっている状況でした。

これは良くないと、入社して3ヶ月ほどでひとつの宣言をしました。それが、「100点満点採用をする」ということだったんです。もう条件はかなり厳しくして、ベストマッチな人しかとらない。今でもそれを徹底していて、結果的に中途も新卒も、かなり優秀な人材が入ってきています。

「お見合い」より、「恋する」採用プロセスを実現する!

新卒採用に関しては、「Jobweb(ジョブウェブ)」さんと一緒にやらせてもらっています。媒体という立ち位置よりは、もう一緒に目標を追っているパートナー、もはや同じ社員じゃないかと思ってしまうくらいお世話になっていますね。

母集団がどうとかではなく、やはり5人と面接して5人採るくらいの「一本釣り」を目指していきたいんです。それには、1人ひとりと濃密な時間を過ごすことが大事かなと思っています。

結婚と同じかもしれませんね。お見合いをたくさんするよりは、きちんと恋愛をしていきましょうと。実際、面接だけで採用を判断するのはかなり危険だと思います。判断しきれませんし、失敗してしまうと両者が不幸になってしまう。この話をJobwebの方にしたときにかなり共感してもらって、そこから一緒にやっています。

グローバル戦略を見据え、入社してほしい学生像を作りこみ

もともとグローバル展開していくという戦略もあったので、海外にもベンチャースピリットを持って飛び込んでいけるような人材を新卒には求めていました。そういった人材となると、幅広い人にアプローチしても仕方ない。母集団は少なくていいんです。

そこで考えたのが、海外出張メンバーについていくインターンシップです。やっぱり面接を数多く設定するより、インターンシップだと思いますね。単純に言えば、一緒に仕事をすることが大切だなと。

「この子と一緒に仕事したい」と社員が思えればいいし、学生にも「ここで働きたい」と思ってもらえればいい。現場で一緒に時間を過ごして、お互いに良いところも悪いところも全部見せ合おうと。

このインターンシップの求人を、Jobwebさんに掲載していただいています。そのコンテンツを作る上でも、かなり相談をさせてもらって、一緒に細部まで作りこみました。

具体的に言うと、まずは興味を持ってもらえる学生像を作っていきました。日本の企業がベンチャー的なアプローチで海外に出て行く、それってめちゃくちゃ難しいけどおもしろい!と思ってくれるような、アンテナの立っている学生です。そのイメージを議論しながら作り込み、彼らに響かせるためのコンテンツを作っていきました。

▼実際のJobwebに掲載しているインターンシップの求人

海外出張の「かばん持ち」で、1年目から採用にも成果が

求人を作ってからは、告知や拡散はゼロで、まずは様子を見ていました。告知ゼロの状態でも自分のアンテナで情報をキャッチしてくれるような学生を、ピンポイントで捕まえたいと思っていました。

そのときにはこのエントリーがあったら、次にどんな選考をするかといったことは、まったく考えていませんでしたね。

インターンシップに参加できる学生というのは、「社員と同じレベルで」弊社に関われる学生です。ただ、これを実現するためには、一方的にスクリーニングにかけるのは違うかなと。一緒になって、その状態を作っていきたいと思っていました。

ですので、ある意味教育だし、ある意味選考だし、ある意味学生からの見極め。それらが三位一体となっているインターンシップを提供しようと取り組んでいます。弊社の価値観もどんどんインプットしてもらいますし、その人にとってベストなものを探りながら提供していく。

それは例えば海外出張に「かばん持ち」としていきなり同行することかもしれませんし、多くの社員とランチすることかもしれません。国内出張から始まることもあります。

実際採用の成果は出ていて、かなりおもしろい人材を採用できています。第一回の求人からも、ひとり内定者が出ました。

このインターンシップ採用で大きかったのが、会社の方向性と自分のキャリアの方向性が一致している人材を採用できることだと思います。せっかく仕事をするなら、モチベーション高く楽しく仕事ができた方がいいですよね。だからHDEでなければダメなんだ、という人にしか内定は出せません。

お互いに「着飾らない」状態を見せ合える場所がある

また、Jobwebさんの話で言うと、運営されているコミュニティもとても魅力的だと思っています。学生のプロフィールを一覧で見られる場所があって、そのプロフィールは履歴書ではなく、ライフスタイルの延長線にあるようなことが書かれているんです。

「海外でいずれは働いてみたいです!」とか「休みのたびにブルガリアに行っています」とか。おもしろいですよね。

履歴書やESを書いて「私は御社に対して就職活動をします」と宣言するよりも、お互い着飾らない状態から始める採用プロセスを作り上げたいですし、そっちの方が「100点満点」採用においてはイメージがつきます。

会社はプロフィール上で、着飾らないその学生の姿を知っている。そして学生の方も、コミュニティの中で弊社のインターンシップについて議論することで丸裸にしていく。そういった採用イメージを、コミュニティを利用する中で持つことができました。

グローバル採用、社内の英語化にチャレンジ

弊社では現在、組織の国際色を強めていきたいと思っています。今年の10月までに社内コミュニケーションを英語化することを宣言していて、オンライン英会話なども取り入れつつ、みんなで必死に勉強していますね(笑)。

またエンジニアですと、海外からかなり優秀な方に来てもらっています。海外エンジニアの採用では、HDEグローバルインターンシッププログラムという取り組みを行っていて、インターンシップ型で実際にビジネスの現場を体験してもらっています。

1年半で1,500人ほどにエントリーしていただいたのですが、そこではGo言語を使ったスクリーニングテストなどを実施しています。大当たりしたのはインドネシアですね。この1年半でグローバルメンバー入社者は13名、うちインドネシアからの入社メンバーは、4人になりました。

新卒採用もグローバル採用も共通しているのは、ダイレクトに近いアプローチをしていることだと思います。自分たちが本当に欲しい人材のペルソナに対して、直接アプローチしていくということですね。

なので就活サイトのような母集団に対するアプローチであっても、超ギークのメンバーがかなりとんがったコンテンツを作っています。アスキーコードで書かれた暗号化メールを送るとか。それで実際に入社した人もいるんですよ(笑)。

これからも一本釣りに近い形で、「100点満点」の人材を採用し続けていこうと思います。それによって既存の社内文化も継続され、より強固なものになっていくと考えていますね。(了)

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