- コラボレーター
- 加留部 有哉
Apple、Amazon、世界的企業が導入する指標NPS。無料、5分でNPSを測定する方法とは
多くの企業では、顧客満足度を少なからず意識しているでしょう。しかし、顧客満足度が高いからと言って、新しいお客さんが増え、収益が増えるとは限りません。
そこで「顧客満足度」よりも効果があると考えられている指標が、NPSです。NPSとはNet Promoter Scoreの略で、顧客の企業やサービスへの愛着度や、信頼度を示す指標です。
海外では積極的に採り入れられ、日本企業でも導入している企業はありますが、そもそも測定方法がわからなかったり、簡単に測定できなかったり…今回はNPSの説明と無料で簡単に始められるWootricの使い方を解説します。
▼無料で簡単に始められるWootric
世界中の企業が公開しているNPS
NPSでは、「あなたはサービスに満足していますか」という曖昧な質問をするのではなく、もっと直接的に「あなたは同僚や友人にこのサービスをどの程度勧めたいと思いますか?」という質問をします。質問を受けた顧客は0点から10点の11段階で回答します。
おもしろいのが、NPSを導入する企業で全て同じ質問がされるため、指標を他社と比較できる点です。実際にGoogleを始めとして、Appleやアメリカン・エクスプレス、Netflix、Amazon、Disney、Nokiaなど様々な業界が自社のNPSを公開しています。
- apple(テクノロジー) 41
- American・Express(金融) 45
- Netflix(メディア) 52
- Amazon Prime(エンターテイメント) -11
- NewYork Life(保険) 35
上記のサイトでは、公開されているNPSを業界や企業名から調べることができます。
NPSの計算方法
NPSは質問の回答をもとに計算します。
0点から6点はサービスに対しての「批判者」、7点と8点は「中立者」、9点と10点は「推奨者」として分類わけします。
各分類の割合を計算し、推奨者の割合から批判者の割合を引いたスコアがNPSとなります。
NPSと収益の関係性
NPSをあげるためには、推奨者を増やし、批判者を減らすようなサービスの改善が必要になってきます。一般的には、顧客に質問のあとで、そのスコアの理由を聞きます。その回答を見て、改善施策を立て、スコアの上昇を目指しましょう。
オランダのビール醸造会社であるハイネケンでもNPSが取り入れられています。批判者、中立者、推奨者の売り上げを比較してみると、批判者と中立者では、中立者が1.46倍高くなり、中立者と推奨者では推奨者が1.68倍も高くなっていることがわかったそうです。批判者を減らし、推奨者をあげNPSを向上させれば、売り上げも増えることになります。
参考:Net Promoter Score® Success Stories and Case Studies
まずNPSを測ってみよう
NPSを提供するツールはありますが、まずは無料で簡単に測定してみましょう。今回は海外のNPS測定ツールであるWootricを使ってみます。
WootricはWeb上で簡単にNPSを測定するための質問をすることができ、計測までしてくれます。
まずはアドレスを入力してアカウントを取得しましょう。
質問が出るポップアップを編集する
アカウントを取得すると、セットアップガイドが表示されます。
セットアップガイドの「Customize the survey」から質問を編集しましょう。今回はSELECKの読者のNPSを測定する想定にしたいと思います。
▼言語、質問対象のサービスなどを入力します。
今回は、日本語で、「SELECKを友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」と聞くことにしました。続いて、スコアをクリックした後のメッセージを設定します。
▼回答後のメッセージを入力します。
ここでは、「ありがとうございます。スコアの理由を教えてください。」と設定しました。
これで、Webサイトに表示されるポップアップの中身を設定し終わりました。
Webサイトにコードを埋め込む
あとはコードを質問を出したいWebページに埋め込むだけです。
セットアップガイドにコードが用意されているので、HTMLのにコピペします。
▼コピぺで簡単に設定できる
今回は実験のために、埋め込むページを用意しました。
▼こちらのページでNPSの質問が表示されます
このページにコードを埋め込み、設定は全て完了です。
ユーザーにはどう見えるのか確認してみる
▼ページに下部に質問が表示されます
▼クリックすると、スコアの理由を聞かれます
▼スコアの理由を入力します
このポップアップは出すタイミングなどを決めることもできます。メニューの「Costomize Sampling」から設定しましょう。他にも、初回訪問から何日後に出すのか、回答をいくつ集めたら終了するのかを設定することが可能です。
▼ページに何秒滞在したら、質問が出るか設定できます。
NPSの結果を確認する
NPSの結果はダッシュボードから確認することができます。一目でNPSを確認できるほか、批判者や推奨者が何人いるのか、質問の回答率をみることができます。
▼ダッシュボードで結果がリアルタイムに
点数をつけた理由もフィードバックから確認することが可能です。
▼受けたフィードバックもきちんとみましょう
Wootricの使い方は以上になります。少しとっつきにくいNPSですが、Wootricを使えば簡単に測定することが可能です。顧客にどれだけ愛されているのか知ることは怖い面もありますが、売り上げ拡大の大きなヒントが眠っているかもしれません。