• 株式会社クリエイターズネクスト
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  • 窪田 望

半年で3,000超の見込み顧客を獲得!ペルソナから始まる、グロースハックの取り組み

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〜「ペルソナ」「コンセプトダイアグラム」「カスタマージャーニーマップ」などを使用し、体系化されたグロースハックを行っている事例〜

「お金」をかけず、「知恵」でプロダクトを成長させていくグロースハック。いまでは一般的になったその取り組みだが、実際にどう設計し、どう進めていくべきなのだろうか。

Google アナリティクスのデータを解析し、パワーポイントのレポートを自動的に作るサービス「KOBIT(コビット)」。リリースから1年弱で、270社のクライアントを獲得した。

その成長を支えたのが、「ペルソナの設定」「コンセプトダイアグラムの作成」「グロースハック施策の仕込み」「ペルソナの具体化」「カスタマージャーニーの作成」の5つの項目からなる、グロースハックの取り組みだ。

その中でも、コンセプトダイアグラムから生まれた、「Google アナリティクスパーフェクトガイド」というホワイトペーパーの無料配布の施策は、半年間で約3,000もの見込み顧客を獲得することに成功している

今回は、KOBITを提供する株式会社クリエイターズネクストの代表取締役である窪田 望さんに、グロースハックの設計と実行について、詳しく伺った。

知恵でプロダクトを成長させるグロースハックの、5つのポイント

僕は15歳の時に初めてWebサイトを作り、運営していたのですが、ある時そのサイトのアクセスランキングが一瞬、2chを超えたことがあって。まだ中学生だった僕に怒涛の問い合わせが来て、すごく衝撃的な体験でした。

これをきっかけにWebの世界にのめり込み、19歳で株式会社クリエイターズネクストを起業しました。そしてこれまで、400以上のサイト解析・改善の支援をしてきております。

株式会社クリエイターズネクストの窪田 望さん

現在は「KOBIT(コビット)」という、Google アナリティクスのデータを元に、アクセス解析レポートをパワーポイントで自動的に作るサービスを開発しています。Webの担当者がこれまで3日かかっていた作業を、1分に短縮することができるんです。

2015年8月のリリースから1年弱で、現在約270社にご契約いただいています。リリース以来、僕らはKOBITを広げるため、グロースハックに力を入れてきました。グロースハックとは、お金をかけてプロダクトを成長させるのではなく、知恵で成長させる手法の一つだと捉えています

KOBITでは、「ペルソナの設定」「コンセプトダイアグラムの作成」「グロースハック施策の仕込み」「ペルソナの具体化」「カスタマージャーニーの作成」という流れで、グロースハックを進めていきました。

「ペルソナ」がブレていると、施策も意味がない

グロースハックを行う上でまず重要なのが、ペルソナの設定です。ペルソナはラテン語のパーソンからできた言葉で、サービスやプロダクトのターゲットとなる「人格」のようなものです。

グロースハックやマーケティングを行う上では、「ターゲットは20代男性」というような言い方をしてしまうと、大抵うまくいかないんです。

というのも、「20代男性」と一括りに言っても、チームメンバーそれぞれが想像する「キャラクター」「人生観」「恋愛観」は異なります。そうすると、どのクリエイティブやキャッチコピーがターゲットに刺さるかを話すとき、議論がぶれてしまうんです。どれだけ良いクリエイターでも、ターゲットが間違っていたら、良い仕事はできませんよね。

株式会社クリエイターズネクストの窪田 望さん

また、「この施策でいきたい」という話をしているところに、後から偉い人が出てきて「僕はこのデザインが好きじゃない」となるのも、よくあります。ペルソナが明確になっていれば、ペルソナにとって最適な施策かという軸で議論ができ、このようなことは起こりません。

KOBITの場合、ペルソナはかなり細かく設定しています。導入の意思決定をする「ナルハヤ社長」と、実際に利用する「アナリ部長」です。

▼KOBITのペルソナ「アナリ部長」

ペルソナ

ペルソナは、始めから具体的になっていなくても大丈夫です。KOBITの場合も、最初はざっくりと考えて、施策を実行する中で、ペルソナが具体的になっていきました。

「コンセプトダイアグラム」で、契約までの流れを設計

ペルソナを作成したら、次はコンセプトダイアグラムを作成しました。コンセプトダイアグラムとは、顧客がプロダクトを知ってから契約するまでの流れをビジュアル化したものです。

株式会社クリエイターズネクストの窪田 望さん

同じようなことはカスタマージャーニーマップで行うこともできます。ただ、カスタマージャーニーマップだと、細部まで設計することになるので、ペルソナのことをあまり理解していない初期段階ではオーバースペックなんです。そのため、初期はざっくりと設計できるコンセプトダイアグラムが最適です。

KOBITの場合、潜在顧客の契約前のアクションは、次の4ステップに分けられると考えました。

  1. Google アナリティクスについて調べる
  2. 自社のレポートを作って大変な目に遭う
  3. レポート作成時にKOBITのこと思い出す
  4. 自社にKOBITの導入を検討する

▼KOBITのコンセプトダイアグラム

コンセプトダイアグラム

1つ目のステップでは、いきなりマーケティング担当者になった人が、自社のレポート作成に行き詰まり、Google アナリティクスについて検索します。このときって実は、KOBITを知ってもらうチャンスだと思うんですよね。

そこで彼らに対し、全121ページにわたってGoogle アナリティクスの機能を説明した「Google アナリティクスパーフェクトガイド」を、無料で配布するという施策を実行しました。この目的は、「これだけ手厚い情報を無料提供するってことは、KOBITはそれ以上に良いサービスなんだろう」と思ってもらうことです。

▼121ページにわたる「Google アナリティクスパーフェクトガイド」

Google アナリティクスパーフェクトガイド

また、「Google アナリティクスパーフェクトガイド」のダウンロード時に、メールアドレスをはじめとしたユーザーの情報を取得します。そして、その後はメールで情報提供をしていきます。このホワイトペーパー施策は、2016年4月から実行し、ダウンロード数は3,000社以上になります。つまりこの施策によって、3,000件の見込み顧客ができたんです。

ステップを明確にして、グロースハックの「施策を仕込む」

コンセプトダイアグラムの2つ目のステップは、「自社のレポートを作って大変な目に遭う」です。ペルソナはWebの担当者なので、必ず辛いレポート作りに直面します。

そして、3つ目のステップ「辛いレポート作成時にKOBITのことを思い出す」にたどり着きます。辛い時にKOBITのことを思い出してもらえば、担当者の代わりに大変なレポート作成をしてくれるKOBITを、契約していただける可能性が高まります。

ここではしっかりとKOBITのことを思い出してもらうため、取得したメールアドレスにステップメールをお送りしたり、Webマーケティングに関するFacebookコミュニティに招待したりと、様々な施策を実行しました。

株式会社クリエイターズネクストの窪田 望さん

そして最後のステップは、「自社にKOBITの導入を検討する」です。担当者が会社の承認を得やすくするために、稟議書をこちらで準備し、KOBITのサイトで配布しました。

このように、コンセプトダイアグラムを作ることで、プロダクトを契約してもらうために打つべき施策が明確になるんです。

「ペルソナの具体化」には、インタビューを

コンセプトダイアグラムに応じて施策を打ち、顧客数が伸びていくと、リアルなペルソナである顧客に、実際に会えるようになります。

初めに作ったペルソナはあくまでも仮説なので、顧客数が増えてから「結局誰に刺さっているのか」ということを実際に分析し、リアルなペルソナを理解することが重要になります。

僕の場合は、実際の顧客に会いに行き、事例インタビューをしながら、ペルソナを理解していきました。

その結果、意思決定者のペルソナであるナルハヤ社長がより具体化したんです。ナルハヤ社長は、レポート作成にかかる労力を減らすことで、「従業員満足度や、顧客満足度を高めたい」と考えていたんです。

株式会社クリエイターズネクストの窪田 望さん]

このように、ペルソナが具体化することで、より正しい施策を打つことができます。例えば、「従業員満足度」や「顧客満足度」というキーワードに関係する記事を配信したりもできますよね。

より細かい設計には、「カスタマージャーニーマップ」

ペルソナへの理解が深まると、契約までの流れをより細かく設計できるようになります。そのため、今ではコンセプトダイアグラムに代わって、カスタマージャーニーマップを使っています。

カスタマージャーニーマップは、特定の人物の気持ちや行動が、時系列でどう変わっていくのかという流れを図示したもので、ペルソナである「アナリ部長」と「ナルハヤ社長」の分をそれぞれ作ります。

▼カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーをペルソナをもとにして作ったことで、実際にコンセプトダイアグラムから変わった部分があります。コンセプトダイアグラムを作った時点では、ステップの1つ目を「Google アナリティクスについて調べる」と限定的に捉えていました。それが今では、「Webマーケティングについて調べる」という、実際の行動により近い捉え方ができています。

これは、ペルソナの話を聞いていく中で、Webマーケティング全般について調べている人が、KOBITのページにたどり着いていることがわかったらです。この気付きから、契約までの流れの設計を修正することができました。

グロースハックでKOBITを世界中に広げていきたい

今後は、より一層グロースハックに力を入れていきたいと思っております。そのために今はまず、お客さんのところを回りながら、悪い意見にも耳を傾けるなど、サービスを良くするヒントを貰っているところです。

グロースハックで大切なのは、プロダクトを改善しサービスを成長させることだと考えているので、これからも改善を積み重ねていきます。

株式会社クリエイターズネクストの窪田 望さん

そして将来的には、世界にある2.9億のドメインすべてに、KOBITを導入していきたいと思っています。(了)

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