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従業員233名中、140名が学生インターン!社員並みに活躍する秘訣とは

〜学生インターンが社員並みに活躍する環境を作ることで、組織の生産性を高めている事例〜

学生インターンが、社会人に負けず劣らず高いスキルを保有し、企業の中で活躍する事例が増えている。2006年に創業したキュービックは、従業員233名のうち、なんと140名がインターンで構成されている。(2017年2月時点)

同社で人事及び広報を担う森實 泰司さんによれば、このような組織づくりを成功させるには、任せる業務や育成の仕組み、評価方法を、社員並のレベルに引き上げることが重要だと言う。

今回は、森實さんとインターンの荒木 珠里亜さんに、大勢のインターンとともに成長する組織づくりの秘訣を詳しく伺った。

従業員の6割がインターン

森實 弊社は2006年に創業し、「自社メディア」×「成果報酬」型のデジタルマーケティング事業を展開しています。私は2016年に中途入社し、社長室という部署で人事・広報を担当しています。

荒木 大学2年生の終わり頃からインターンとして働き始めました。メディアの事業部で経験を積んだ後、HRチームでインターンの採用を担当しています。


今では従業員全体の約6割を占めるインターンが、Webメディアの企画や運営をはじめ、採用・広報・開発・Webデザインなど、10種類以上の領域にまたがって活躍しています。

インターン採用は主にリファラルとWantedly経由となっています。1次面接はインターンが担当、2次面接以降は1〜3年目の社員が担当し、最終的な採用の意思決定まで行っています。

インターンの業務は他社の正社員と同水準?

森實 インターンに社員並みの活躍をしてもらうためにまず重要なのは、裁量の大きな仕事を思い切って任せることだと考えています。ルーティンワークだけを切り出して任せるのではなく、社員と変わらないレベルの業務を担ってもらいます。

例えば、Webメディアを運営する上で、取材、テーマ設定、記事の構成案の作成、ライターさんへの発注、監修者さんによる内容チェックや編集など、一連の業務をインターンに思い切って任せることがあります。


もちろん、最終的には社員が全てを確認するのですが、全工程を経験することにより、インターンは自分で作るコンテンツやメディアに対して、強い愛着や責任感を持ってくれます。このため業務への本気度も上がって、成長速度がグンと上がります。

荒木 私は、小さなお子様を持つお母さんを対象とした、幼児教育に関するメディアの運営に携わりました。メディアのコンセプト作りをはじめ、記事の企画、ライターとなるママさんの採用、仕事の発注といったディレクション業務を行っていました。他のアルバイトにはない経験が出来たと思います。

森實 インターンの勤務体系は朝10時~夜9時の間で、1日3時間以上であれば、どのように組んでもOKにしています。午前に勤務して、3限だけ学校へ行って、夕方から戻ってくるような勤務体系のインターンもいます。

シニアインターン制度でさらなる成長機会を提供

森實 インターンは社内で育成することを前提に考えているため、採用時点でのスキルは不問としています。

育成の仕組みには、まだまだ改善の余地があるものの、インターンのやる気に火をつけられるような制度をいくつか運用しています。ベタなところで言えば、月間MVP・四半期MVP・半期優秀インターン賞など、彼らの頑張りを称える制度もその1つかもしれません。


また、貢献度・活躍度の高いインターンについては「シニアインターン」という制度を用意しています。シニアに上がった学生は、通常業務以外にも挑戦の機会が与えられることがあります。

例えば、社員旅行やアワードといった社内イベントの企画・運営などを任せることがあります。また、新たなルールや制度の設計などの特別なプロジェクトでリーダーを任せられるチャンスが得られます。成長意欲の高い彼らはこうした「機会」を何よりのインセンティブとして喜んでくれます。

荒木 シニアインターンは、本人が挑戦したいという意思表明をするところから始まります。過去の実績から貢献度や仕事に取り組む姿勢などを評価し、妥当であると判断された場合には、マネージャー会議での承認を通過し、シニアインターンとなることができます。

このように、社員さんがインターンの頑張りを常に見守ってくれることが、インターンにとっては何よりの励みになっています。

森實 シニアインターンは、高い成果をあげているメンバーで構成されています。ハードルを高めに設定しているため、2017年2月現在はたった8名しかおりません。その分、非常に優秀なメンバーが揃っています。

インターン制度を始めた当初は、社員がインターンの育成を行っていましたが、優秀なインターンが育ってくると、彼ら自身が後輩インターンの育成を担ってくれるようになります。

評価制度も整備!賞与予算の10%がインターンに

森實 キュービックではインターンも四半期ごとに評価され、フィードバックを受けます。S〜Eの6段階での相対評価なのですが、この評価は時給と連動しており、頑張れば頑張っただけ時給が上がる仕組みになっています。

また、業績連動賞与の予算は、10%をインターンに分配するルールとなっており、その分配額もこの評価により左右されます。

インターンからの採用は離職者ゼロ

森實 平均して2年ほどインターンとして勤務した後に、社員として入社する学生もいます。インターンからの社員登用はこれまで10名ほどいますが、彼らはパフォーマンスがとても高く、離職者もまだゼロです。

弊社でインターンを経験した学生は大きく成長しているため、就活でも成功する子がほとんどです。有名大手企業から内定をもらう学生も多く、弊社に社員登用される学生はこの選択で最後まで非常に悩みます。

ここで、あえてベンチャー企業を選択して弊社にジョインするわけですから、本人としても絶対にその選択を正解にしたいという気持ちが強く、自然とパフォーマンスが上がります。


荒木 十分な相互理解をした上で入社するので、不安なく社会人1年目をスタートできることも大きいですね。

森實 インターンで2年も勤務していると、会社側も入社後のパフォーマンス予測ができます。このため弊社では、新卒1年目から高い水準の給与を設定することも可能で、ベンチャー企業の中では初任給はかなり高い水準なのではないかと考えています。

誘惑が多い学生を着火させるには

森實 裁量を持って業務を任せること、誠実かつ正当に育成や評価を行うことで、学生であっても社会人に負けないパフォーマンスを発揮してくれることが分かりました。一方で、学生ならではの難しさも感じています。

サークル活動や友達との楽しい時間、文化祭や旅行など、学生には誘惑が多いと思うんですよね。社会人であれば、多少辛いことや誘惑があっても仕事に向き合い続けられると思うのですが、やはり学生なので、外部要因に影響されやすいことは確かです。また、そうした課外活動を楽しめるのも学生の特権です。

そのような中で彼らのコミットを引き出すためには、最初の段階で着火することがとても大切なんです。チームで目標に向かう充実感や達成の喜び、仕事で成果を出す面白さなどを、早い段階で体感させてあげたいと考えています。

弊社では、素直で真面目な学生の採用を心がけているため、序盤に着火することができれば、後は自然と走ってくれるものだと思います。

荒木 インターンを通して企業で働くということを知り、結果的にキュービックに新卒入社できたことは、とても良い体験になったと考えています。今後は社員という立場から、インターン制度をより良いものにしていきたいですね。(了)

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