- 株式会社ベンチマークジャパン
- カントリーマネージャー
- 林 良亮
LPの作成、デザイン共有、A/Bテストまで実現 デザイナー不在でもできるLPOとは
今回のソリューション:【unbounce/アンバウンス】
Webマーケティングを行う上で欠かせないのが、ランディングページ(以下、LP)の最適化だ。
Web広告やリンクをクリックした訪問者が飛んで来る場所がLPであり、未来の顧客と自社サービスの最初の接点になる。だからこそ、そのデザインやUI/UXの最適化が重要だ。
しかし、限られたリソースの中でビジネスを展開する企業では、LPの作成や改善作業にどこまでの労力をかけるかは悩みどころになるだろう。
メールマーケティングツール「Benchmark Email( ベンチマークEメール )」を提供する株式会社ベンチマークジャパンも、同様の問題を抱えていた企業のひとつだ。
世界に15の拠点を持つグローバル企業の日本支社である同社では、以前はサービスサイトにLPを設けていなかった。理由は、アメリカ本社のLPをローカライズするために必要なリソースを捻出できなかったことだ。
そこで導入したのが、LP作成・A/Bテストツールの「unbounce(アンバウンス)」。unbounceを使うと、デザイナー不在でも簡単にLPが作成でき、さらに世界中の支社間でのLPデザインの共有も可能だ。同社でカントリーマネージャーを務める林 良亮さんに、その活用について詳しくお話を伺った。
アメリカ本社にジョインし、日本支社立ち上げを提案
私は新卒で現在のカルチュア・コンビニエンス・クラブの子会社に入社し、5年ほど勤務しました。ネットレンタル部門で物流に携わったり、商品部で仕入れや店舗の販促を担当するなど、当時はITとは全く関係ない部署で仕事をしていましたね。
その後、学生時代にアメリカへ交換留学していた経験から、語学力を活かした業務に携わりたいと思うようになりました。そこでアメリカの大学のビジネスプログラムを受講するために渡米し、1年間ほど滞在しました。
このビジネスプログラムは、MBAほどお金もかからない上に1年間のワークビザを取得できるんです。この期間中に、ちょうど現在のベンチマークジャパンのアメリカ本社に当たるBenchmark Internet Groupに出会い、縁あって現地オフィスで働き始めました。
働き始めて1年ほど経った時に一時帰国する機会があったのですが、その際に当時クライアントだった日本国内のある国連機関にご挨拶にお伺いしました。そして、やはり日本の文化はFace to Faceなんだと強く感じたんです。
そこで、日本に拠点を持つことの必要性を社内に話し、2012年に日本支社の立ち上げを行いました。その時からカントリーマネージャーとして勤務し、現在は5名のチームのマネジメントを行っています。
支社にはランディングページを作成するリソースがない!
弊社が提供するメールマーケティングツール「Benchmark Email」は、メール配信や効果測定の機能を持った、メールマーケティングツールです。
9つの言語にローカライズされ、全世界15の支社で現地の言語に対応したサービスを提供しています。販促活動はWebを中心に、リスティング広告の配信や、ブログなどを通じて弊社の製品の魅力をお伝えしています。
しかし、多国展開している一方で、本国以外が提供するサービスページでは基本的にLP(ランディングページ)を設けていませんでした。LPのデザインは主にアメリカ本社で作成しているので、支社がLPを持とうとするとローカライズのための細かい作業が必要になることが原因でした。
例えば、本社のデザインページに載っている文言をWordファイルでもらって、それを翻訳したものをデザインに反映するといったような…。そこで、よりスムーズに全ての支社でLPを作成できるようにするために、2013年の頭にLP作成ツール「unbounce(アンバウンス)」を導入しました。
世界中でランディングページを共有&ローカライズ
unbounceは、デザイナーなしで手軽にLPを作成できるサービスです。用意されているテンプレートをベースに、ボタンの色を変えたり、画像をドラッグアンドドロップで差し込むだけで簡単にページをカスタマイズできます。
支社ごとにunbounceのアカウントを設定しているのですが、それぞれの支社で使っているLPのデザインを別の支社からも確認できるようになっています。
もし使ってみたいと思うデザインがあったら、「duplicate」ボタンを押せばそれをすぐに使えるんです。そのままunbounce上で翻訳し、URLを設定すればそれでLPの作成は完了です。
▼「duplicate」機能で、LPデザインを共有して活用できる
また、複数のデザインを設定し、A/Bテストの要領で出し分けることができます。デザインごとに出現比率を調整できますし、コンバージョンレートなどもひと目で分かるようになっています。さらに、導入事例などの動画も簡単にコピーして挿入ができるので、弊社が別途使っている動画マーケティングツール「Wistia」との相性も抜群です。
コンバージョン数が高いデザインを共有し、互いに参考にできる
導入の効果としては主に3点あります。1点目は、デザイナーがいない支社でも、スピーディにランディングページ作成できるようになったことです。結果として、今では全ての支社がLPを持つようになりました。日本支社ではLPを持つだけでなく、A/Bテストを運用したLP改善を含めてunbouce上で行っています。
2点目は、他の支社のデザインとコンバージョン数を見て、自分たちのアイデアの参考にするようになった点です。他の支社の例を見ているとこんなデザインあったんだ、と発見につながることが多いですね。
直近の例だと、イタリア支社のEコマースEXPOで展示をする際のページデザインが素敵だったので、日本支社のブログでもサムネイル画像にして使っています。
▼【上】イタリア支社で使用されたデザイン 【下】それを参考にした日本支社のデザイン
3点目が、アメリカ本社のマーケティングディレクターと支社の担当者、双方の負担が減ったことです。
導入後は、アメリカ本社のデザインをunbounce上で共有して、それを複製してそのままページの編集に移ることができるので、全体の工数が削減できました。15の支社で作業工程が2、3個減ったので、全体としては大きな効率化につながったと思います。
グローバル企業以外にも活用の道が?
unbounceは海外や国内に支社や支店を持ち、それぞれが独自で運用するWebページを持っているような企業さんには特にオススメできると思います。
弊社のようなグローバル企業ももちろんですが、たとえば国内であっても支店ごとに担当営業の方の顔と自己プロフィールのページを作るなどすれば、営業にも活かすことができるのではないでしょうか。
今後はA/Bテストを行う際に、訪問者の業種別にLPを作成したり、行動喚起のための文言を色々と試してみるなど、さらに細かくLP改善のために試行錯誤していきたいですね。
unbounceを使えば効率的に様々なことを試すことができるので、どんどん使っていきたいです。(了)