• 株式会社エヌリンクス
  • 専務取締役
  • 花井 大地

「やれることは全部やれ!」 6年で500人超の会社を作った、エヌリンクスの採用戦略

今回のソリューション:【Cycle/サイクル】

〜創業6年目にして正社員数が500名を越す、株式会社エヌリンクス。その採用・人事戦略のすべてを公開〜

営業代行を主事業とし、会話型の家探しやゲーム攻略サイトなど、複数の新規Webサービスを展開して急成長中の、株式会社エヌリンクス。

創業6年目にして、正社員が早くも500名を越し、今後はIPOも目指していくという。そんな同社は、いかにしてこれだけの採用を進めてきたのだろうか?

同社で長く採用に携わってきた専務の花井 大地さんの方針は、「やれることは全部やる」という、シンプルなものだったという。

他方で、花井さんから採用業務を引き継いだ沖 悠太さんは、採用管理システム「Cycle(サイクル)」を用いて、「全部やった結果」を整理整頓し、費用対効果の最大化を図っている

今回は、花井さんと沖さんに、同社の採用戦略について、詳しくお話を伺った。

はじめは代表をバカにしていたが…1年後の社員数で敗北を認める

花井 新卒でコンサル会社に入社したのですが、かなり成果を上げることができたこともあって、独立することにしました。

そのとき、大学時代に同級生だった弊社代表の栗林と一緒にやるという話もあったのですが、私は栗林をバカにしていたところもあって、「ひとりでやった方が全然マシ」と思って(笑)。一度は別の道を歩むことにしたんです。

ただ1年後、私の会社は10人、栗林のエヌリンクスは30人。潔く負けを認めて、弊社に入りました。2012年のことです。

入社後は、いきなり「3ヶ月で一気に会社を30人から100人に拡大してほしい」と言われたので、まずは採用と教育体制の仕組み化に着手しました。

その後、ずっと採用・人事を見てきて、現在は、主事業の営業代行以外の新規事業を総括する専務という立場にいます。

 私は、その100人に拡大したときに入ってきたうちのひとりです。

入社前は音楽をやっていましたが、「音楽性の違い」でバンドが解散したりなど、いろいろあって。もう20代後半だし、そろそろ「ちゃんとしよう」と、エヌリンクスに入社しました。

支店で2年半、営業代行の仕事をした後、本社の管理本部に移って、いまは花井の下で採用の仕事を引き継いでいます。

「やれることは全部やる!」、あらゆる媒体とエージェントを使う

花井 入社してすぐに、「3ヶ月で70人採用」という無茶なお願いをされたので、考えた結果、「やれることは全部やるしかない」と思いました。

求人媒体は、掲載課金型も採用課金型も、あまり知られていないものまで含めて、可能な限り全て使います。ほとんど知られていないような媒体でも、2ヶ月に1人くらいは応募があるので、やらないと損です

媒体が多すぎるときは、媒体とのコミュニケーションコストを減らすため、いろいろな媒体を運用してくれる求人広告代理店の手も借りていました。

また、エージェントさんも、契約は100社、アクティブで付き合っているものだけでも20社ほどあります。さらに、リファラル採用にも力を入れています。

私としては、とにかく候補者の方との接触の機会を創出するのが重要だと思っているので、「全てやる」という方法をとっていました。

「ダイレクトリクルーティング」なんて、当たり前!

花井 最近よく聞くダイレクトリクルーティングも、「当たり前にするでしょ?」と思っています。別に専用の媒体を使わなくてもできることですし、弊社でも、沖が面白いダイレクトリクルーティングをやりましたよ(笑)。

 ハローワークの前に行って、そこから出てくる人全員に「エヌリンクス入りませんか」って声をかけたんです。結果的には全滅で、大失敗でしたね。

花井 そういうのも含めて、全部やるというのが弊社のスタンスなんです。

「とにかく早く内定を出す」ことが大事!面接は1回のみ

花井 そのように候補者を集めたあとの選考過程についていうと、弊社の特徴は面接が1回だけだという点です。

これを始めたきっかけは、人材会社さんが出していた調査データで、求職者が会社を決める要因の70%が「最初に内定を出した会社」だという話があったことです

それなら、とにかくスピードを重視して面接1回で「最初に内定を出す」方が、より多く採用できると思ったんです。何度も面接をするのはコストですしね。

「人の見極めなどできない!」ことを、社内で検証

もちろん、これには「それでは見極めができない」と社内から批判がたくさん飛んできました。

私は個人的にそもそも「人の見極めなどできない」と思っていたんですが、あまりに批判の声が大きいので、実際に2〜3回検証したんですよ。

「1回面接」、「1回面接で厳しく見極め」、「複数回面接」で新入社員を分けて、3ヶ月後の離職率と活躍率を見たところ、どのグループにも有意な差はなかったんです。そのため、弊社の場合は1回面接で十分だと考えています

ちなみに、活躍率は各人が定めたKPIの達成率を見ています。会社として社員に課しているのは、目標としてKPIを設定することです。その進捗を管理してもらうことで、管理本部で活躍率を図っているんです。

「組織のひずみは必然的に生まれる」、どう対処するかが重要

花井 急拡大すると「組織にひずみが生まれるのでは?」とよく言われますが、私は「ひずみは必然的に生まれる」と考えています。

どんな会社でも、大きくなるにつれ、経営陣と現場との距離が開きます。弊社でも、ミドル・マネジメント層と経営陣との距離が大きくなり、昨年には「代表は変わってしまった」みたいな代表批判が聞かれるようになりました。

そのときは、マネージメント層に社長の立場を経験させる研修を行い、目線を合わせることで、問題を解消することができました。ひずみは必ず生まれるので、それにどう対処するかが重要だと思います

「Cycle」を導入し、複数の採用チャネルを一元管理

花井 私はこのようなやり方で採用と組織作りをしてきたんですが、このやり方のおかげで、採用媒体が多すぎて、管理画面を開くのがとても面倒で…。

それで、一昨年、多くの採用媒体を一元管理できる、採用管理システムの導入を検討しました。

いろいろ見たんですが、対応する媒体の多さと、誠実なサポートの姿勢から、エン・ジャパン系列の「Cycle」(※Cbaseより改名)を使うことにしました。

▼ 採用管理システム「Cycle」のトップ画面

実は私は導入しただけで、何も知りません(笑)。具体的な運用を行なっているのは沖になります。

「ステータス管理」機能で、工数とエラーを大幅に削減

 Cycleで便利なのは、多くの採用媒体から自動でデータを取りこみ、すべての候補者の方の現在のステータスが一覧できる機能です。各媒体の管理画面を開かずに、Cycleから直接メッセージを送ることもできます。

▼ あらゆる候補者のステータスを一覧できる!

弊社は毎月100人ほどの応募があり、10〜20人ほどが入社するので、常に4〜5媒体からは応募があります。これを自動管理できるので、Excelを使って手作業でやっていた頃と比べると、必要な工数が劇的に減りました

また、採用プロセスにおけるエラーも防げるようになりました。ステータスが一覧でき、例えば、「1日連絡が取れていない」、「2日連絡が取れていない」候補者などを一覧できるので、問題にすぐ気付いて対処できるんです。

「データ解析」機能で、コストを最適化できる

 もうひとつ便利なのが「データ解析」機能ですね。ある期間のある媒体の応募数・面接数・内定数・入社数などのデータを一覧できます。

その結果、Webマーケティングの用語でいうと、各媒体のCPA(※獲得単価、ここでは1人に入社してもらうのにかかるコスト)が一目で確認できるんです

これによって、媒体を自社に最適なもののみに絞ることができ、費用対効果を最大化できます

もうひとつの使い方は、このデータを持って媒体の方とお話しすることです。

例えば、ある媒体の方に、「別の媒体の方が、数字がいいんですよ」とデータを提示すると、より良い成果を生むにはどうすればいいか、一緒に考えてくれるようになります

これも媒体任せにせず、自社でデータを持つことの大きな意味だと思っています。

花井 弊社は、採用にかなり多くのお金を投入していますが、沖がCycleを使って最適化を図ってくれた結果、昨年比で1,000万円以上の採用経費を削減できています

今後も、まずは「1,230名」を目指して、人の採用を続けていく

花井 弊社は、営業代行を基盤として、IT系の新規事業に取り組んでいます。IT系の企業には、弊社のようなリアルで強い営業力をもった会社は少ないと思うので、「リアル」×「IT」の企業として独自のポジションを取っていけると考えています。

代表の栗林は弊社をメガベンチャーにしたいと思っているんです。メガベンチャーの社員数の平均は1230人なので、まずはそこを目指して、私としては今後も人を増やしていくつもりです。(了)

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