- 株式会社カブク
- Founder / CTO
- 足立 昌彦
タスクの見える化はコミュニケーションの基本 プロジェクト進行に「完璧」なツール
今回のソリューション:【Wrike/ライク】
日本語入力アプリ「Simeji(シメジ)」の開発者でもあるAndroid開発の第一人者、adamrockerこと足立 昌彦氏さんは、Simejiのバイドゥ株式会社への事業売却後、2013年に株式会社カブクを立ち上げCTOを務める。
同社では現在社員13名を抱え、BtoB、BtoCの両領域において3Dプリンティングの技術を使ったモノづくりを支援するサービス「Rinkak(リンカク)」を展開中だ。
同社のタスク管理方法は、少しユニークだ。期限・予算・メンバーの決まっているもの全てを「プロジェクト」として同じ手法で進行を管理している。
そのスタイルにぴったり合い、初めて使った時に「完璧だ!」と感じたというタスク管理ツール「Wrike(ライク)」について、足立さんに聞いた。
「Simeji」がきっかけでサンフランシスコへ。その後、カブクを立ち上げ
もともとは大きな会社の研究所におりまして、ソフトウェアを動かすためのコンパイラやJava VM 等の基礎技術を研究開発していました。
5年経って、自分が開発していたAndroidの「Simeji(シメジ)」という日本語入力アプリがきっかけになってサンフランシスコに転職して。向こうにいる間にSimejiをバイドゥ株式会社に事業売却して、そちらで1年半開発責任者をしていました。
そしてバイドゥにいる間に今の社長の稲田と知り会って、2013年1月23日に株式会社カブクを立ち上げました。
カブクでは、3Dプリンタを使ったものづくりをサポートするサービス「Rinkak(リンカク)」を運営しています。
クリエイターの方がデータをアップロードするだけでモノが作れて、販売から発送までもカバーするサービスです。BtoBの領域でも、企業の3Dプリンティング代行サービスを展開しています。
3Dプリンタって航空機でも使えるレベルのパーツができて、必要なときに必要な分だけを作れ、在庫は持たなくていいのが強みですね。今はどんどんグローバルに展開していっています。
タスク管理はコミュニケーション!少人数でも可視化が重要
まだまだ社員は10数名で小さい会社なのですが、それでもタスクを見える化することって本当に大切だと考えています。
タスク管理ツールって、結局はコミュニケーションツールだと思うんです。「俺のスケジュールはこうだよ」というのが他の誰にでもわかる、ということですよね。
メンバーが2人の時から、いろいろなツールを使っていました。例えばBacklog、JIRA、Trello等ですね。
その中で1番自分たちにフィットするものを探していて、行き着いたのが「Wrike(ライク)」です。
####▼「Wrike」画面イメージ
新しいツールを導入する時は、まず使ってみて、合うかどうかを確認します。
もともと社長と僕が人工知能出身というのもあって、組織に関しても合議制というか多様性を大事にしているんです。ツールひとつ選ぶのにも多種多様なものを試して、その中で最良のものを選択するようにしています。
だからWrikeも、弊社の社長の稲田が見つけてきてすぐに試しました。2014年の頭くらいで、当時まだ日本での事例が全然なかった時です。弊社もまだ4人くらいの時でしたね。
第一印象で「完璧」だったタスク管理ツールWrike
初めてWrikeを使った時に、「完璧だ!」と思って(笑)。僕らが一番欲しい機能がしっかり揃っていたんです。
ToDo管理、ガントチャート、日本語対応、それから割り込みタスクをガントチャートに入れていくとスケジュールが全部ずれていく機能とか。
ベーシックな機能ですけども、サブタスクが切れるのも大きかったです。システム開発の場合、開発自体が長いのでサブタスクに細かい部分をどんどん落とし込んでいかないと回らないので。
当時、ToDoとガントチャートが綺麗にリンクしている管理ツールって全然なかったんですよ。ただうちはすべてプロジェクト制で物事を動かすので、その機能がまさに必要でした。
▼「Wrike」のガントチャートのイメージ
プロジェクトの進め方は、まず必ずオーナー、つまり責任者を決めます。その上で期限、ゴール、予算、メンバーを決めて、大きくスケジュールを引いてガントチャートにして、更に細かいToDoリストに落としていきます。
プロジェクト関連のToDoはWrikeに集約させて、もっと細かくてプロジェクト化していない日常の「発送しました」のようなToDoに関してはチャットツールのSlackとGoogle Apps Scriptを組み合わせたシステムを開発して、そちらで管理しています。
使いやすいUIと、進捗管理機能も◎
最初は一応僕が使い方をメンバーにインストラクションしたんですが、けっこう直感的に操作できるので難しくないんですよね。
ガントチャートなんて特に良くできていて、エクセルで一生懸命やっているよりは全然楽です。「こうやってシフト押しながらやると、登録できて」とか、「ToDoは、シフト押して、足すだけ」とか。違和感なく使っています。
進捗管理もできます。遅れているタスクを一覧で見られて、まずいものは赤くなったり。
我々はこれはやっていないんですが、1日単位で細かく進捗管理できます。弊社の場合は業務を振る時に1つひとつ納期も確認をするので、そこまで細かく管理はしていないんですが。ToDoをダーッと出して、Wrikeにどんどん書き込んで、それで回っているんですよね(笑)。
細かい日常のタスクを気軽に紐づけできるとより完璧
今後の期待としては、例えばTrelloでできるような軽めのタスク管理もWrikeでできたらな、と思います。
例えば調査結果で「500円でした」というような日常の報告関連はSlackでしているんですが、Slackだと会話なので上に流れていって見えなくなってしまう。一応URLを貯めていけるんですけど、毎回保存するのも手間ですし。
今のWrikeにも一応そういう機能はありますが、ちょっと使いにくくて、いちいちタスク詳細を開かないといけないのでほぼ編集するのと同じなんですよ。UI的にあんまりイケてないなって。
もっと吹き出しのような形で、ピッと出てきてサッと書けてコミュニケーションボードのように使える。その機能があったらもう、より完璧になりますね!