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8社の「カジュアル面談」運用ノウハウを大公開!認知拡大に効く、求職者との接点の作り方
近年、採用選考の前に求職者と社員がカジュアルに対話をする「カジュアル面談」は、採用手法のひとつとしてすっかり定着してきました。
「いますぐ転職したい」顕在層のみならず、「なんとなく転職を考えている」潜在層も含めて、多くの人が気軽に様々な企業と接点を持てるようになりましたね。
▼2021年にはカジュアル面談プラットフォーム「Meety(ミーティ)」も急成長
すでに導入している企業も多いカジュアル面談ですが、その運用法は各社様々です。そこで今回は、求職者との「カジュアルな接点」づくりに成功している8社の事例をご紹介します。
カジュアル面談に至る「前」の接点構築の施策や、各種プラットフォームの運用ノウハウ、面談「後」のタレントプール構築術まで、幅広いお取り組みをお届けします。
自社にも役立つ取り組みがきっと見つかると思いますので、ぜひ最後までご覧くださいませ。
<今回ご紹介する8社の事例>
- 音声コンテンツ&オープンオフィスで継続的な接点を構築 / 10X
- カジュアル面談よりカジュアルな接点を「ラジオ」で / ROUTE06
- 各自が自主的に「Meety」を活用し、ノウハウを共有 / メルカリ
- 全社員が「採用当事者」としてカジュアル面談を獲得 / Ubie
- 選考への意向は80%!1年半で社員数9名→44名に / クラダシ
- CTO個人でカジュアル面談のPDCAを回し続ける / NoSchool
- 候補者との心理的距離を近づける「Personal Book」 / ポテンシャライト
- カジュアル面談でタレントプールを作り、Notionで運用 / mikan
実はその手法は様々。「カジュアル面談」についておさらいしよう
本記事をお読みの方々は、実際にカジュアル面談に参加されたことがある方も多いのではないでしょうか。
カジュアル面談とは、一般的に「採用選考の前に求職者と社員がカジュアルに対話をして、お互いが知りたい情報を交換する機会」のことを指します。
企業が求職者に対して一方的に質問をする「面接」とは異なり、あくまでも双方向的に、フラットに話をすることが特徴です。
その目的としてはやはり採用が主となりますが、他にも「ピュアに繋がりを増やす」「特定のテーマについて話して見識を深める」といったことを目的に実施されるものも増えています。
「求職者と企業がカジュアルに接点を持つ」という点に着目すると、いわゆる「1対1の面談」以外にも、下記のような手法が広まっています。
- 1対1の面談(一般的なカジュアル面談のイメージ)
- 1対Nのグループ面談(※参考:グループでカジュアル面談とは?)
- ミートアップ(共通の目的を持った人たちで集まる交流会型のイベント)
- オンラインセミナー(説明会の形式で、自社に興味のある人を集めるイベント)
そこで今回の記事では、採用目的の1対1のカジュアル面談に限らず、自社の認知を高めて求職者とのカジュアルな接点を構築するための取り組みについて、幅広く事例をお届けいたします。
音声コンテンツ&オープンオフィスで継続的な接点を構築 / 10X
「10x ≒ 非連続な価値の社会実装」を目指し、スーパーやドラッグストアなどの小売チェーンストア向けECプラットフォーム「Stailer」を展開する株式会社10X(テンエックス)。
同社の採用活動においては、ミッション・バリューに共感した方に選考応募をいただくため、普段から情報発信を行って「認知」をつくり、興味を持っていただいた方と「接点」をつくる、というサイクルを構築しているそうです。
具体的には、プレスリリースやブログ、Podcast、社員のSNSなどでの発信を行い、オンラインイベントやカジュアル面談、Newsletterなどで接点を持つ、という設計です。
▼同社採用ページには各種施策への応募リンクを記載
1対1のカジュアル面談のみならず、そこに至る「前」段階の施策にも力を入れている10X。その中でまず特徴的なのは、Podcast(音声コンテンツ)の運用です。
▼10X代表の矢本 真丈さん(@yamotty3)は個人でPodcastを運用
テキストのみでは伝わりづらい温度感が伝わると好評で、「どんな人と一緒に働くのか」が明確になったことで、応募に繋がるケースもあったそうです。
また、新メンバー向けのオンボーディングの一貫として、入社1ヶ月後には矢本さんとの対談Podcastを収録。入社動機や仕事の紹介などが良いコンテンツになり、社員も聞くことで社内向けの自己紹介にもなっているそう。
さらに、情報発信後の「接点」づくりにおけるユニークな施策のひとつとして、毎月開催している「オープンオフィス」イベントがあります。
▼直近では、2021年10月に取締役CCOに就任された中澤 理香さん(@r1ccha)も登場
具体的なコンテンツは、その時々のニュースやテーマに合わせたQ&Aセッションやパネルディスカッションなど。毎月オープンオフィスを開催することにより、10Xに興味を持ってくれた人に対して「常に次のイベントがある状態」をつくっているそうです。
実際の参加者のうち、その時点で「応募を検討中」の方は4割ほど。しかし2020年10月から継続運用を行ってきたことで、現在ではオーガニックの採用応募のうち、4割がオープンオフィス経由なのだそうです(※取材時)。
実際にオープンオフィスへの参加をきっかけに入社された方からは、以下のような声があったといいます。
資金調達のプレスリリースを見て、軽い気持ちで参加してみた。当時は全く転職のつもりはなかったが、その後のカジュアル面談をきっかけにどんどん次の社員を紹介され、結果選考→入社することになった。
10Xは元々知っていて興味はあったが、強そうなメンツ多いし縁遠いだろうなと思いつつオープンオフィスに参加。そこでポジティブな印象を持ち、選考に応募→入社することに。
▶10Xの音声コンテンツやオープンオフィスの詳細は、こちらからご覧いただけます。
カジュアル面談よりカジュアルな接点を「ラジオ」で / ROUTE06
続いて、面談に至る「前」の気軽な接点構築に取り組んでいる事例をもう1社ご紹介します。
「リアルとデジタルが滑らかにつながる社会をつくる」というミッションを掲げ、2020年1月に設立された株式会社ROUTE06(ルートシックス)です。
デジタルプロダクト開発、DXコンサルティング、エンタープライズソフトウェアサービスなどを提供する同社でも、2020年6月頃からオンライン会議ツールを利用してのカジュアル面談の運用をスタートしました。
その中で、「カジュアル面談に応募することは少しハードルが高いけれど、どんな会社か気になっている」という人にもっと気軽にROUTE06を知って欲しいという思いからスタートしたのが「ルートシックスラジオ」です。
▼2021年7月から継続的に運用しているルートシックスラジオ
「カジュアル面談よりももっとカジュアルにROUTE06のことを知ってもらう機会」として、隔週金曜日のランチタイムの30分間(12:10〜12:40)に、Zoomのウェビナー形式で実施。前半は会社説明をメインに、後半はROUTE06に関する雑談を配信しています。
継続的に運用ができるようシンプルな構成になっていますが、プレスリリースや社内の話題、ゲスト参加した社員の近況など、その時々で旬の話題を織り交ぜながら、ラジオとしても楽しんでいただけるように工夫されていて、同じ方が複数回試聴されることもあるそうです。
主な視聴者は、カジュアル面談前・選考応募前に「どんな会社か知りたい、雰囲気を感じたい」という方。しかし意外なことに、過去にカジュアル面談に参加された人や、社内メンバーも多く視聴しているのだそうです。
継続的な発信を行うことで、過去に接点を持った候補者との関係性の継続や、社内のエンゲージメント向上にもつながる取り組みとなっています。
この1年で9名が新たに入社し、社員数も22名となった(※取材時)同社の今後の成長も見逃せませんね。
▶ルートシックスラジオを聞いてみたい方は、こちらから申し込みが可能です。
各自が自主的に「Meety」を活用し、ノウハウを共有 / メルカリ
ここからは、各社のカジュアル面談の運用術をご紹介していきます。
株式会社メルカリでは、採用および採用前段階において、「候補者の方に選考に進むかどうかの情報を得てもらう場」として、以前よりカジュアル面談を実施してきました。
加えて、従来から社員が積極的にリファラル活動を行う文化が根付いていたこともあり、2021年夏頃から、複数のメンバーが同時多発的にカジュアル面談プラットフォーム「Meety」の活用をスタート。
これは人事等がリードしたわけではなく、あくまでも各個人がカジュアル面談を行い、リファラル採用につなげる…という目的をもって行われた動きだそう。そして社内のSlackに専用チャンネルが作られ、ノウハウが自然に共有されるようになっていったそうです。
▼メルカリの採用サイトでも、Meetyの募集ページが掲載されている
同社でエンジニアリングマネージャーを務める後藤 秀宣さん(@hidenorigoto)も、個人でMeetyを活用されている一人。これまでに、ご自身が設定された面談を11回実施しただけではなく、応募者としても16回の面談に参加してきました。
▼後藤さんのMeetyの募集ページ
後藤さんが面談の募集者として行っている個人的な工夫は、入社後に取り組んでいただきたい問題がなぜ起きているのか、その経緯や過去の意思決定を具体的に話すこと。また、選考へ進むことを希望される方には、必要に応じて職務経歴書のレビューなども行っているそうです。
また後藤さんは、「個人的にカジュアル面談は、応募するのが面白い」といいます。
メルカリとは異なるフェーズやサイズ、事業ドメインで働く人と話をすることで、自分が自社で実践し獲得してきた知見を磨くことができるそうです。「面白い面談を見つけたら、その瞬間が応募するベストタイミング」と捉え、一期一会の機会を逃さないように心がけているといいます。
Meetyを使うことで、応募者にとってカジュアル面談が「よりカジュアル」になります。また募集側が「カジュアルです」と強調しなくても、プラットフォームとしてそれが示されていることが、積極的な活用につながっているそうです。
▶後藤さんとカジュアル面談されたい方は、こちらから応募が可能です。
全社員が「採用当事者」としてカジュアル面談を獲得 / Ubie
「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げて2017年に創業し、累計調達額44.8億円を達成するなど急成長を続けるUbie株式会社。
Ubieでは創業期から、全社員で継続的にカジュアル面談を行ってきました。結果的に同社のプロダクト・事業開発を担う組織であるUbie Discoveryに所属する130名のうち、90%以上はカジュアル面談を経由して入社しています。
その運用目的は、①「転職意欲、Ubieへの興味はあるが、応募までは至らない」という候補者に接触すること(短期) ②候補者にUbieの印象を持ってもらい、転職意欲が高まった際に第一想起に入ること(中長期)です。
Ubie Discoveryの組織づくりの最大の特徴は、「専任の採用人事を置いていない」こと。そのため、全員が採用当事者となり、リファラルや媒体を通じたスカウトやカジュアル面談の獲得、さらにはその質を向上させる施策までを主体的に行っているそうです。具体的には、
- 誰でも会社を代表してカジュアル面談ができるよう、ドキュメントやオンボーディングを通じてナレッジを共有
- エンジニアの発案により「Ubie Eats制度」を実施。候補者と社員にUber Eatsのチケットを贈り、リモートでの食費を補助することで、声掛けのハードルを下げる
- 全社員が集まる機会に、MeetyやYOUTRUST、LinkedInなどツール関連の知見を共有する時間を設けたり、同期的にカジュアル面談のお誘いを送る時間を設ける
▼社内ドキュメントの一例
中でも2021年夏頃から活用をスタートしたMeetyでは、現在は150程度のカジュアル面談を公開中。ひとつの募集作成のコストが低く、またSNSから応募につなげるコンバージョンとして相性が良いことから、積極的に推進しているといいます。
実際にMeetyを通じて、SRE、機械学習エンジニア、パブリック・アフェアーズ、プロダクトマネージャーなど、採用が特に難しいポジションでの採用が決定しているそうです。
Meetyを活用することで、候補者が興味のあるテーマに詳しい人と直接マッチングできるため、従来と比較して1回のカジュアル面談あたりの企業・候補者双方のリターンが大きくなっているといいます。
▶Ubie Discoveryで働くことに興味をお持ちの方は、ぜひ採用サイトをご覧ください。
選考への意向は80%!1年半で社員数9名→44名に / クラダシ
賞味期限内にもかかわらず何らかの理由で廃棄されるはずだった商品の再流通を行うことで、食品ロスの削減を目指す社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」を運営する株式会社クラダシ。
同社では人事広報部長の徳山 耕平さん(@tokuyamountain)が入社した2020年7月のタイミングから、主に経営陣が担当する形でカジュアル面談の運用をスタート。組織として採用を一気に加速していくにあたり、会社の認知度にまだ課題があったことから、カジュアル面談を前提とした採用フローを組んだそうです。
そして2021年秋からは関わるメンバーをさらに増やし、現在は非人事メンバー10名強を含む全社員の4割ほどがカジュアル面談に参加しています。
その運用起点となっているのはビジネスSNS「Wantedly」で、現在は月に100件ほどの応募を獲得しているそう。メディアの特性を活かす形でコンスタントにコンテンツを増やしていくことで、地道に応募数を増やしていったといいます。
▼同社のWantedlyページでは、社員のインタビュー記事等のコンテンツも充実
また、人事以外のメンバーも面談を担当することがあるため、社内で事前研修を実施。
面談の進め方や回答例を事前アンケートとしてテスト形式で実施したり、研修内では採用の目的や外部環境の説明に加えて、「まずこちらが話す、質問をしやすい空気を作る、ネクストステップを明確化する」といった具体的なtipsを共有するなど、再現性を保つための工夫をしています。
▼実際に行っているアンケート形式のテストの一部
▼面談を担当する社内メンバー向けの研修で使っている資料の一部
こうした取り組みを続けた結果、カジュアル面談の参加者の選考応募への意向率は80%と高水準に。1年半で社員数が9名から44名になり、直近でも、2021年10月〜の5ヶ月間で14名の入社(予定者含む)を獲得するなど、急成長を続けています。
▶クラダシのカジュアル面談に参加されたい方は、こちらから応募が可能です。
CTO個人でカジュアル面談のPDCAを回し続ける / NoSchool
「オンライン家庭教師マナリンク」を運営する株式会社NoSchoolは、正社員かつフルタイムのエンジニアがCTOである齊藤 裕介さん(@Meijin_garden)1名というスタートアップです(※取材時)。
同社はオンライン教育という事業ドメインには相応の開発リソースが必要という背景もあり、エンジニア採用を喫緊の課題として、齊藤さん自身が2021年9月頃からカジュアル面談の運用をスタート。
これまでに、Meety経由で30人〜、Twitter DM経由で10人〜、加えてオフィス来訪での実施も数件というカジュアル面談の実施実績があります。
カジュアル面談に注力する背景としては、以下のような理由があるそうです。
- 【共感度◎】事業ドメインが教育のため、候補者の共感が比較的得やすい
- 【認知◯】CTOを中心に2021年からZenn上でテックブログを始め、多くのPV数やLike数を獲得している。またCTO個人のTwitterはフォロワー数が3,000以上、2021年だけで500人以上をオンラインイベントで動員するなど認知は比較的取れている状態
- 【ハードル△】スタートアップの中でも限りなく小規模のため、企業・候補者ともに簡単に決断できない
- 【予算✕】媒体やエージェントに高額の手数料をお支払いする予算がない
とくに最もカジュアル面談を実施できているMeetyにおいては、「ネタ」という単位で募集が複数作れることを活用。方向性の異なる複数のアプローチを作ることで、応募者の心理的なハードルを下げる工夫をしています。
▼「会社説明系」「ノウハウ共有系」「座談会系」「お遊び系」など多様な方向性
また運用のコツとしては、
- サムネイル画像は自分の写真ではなく、適切なイメージ画像を用いて作成
- 募集主の具体的なキャリアや、話題の内容について記載する
- ネタの本文は、フリーワード検索機能を意識して書き込む
- 自分や自社の応募には統一したハッシュタグをつけて検索を容易にする
- 作成したら定期的にTwitterでも発信し、Meety自体への応募数を増やす努力をする
といった工夫をしているそうです。
その結果として、採用効果のみならず「将棋指しましょう」というカジュアル面談をきっかけにオンライン将棋コミュニティを立ち上げたり、Webフロントエンド技術に関してお話した方とオンライン技術イベントを開催し100人程度を集客したり、といった成果があがっているそうです。
齊藤さんは、「エンジニア採用市場の前提として、媒体に掲載して待つ人は減っており、リファラルやダイレクトリクルーティングで直接話して転職することが増えている」といいます。
▶齊藤さんとカジュアル面談されたい方は、こちらから応募が可能です。
候補者との心理的距離を近づける「Personal Book」 / ポテンシャライト
ベンチャー企業の採用ブランディング・人事採用支援を展開する株式会社ポテンシャライトでは、代表の山根 一城さん(@yamanekazuki73)を中心に、2019年からWantedlyを活用したカジュアル面談を促進してきました。
その中で生まれた課題感のひとつが、「応募者側の心理的安全性を十分に担保できているか?」というもの。
社員のキャリアや転職理由を知ってもらうためのインタビューコンテンツ等は充実していた一方で、その人と「マッチするか」「相性が良いか」を判断するには、よりパーソナルな情報も必要なのでは、という思いが生まれたといいます。
とは言え、応募者の方にパーソナルな部分をいきなり話してもらうことは難しい。そこで、スタートしたのが、「Personal Book」の取り組みです。
Personal Bookとは、「社員のパーソナル(性格/趣味/嗜好)な情報を集約したドキュメント」のこと。同社の「Member Deck(働くメンバーの個性や人となり、入社理由などを集約したDeck)」に内包される形で、ポテンシャライトについて知ってもらうためのひとつのコンテンツとして展開されています。
▼社員のPersonal Bookが並ぶMember Deck
▼Personal Bookの一例(※一部を抜粋)
面談を担当する社員のPersonal Bookをカジュアル面談や面接の前に案内しておくことで、互いの共通点が見つけやすくなり、気軽に質問をしてもらえるケースが増えたそう。
実際にカジュアル面談に参加された方からは、
社員インタビュー等の真面目な採用広報より、メンバーのパーソナルな内容を理解できるため、会社にどのような人がいてどのような雰囲気なのかを事前にイメージすることができた。
普通に会話をしているだけでは知ることができないメンバーのギャップを感じることができて、より親近感が湧いた。
といった声があがっているそうです。採用数も順調に伸び、直近1年では従業員ベースで25名→50名と2倍の規模に成長しました。(※取材時)
▶ポテンシャライトのカジュアル面談に参加されたい方は、こちらから応募が可能です。
カジュアル面談でタレントプールを作り、Notionで運用 / mikan
2019年に創業(※分社による独立)し、ダウンロード数600万(※2021年12月時点)を突破した英単語アプリ「mikan」を展開する株式会社mikan。現在はアルバイトや契約社員、副業も含めると40名以上のチームで、プロダクトを成長させています。
同社の採用経路はスカウトをメインにリファラル、自主応募などですが、最初のタッチポイントを持った後、まずはできるだけカジュアル面談を実施した上で、選考をスタートしています。
カジュアル面談を起点としてタレントプールを拡大することで、採用のトップファネルを拡大することを意識しているそう。主担当者である取締役の溝口 慎也さん(@3izorin)は、毎月40人ほどの方にお会いしているといいます。
さらにmikanでは、Notionを用いて自作のタレントデータベースを作成。カジュアル面談参加者の情報をまとめるだけではなく、その場で選考に進まなくてもまた適切なタイミングで声がけができるよう、「ネクスト実施日(※次のアクションを行う日)」も設定しています。
▼Notionを活用した自作タレントデータベース(※イメージ図です)
▼「ネクスト実施日」に必ずアクションがとれるようにSlackでもリマインド
こちらのデータベースには、これまでカジュアル面談を実施した方に加えて、社員からのリファラルによって紹介された方も追加しています。
しかし、リファラルについては無理に紹介をするのではなく、「自身が何回も連絡したいと思える人であること」を前提にしています。するとリマインドが「強制力を持つ」ものではなくなり、気持ちよく取り組めるようになるといいます。
実際に面談後の次アクションをしっかり行うことで、過去には、カジュアル面談から1ヶ月後に選考に進んだり、数回の声がけを経て面談から9ヶ月後に内定になったケースもあるそうです。
また面談の場においては、候補者一人ひとりの話を傾聴し、「その人にとって一番いい選択肢を一緒に考える」というスタンスで取り組んでいるそう。
カジュアル面談の段階から「その人のやりたいこと」を深堀り、具体度高く話すことで、その後の選考プロセスに進んだ際のCX(候補者体験)の設計にも役立っているといいます。
▶mikanのカジュアル面談に参加されたい方は、こちらの各メンバーのSNSからお気軽にどうぞ。
最後に
いかがでしたでしょうか? ひと言で「カジュアル面談」と言っても、各社が様々な工夫を凝らして運用をしていることが伝わりましたね。
採用市場においては、引き続き人材獲得のための激戦が続くと予想されます。こちらの記事が、各社様が自社に合った採用プロセスを構築する上で少しでもお役に立てますと幸いです。(了)