- コラボレーター
- 加藤 章太朗
DAU300万人超「Slack」のマーケティングを支える「戦略」と「NPSツール」とは
2014年2月にリリースされ、今やDAU(デイリーアクティブユーザー)が300万人を超え、有料化金ユーザーが93万人と言われているビジネス・コミュニケーションツール「Slack」。時価総額はすでに38億ドルとも言われている。今回はSlackのマーケティング戦略、そしてマーケティングに活用しているNPSツールについて紹介します。
Slackのマーケティング戦略の鍵は口コミによる自然成長
Slackは2014年にリリースされ、約2年半で驚異的な成長をしてきました。クラウドツールにも関わらず課金ユーザーの比率が高いところも特徴だと思います。
▼Slackの成長率
※TechCrunchより引用
この成長を支えたマーケティング戦略はシンプルで、「口コミによる自然成長」にフォーカスすることだそうです。
口コミに関して、SlackのCMO(マーケティング最高責任者)が下記のように語っています。
我々は常に口コミによる自然成長を望んでいます。そして、広告、コンテンツマーケティング、CMなどによって、口コミをどう強化できるかを考えています。
※campaignより引用。
つまり、CMを打つ目的も口コミを増やすことです。下記は、Slackが打ったCMですが、動物がSlackを使っているストーリー。B2Bのツールにしてはとてもコミカルで可愛らしいですね。思わず他の人に話したくなるような口コミを誘発するCMだと思います。
▼SlackのTVCM
マーケティングの最重要指標はNPS
このように、口コミを最重視しているため、マーケティングで追っている指標はNPS(ネットプロモータースコア)です。NPSとは、製品やサービスを他の人にお勧めしたいかどうかを数値化した指標で、AppleやAmazonといった世界の巨大企業も取り入れています。
▼NPSに関する記事はこちら
Apple、Amazon、世界的企業が導入する指標NPS。無料、5分でNPSを測定する方法とは
開発優先順位づけにも使える たった一つの質問で顧客ロイヤリティを数値化するNPS®とは?【連載/第5回】
NPSを上昇させるために、Slackは顧客との対話をとにかく大切にします。「顧客との対話をもとに製品を改善することで、ユーザーが他の人に勧めたくなる製品になり、口コミが広がる」という考え方が根付いているようです。
例えば、Slackはリリース前に15,000人限定でプレビュー版(β版のようなもの)を提供し、顧客と対話しながら徹底的に製品を改善していました。
また、Slackには簡単にフィードバックできる機能がついています。チャット欄に「/feedback」を打ってから質問をするだけなので、ものすごくカンタンです。自分たちのチームで質問をした際は、1時間半くらいで返ってきました!
▼チャット欄に「/feedback」を打つ
▼すぐに返答が返ってくる
ここまでをまとめると、Slackのユーザーが増えている秘密は下記1〜3の繰り返しです。
- NPSという指標を追う
- 人に勧めたくなるサービスにすべく、顧客と対話をし、サービス改善をする
- 口コミによってユーザーが自然増加する
Slackが使うNPS計測ツールDelighted
では、そのようなSlackがNPSの計測や顧客との対話に使っているDelightedというツールを見ていきましょう。
Delightedは、プロダクトへの顧客フィードバックを簡単に集められるツールです。NPSのフォーマットで設計されているので、誰でも簡単にNPSを始めることができます。
主な機能は下記です。
- NPSを簡単に計測できる。
- 顧客250人分のフィードバック獲得までは無料で使える。
- 顧客のEメールアドレスにNPSアンケートを送れる。
- 自分たちのWebサイトやアプリに顧客が訪れた際にNPSアンケートを表示できる。
- パソコン、モバイル、タブレット、などどのようなフォーマットでも使える。
- NPSアンケートの見た目は、プログラミングなしで自由に変えることができる。
- 同じユーザーにへの重複調査を避けられる。
- 調査結果をExcel、CSVにインポートできる。
NPSを簡単に計測できる
Delightedは、プログラミングなしで簡単にNPSの計測ができます。250人分のフィードバック獲得までは無料で使えるので気軽に試してみましょう。サービスにログインして、「Japanese」を押すと自動的にNPSが作成されます。
▼日本語にも対応しており、自動的にNPSが作成される
▼モバイル用も自動的に作成される
作成したNPSを送信します。送信したいメールアドレスを記入するか、顧客のメールアドレスが記入されたCSVやExcelをアップロードします。
▼メールアドレスを入力し、NPSを送信
ユーザーのメールアドレスにNPS調査が届きます。
▼NPS調査が届く
メールを開くとすぐにNPSのスコアを回答できます。
▼NPS回答画面
スコアをクリックすると、画面が遷移するので、そこでスコアの理由を入力します。
▼点数をつけた理由を入力
メールアドレスに送る使い方以外に、自分たちのWebサイトやアプリに埋め込んで、顧客が訪れた際にNPSフォームを出すこともできます。もちろん、パソコン、モバイル、タブレット、すべてに対応してます。
NPSに関する便利機能がいろいろ!
NPSアンケートの見た目は、カスタマイズ可能です。ロゴをアップロードしたり文字の色を変えましょう。
▼NPSカスタマイズ
また、NPSの結果は管理画面で直感的に把握できます。時系列・リアルタイムでNPSの結果を見ることができ、スコアごとに分類分けすることもできます。
▼時系列にNPSの結果を見ることができる
なお、このような調査では、1人のユーザーに重複して同じ調査を送ってしまう事態が恐いですが、Delightedには重複調査を避ける機能がついているので、1人に複数の調査を送ってしまうことはありません。
まずは顧客と話そう。サービスを改善しよう。
NPSはまだまだ日本には広がっていませんが、アメリカの企業はかなり取り入れています。有料広告を打ちユーザーが増えても、それはまやかしかもしれません。
「まずは顧客と話す。そしてサービスを徹底的に改善し、口コミからの自然成長にフォーカスする」というSlackのマーケティングからは学ぶところは沢山あります。是非試してみてください!