• 株式会社ジャックアンドビーンズ
  • 代表取締役
  • 渡井 基之

「明らかに社内が明るくなった」IT版サンキューカードを送り合える社内SNSとは

今回のソリューション:【CIMOS(シーモス)】

〜社内SNS「CIMOS」を活用して、減点主義の文化を加点主義に変えただけでなく、定量的な評価制度の構築にも活用している事例〜

「子どもたちって褒めると調子にのって頑張るんですよ。会社員だって同じ人間だと思うので、やはり『褒める』空気を作っていきたいと思っていたんですよね」 そう語るのは、リスティング広告の運用支援を主に行う、2009年創業の株式会社ジャックアンドビーンズ代表の渡井 基之さんだ。

同社では、お互いにバッジを送って感謝を伝えることができる、社内SNS「CIMOS(シーモス)」を導入し、減点主義になりがちだった社内文化を加点主義に変えることに成功したという。またそのバッジの送受信数を、定量的な人事評価にも活用することができているそうだ。

仕事をしていると、自分の案件に集中しがちで、他のメンバーを褒めたり感謝することを忘れがちなもの。それを支援するITツールとは、どのようなものなのだろうか。渡井さんに、導入から運用の工夫までを伺った。

不動産、Jリーグ、マーケ支援⇒ジャックアンドビーンズを創業

新卒で不動産会社に入りまして、その後、当時のお客様でもあったJリーグ選手協会に縁あって転職し、サッカーの普及や選手の契約関係の仕事を6年ほど務めました。再び人のご縁からその次はイノベーションというマーケティング会社に転職し、テレマーケティングやDM、ネット広告の営業を担当から役員まで経験し、その後学生時代から創業を志していたということもあり、2009年にジャックアンドビーンズを創業しました。

大人も子供も一緒 褒める文化を作っていきたかった

現在、弊社は23名の従業員で、主に企業様のWEBマーケティングを行なっております。創業してから現在まで、多くの課題にぶつかってきました。その中でも組織のコミュニケーションに関して言えば、お互いに「褒める」文化が少なかったのです。一緒に働いていて「ありがとう」とは言うのですが、それ以上のコミュニケーションが生まれにくい感じで。

前職では「サンキューカード」という、お互いに感謝を伝える制度がありました。でも弊社ではそういった仕組みはなかったので、どうしてもミスばかり目についていたというか。私はプライベートで、小中学生のサッカーのコーチを10年間しているのですが、子どもたちって褒めると調子にのって頑張るんですよ。会社員だって同じ人間だと思うので、やはり「褒める」空気を作っていきたいと思っていたんですよね。

楽しみながら気軽に褒め合える社内SNS「CIMOS」を導入

そこで、弊社では2012年に社内SNS「CIMOS」を導入しました。CIMOSでは、日々仕事をしていて良い働きをしている人や、感謝を伝えたい人に対してシステム上で「バッジ」を送ることができます。これまで、多い時では社内で月間1,400個ものバッジの受け渡しがありました。

導入の決め手となったのは、UIが分かりやすく、気軽に遊び感覚で使える点です。ツール、と聞いて連想するような難しい感じがなく、楽しみながら使えるのが大きいですね。サンキューカードをITツールで送れるようになるイメージなので、これは面白いと思ってすぐ導入しました。

行動指針をバッジに 各自の実績を把握して課題設定にも活用

弊社では、大切にしている10の行動指針があります。これら1つひとつを10個の「バリューバッジ」にして、当てはまる行動をとった人に送ることができるようにしています。例えば「情熱と強い意志」という行動指針があるのですが、情熱バッジを10個とったら、修造メダルがもらえる、という風に遊び心を取り入れて運用していますね。

▼「バリューバッジ」の例

また、「遊びバッジ」も作っていて、サンクスバッジ、ナイスフォローバッジ、デンジャラスバッジ、面白バッジなど10パターンあります。例えば純粋に「ありがとう」と感謝を伝えたいだけのときにサンクスバッジを使うなど、「バリューバッジ」と使い分けています。CIMOSはオンプレミス型のプロダクトなので、弊社の希望に合わせて提供元のシンクスマイルさんに作っていただきました。

実際の運用では2つ工夫していて、まず月ごとに重視するバリューバッジを決め、全社でその行動指針を強化することにつなげています。もう1つは、各メンバーが送受信しているバッジの個数が把握できる機能を、各自の課題設定に使用しています。1人ひとりとの課題面談で、「君はこのバッジをこれからもっと取ろう」といった感じで、課題の洗い出しと目標設定に活かしていますね。

▼バッジの獲得ランキングも分かる

マネジメント層の評価や、社内の表彰制度にも活用

バッジの実績は、評価にも活用しています。例えば、お客さまへの提案資料作成や入稿作業といった実務を主に行う、オペレーターと呼ばれるメンバーであれば「スピードバッジを年間◯◯個以上もらいましょう」という感じで。職種やポジション、経験に応じて、獲得目標にするバッジの種類と個数を設定しています。

ちなみに弊社では、社員1人ひとりの役職がレベル別になっているのですが、ある一定よりも上のマネジメント層については、「バッジを送った個数」も評価基準をクリアする上での指標の1つにしています。きちんと部下を見ているのかどうか、把握することに役立てているんです。

また、CIMOSは社内の表彰制度の充実にもつながっています。以前は半期に一度のMVPしか表彰の場がなかったのですが、今では月に一度、CIMOSのバッジ獲得・送付実績の表彰も行うようになりました。表彰の際には、みんなが「やっぱりー!」と盛り上がったり、「ええー!?」と驚いたり、楽しみながら参加できているのがいいなと感じています。

明らかに社内が明るくなり、加点主義の組織ができた

CIMOSの活用で、明らかに社内が明るくなったと思います。「ありがとう」という言葉を面と向かって言えなくても、バッジと活字で伝えられることで思いやりが伝わって、どんどん社内がいい雰囲気に変わっていきました。以前はミスばかりが目立ちがちだったのに対して、メンバーのいいところを評価する加点主義の文化ができてきていると思います。

今では、私がお菓子を会社に買って帰ったりするだけでも「チーム精神」のバッジを社員がくれたりするんですよ。お菓子を持って帰る度に「バッジはいらんぞ!」と言っている位です(笑)。

また、CIMOS内には「明るい社内報」という機能があり、誰がどんなバッジを、どんなコメントをつけて送ったかが全部見られるようになっています。私もこれを見ると、気持ちがおおらかになるんですよね。

▼「明るい社内報」

IT企業にオススメ! 今後は外部からの評価も可能にしたい

一部の飲食店やホテルなどでは、社内でサンキューカードを紙で渡している企業もありますが、それも素晴らしいことだと思います。ただ、IT業界の場合はPCに向かっている時間が長いのと、若者が職場に多いと思うんですよね。皆スマホを持ってますし。そのような環境であれば、CIMOSはスマホでも送受信ができる分、IT企業で受け入れられやすいのではと思います。

今後は、CIMOSの実績をもっと評価に連動させていきたいのと、社外の人達からも評価が受けられる体制を作っていきたいです。会社ホームページにリンクを貼って、Facebook経由で社外の人から社員にバッジを送るように設定することもできるんですよ。今後もCIMOSを活用して、社内のコミュニケーションを良くしていきたいと思います。

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