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ChatGPT超えなのに無料! Mistral AI社の「Le Chat」はAIアシスタント界の革命児
フランスの生成AIスタートアップMistral AI社が開発した「Le Chat(ル チャット)」が、ChatGPTやClaudeを超える可能性がある、と大きな話題になっています。
2024年11月19日、同社は新しい大規模言語モデル(LLM)「Pixtral Large」とアップデート版「Mistral Large」の発表とともに、同社のチャットボットであるLe Chatに多くの新機能を追加しました。現時点で、Le Chatでできることを簡単にまとめると以下の通りです。
- 日本語対応:日本語での入出力に対応している
- マルチモーダル入力:テキストだけでなく、画像やPDFでの入力にも対応している
- Web検索機能:Web検索によって最新の情報を得られる
- Canvas機能:文書やコードなどを、対話型AIと一緒に制作できる
- 大容量データ処理:大きなサイズのPDF、画像、グラフ等の解析と要約が可能
- 画像生成:Black Forest LabsのFlux Proモデルによる、高度な画像生成が可能
このように非常に多機能なLe Chatが、なんと現時点では無料で利用できます!
本記事では、そんな「ChatGPT超え」の可能性を秘めるLe Chatについて、その機能や使い方をまとめてお届けします。
<目次>
- Le Chatの開発会社である「Mistral AI」とは?
- 実際にLe Chatを使ってみよう!始め方、基本的な使い方
- Web検索も画像生成もできる!Le Chatの機能をご紹介
Le Chatの開発会社である「Mistral AI」とは?
Mistral AI社は、2023年に設立されたフランスのAIスタートアップです。Google DeepMindやMeta (旧Facebook)出身の3名の研究者によって設立され、設立からわずか3カ月で1億1300万ドルを調達しています。
同社はオープンソースの理念を掲げながら、商用モデルを含む高性能な大規模言語モデル(LLM)の開発に取り組んでいます。その主要モデルは以下の通りです。
- Mistral 7B: オープンソースの軽量モデル
- Mixtral 8x7B: 高性能なオープンソースモデル
- Mistral Small/Large: 商用モデル
上記に加えて、無料のベータ版チャットボットとして、本記事で取り上げるLe Chatを展開しています。
Le Chatには、Mistral AIの最新LLMであるPixtral Largeが搭載されており、性能面ではChatGPT4oやClaude 3.5 Sonnetに匹敵するとも言われています。
特に画像や文書の理解において、MathVista、DocVQA、VQAv2などのベンチマークで、GPT-4やGemini-1.5 Proを上回る性能を達成しているといいます。
▼同社が発表した性能比較
実際にLe Chatを使ってみよう!始め方、基本的な使い方
では、早速Le Chatを使ってみましょう。始め方は非常にシンプルです!
- 公式サイトにアクセスする
- GoogleアカウントかMicrosoftアカウントを使う、もしくはメールアドレスとパスワードを設定して登録
- 利用規約などに同意する
- チャット画面で質問や指示を入力し、AIと対話を始める
ChatGPTなどの対話型AIと似たような、馴染みのあるUIです。コメントボックスに質問をすると、対話型で返答してくれます。ここからは、Le Chatのすごい機能について説明していきます。
Web検索も画像生成もできる!Le Chatの機能をご紹介
Le Chatには2024年11月に大幅なアップデートが行われ、さまざまな新機能が追加されました。すべて無料なのがすごすぎるのですが、ひとつずつご紹介していきます。
- もはやAIアシスタントには必須の「Web検索機能」
- 「Canvas機能」でブログ記事や資料、コード生成もラクラク
- 超長いPDFも要約可!「Pixtral Large」による高度なドキュメント・画像分析
- Black Forest Labs Flux Proの採用で、 チャットから直接「画像生成」が可能
1.もはやAIアシスタントには必須の「Web検索機能」
ChatGPTにも2024年11月に同様のアップデートがありましたが、Le ChatもWeb検索に基づく回答を表示することが可能です。
▼チャットバーで「Web search」を選択するとWeb検索モードになります
▼通常の対話とWeb検索の結果を比較するとこんな感じ…(上:通常、下:Web検索)
Web検索モードを選ぶことで最新の情報に基づく回答をしてくれるので、調査などの目的で活用したい場合にはとても役に立ちますね。(正直、この機能はもはやAIアシスタントを使う上では欠かせないですよね…!)
2.「Canvas機能」でブログ記事や資料、コード生成もラクラク
Le Chatには、ChatGPTのCanvasや、ClaudeのArtifactsのような機能があります。言葉で説明するのがなかなか難しいので、公式の動画をまずはご覧ください。
このように、AIと対話しながら成果物を作っていくことができます。例えば「このサイトと同じものを作りたいのでコーディングを手伝って」と伝えて本サイトのURLを送信したところ、このように一瞬で基本的なサンプルコードを生成してくれました!
▼「サイトのコピーはNG」ということで例を提示してくれました
また、「Le Chatについてのブログ記事を書きたい」をお願いしたところ、最初から割とクオリティの高いブログ記事を生成してくれました。
▼タイトルや要素を共有すると、このように記事にしてくれます
使い方次第では、非常に便利な機能です。優秀な壁打ち相手として、さまざまなアウトプットの創出を手伝ってくれそうですね。
3. 超長いPDFも要約可!「Pixtral Large」による高度なドキュメント・画像分析
個人的に最も感動したのがこの機能です。Le Chatでは、Pixtral Largeという最新LLMが搭載されたことで、大規模で複雑なPDFドキュメントや画像の分析、要約が可能になりました。
使い方は非常に簡単で、ドキュメントをチャットバーに添付するだけで、その中に含まれるテキスト、グラフ、表、図、方程式など、基本的にすべての情報を読み取ってくれます。
例えば、スタンフォード大学が公開している生成AIに関する502ページのレポート資料をまとめてもらうこともできました(英語の資料ですが、日本語で要約してくれます。これはマジでありがたい)。
▼さすがに少し時間がかかりましたが、翻訳も含めて完璧
当媒体で公開しているレポート資料も、全編日本語ですが問題なくまとめてくれました。
▼日本語の素材であってもバッチリです!
この機能は、リサーチなどを日々行う方にはかなりありがたいのではないかなと思います。同じようなことができるAIツールはもちろん他にもありますが、現時点で完全無料で容量無制限なのがすごいですね。
4.Black Forest Labs Flux Proの採用で、 チャットから直接「画像生成」が可能
Le ChatにはドイツのBlack Forest Labsの画像生成AIモデル「Flux Pro」が採用されており、チャットバーから直接画像を作成できます。繰り返しになりますが、これも無料でいくらでも生成可能です。
▼適当なプロンプトで生成してみたのですが、けっこう良いクオリティで驚き
例えばブログ記事を書くときに、リサーチ、Canvas機能による執筆、そして画像生成までここで完結できてしまうので、非常に便利だと感じました。
全体的に使ってみて感じるのは、使い手の工夫次第で無限大の可能性があるツールだと思います。一方でまだ挙動には若干不安定な部分もあり、PDFの読み込みやまとめも、1回目はうまくいかなかったこともありました。
プロンプトを細かく変えたり何度か試すと良い結果が得られたので、ぜひ、根気強く試してみてください。
いかがでしたでしょうか。Le Chatはこのような機能の多さ、性能の高さから、ChatGPTやClaudeといった競合に対して優位性を持つ可能性があります。
現在はベータ版として無料で提供されていますが、今後は企業向けの有料版も提供される予定とのこと。今後のアップデートにも注目ですね。(了)