• デジタルデータソリューション株式会社
  • 代表取締役社長
  • 熊谷 聖司

「たった6ヶ月間の改革」Salesforceの導入が、組織にもたらした大きな変化とは

〜コミュニケーションからプロジェクト管理まで。組織改革に貢献した、Salesforceの豊富な機能を紹介〜

激しい競争にさらされるビジネスの世界を勝ち抜くためには、社内の各部門がスピーディーに連携していくことが重要だ。その手段に何を選ぶかで、組織は大きく変化する。

パソコン・スマホ・家電などの「データ復旧」の市場で、10年連続国内シェアNo.1を誇るデジタルデータソリューション株式会社。

▼本社で厳重なセキュリティの下、管理されているハードディスク

およそ80名が働く同社では、「オンラインのコミュニケーションは1対1のメールのみ」「KPIは全てエクセル管理」「面談の議事録は残さない」と、組織の各部門が連携しづらい状態にあった。

その課題を解決するために導入したのが、CRM(顧客管理)ツールの「Salesforce(セールスフォース)」だ。それによって、わずか6ヶ月間で組織を大きく改革することに成功したという。

今回は、同社で代表を務める熊谷 聖司さんと、Salesforceの導入を担当された趙 暁豪さんに、その成果についてお話を伺った。

「一枚岩の組織」を作るために、大きく貢献したSalesforce

熊谷 弊社はパソコン・スマホなどのデータ復旧事業を中心に、デジタルデータの問題解決を幅広く行っている会社です。

事業が拡大する中で、昨年の11月に顧客管理システムを入れ替えようという話になりました。当時は昔ながらのソフトウェアを使っていたのですが、顧客数も増えて、もう限界だったんですね。

そこで導入したのが、「Salesforce(セールスフォース)」です。Salesforceの名前自体は聞いたことがあったのですが、最初から「決め」で導入したわけではなく、他の顧客管理ツール2社と比較検討をしました。

結果、シーズン毎にアップデートされていること、ライセンスを契約すると色々な追加サービスが使えそうだ、という2点がポイントになって、Salesforceの導入を決めました。

 Salesforceは、最初は顧客管理だけを目的として導入しました。ただ使ってみると、社内チャットやプロジェクト管理など、色々な使い方ができることがわかったんです。

結果的に現在は、これらの機能が、社内の情報共有を活性化し、業務スピードを上げることに大きく貢献しています。


弊社のサービスは、お客様の問い合わせを受けてから、「診断→契約→復旧→納品」と、多くの部門間でバケツリレーをしていきます。ですので、横の連携がものすごく重要なんですね。

そのため、組織が一枚岩になることが大切なのですが、その実現にSalesforceが大きな価値を発揮しました。

KPIのダッシュボード化から、プロジェクト管理まで実現

熊谷 まず、これまではエクセルで行っていたKPI管理を、Salesforce上でダッシュボード化しました。「売上」「問い合わせ数」「納品待ちの在庫数」などの情報を、リアルタイムに把握することが可能になったんですね。

▼KPIをリアルタイムに可視化するダッシュボード

 こういった会社全体の状況把握に加えて、例えば「マーケティング関連の資料整理」「他社技術調査」といった個別プロジェクトの進捗も見える化しています。

▼社内で進行中のプロジェクトを一覧化


プロジェクトの開始日や完了予定日、一連のアクションをあらかじめ登録しておき、それらが完了するごとにステータスを更新していきます。情報の更新履歴も全て残しているので、後から振り返ることも可能です。

今、社内で89のプロジェクトが動いているのですが、Salesforce上で、「誰が」「どのくらいまでやっているか」という進捗が、ひと目でわかるようになりました。

専門用語や社内ルール、面談履歴まで!Salesforceに情報を蓄積

 また、データ復旧という業務は、ネットで検索しても出てこないような専門用語を使うことが多いため、Salesforce上の社内wikiに用語の解説を登録しています。

▼専門用語の情報を蓄積する社内Wiki

今までは、どこにも情報がまとまっておらず、新人が苦労していたのですが、自ら検索して勉強してもらえるようになりました。専門用語だけでなく、交通費の申請方法といった社内ルールや規定まで、全て登録しています。

熊谷 ミーティングやチームメンバーとの面談記録も、以前はどこにも残していなかったのですが、Salesforceを導入してからは、しっかりと記録するようになりましたね。いまは面談をすれば、必ず履歴を更新しています。

▼過去の面談記録を参照できる(画像内「コミュニケーション履歴」)

そうすると、顧客と面談や食事をしようと思った時に、履歴を確認することで、過去にどのようなことを話していたのかがわかって、短時間でより深い面談が効率的にできるようになりました。

社内チャットでコミュニケーションが加速!評価との紐付けも

熊谷 また、社内で大活躍しているのが、Salesforceのチャット機能「Chatter(チャター)」です。

▼「Chatter」上で作られたチャットグループ

以前の社内コミュニケーションは、基本的にメールで、1対1の可視化されていないやり取りのみでした。けれど全社員でChatterをグループチャットとして使うことで、コミュニケーションが非常に活性化しました。

例えば、世界のどの会社も直せないようなデータ復旧にエンジニアが成功した時は、必ずChatter上で「こういう症状が直りました!」と投稿してもらいます。

▼ビジネスサイドメンバーと同じフロアで、エンジニアが復旧作業を行っている

これまでは、そういった情報が全体に発信されていなかったので、一部の人しか知らないことがたくさんあったんです。けれど今では、誰がどんな仕事をしているのか、わかるようになりました。

このような発信に対して、皆が「いいね!」やコメントをしているのですが、弊社では、投稿数、投稿に対してのリアクション数を、人事評価指標のひとつにしています。

▼ 投稿に対して、メンバーがリアクションすることができる

良い報告も悪い報告も、どんどん発信していきましょうという考え方です。

このように情報発信を促進することで、誰が何を考えているのか、今まで以上にわかるようになりましたし、ひとつの問題に対して皆が当事者として考えることができるようになりました。

専用アプリケーションの活用で、更にSalesforceをカスタマイズ

 また、最近はSalesforceが提供している専用アプリケーションも活用しています。

例えば通常のダッシュボードよりも、更に詳細な情報を見える化できる「Wave Analytics」や、SNSでのつぶやきを収集して、それに対してリプライできる「Marketing Cloud」といった最新ツールも使い始めました。

Wave Analyticsを使うと、ダッシュボードをより簡単に、自由にカスタマイズすることが可能になります。色々な切り口から数字を確認できるので、「どこに問題があるのか」「どう解決しようか」ということを、皆で議論して、打ち手を考えるのに役立っています。

▼可視化したい情報を自由にカスタマイズできる「Wave Analytics」

また、Marketing Cloudを使えば、SNS上で「ハードディスクが壊れました」とつぶやいている見込み顧客を見つけることができます。そして、そのユーザーに対して、弊社のSNSアカウントから「1度診断をしてみませんか?」と、アプローチをしてみたりしています。

▼SNS上からの見込み顧客獲得に活用できる「Marketing Cloud」

6ヶ月で大きな成果を実感。より自由な働き方を目指す

 Salesforceはどんどん進化していて、今後はAIも搭載する予定だそうです。

例えば、お客様から来たメールに対して、どんなメールを返せば良いのかを提案してくれたり、電話でアプローチする場合にも、より成約率の高い時間帯を教えてくれたりするそうです。

組織へSalesforceを定着させていく立場の人間として、今後も常に新しい機能を使いこなせるようにしていきたいですね。

熊谷 また、今はセキュリティーの関係で社内からしかアクセスができないのですが、今後はスマホを全社員に配布して、いつでもSalesforceを利用できるようにしていく予定です。

会社に来なくても、家や訪問先で仕事が完結できるような働き方を実現していきたいと考えています。

まだ、導入して6ヶ月ほどですが、情報の発信や蓄積などの面で、組織が大きく変化したことを強く感じています。これからも、コミュニケーションや情報共有を強化して、より事業の成長スピードを高めていきたいですね。(了)

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