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MAは導入後が肝心!スコアリング、営業との連携…初めてのMAにおけるハードルとは

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〜NTTデータイントラマートがSalesforce、Synergy!LEAD、SCOBLEを連携させ、試行錯誤しながらマーケティング・オートメーション(MA)に挑んでいる事例〜

テクノロジーが可能にする新しいビジネス・ソリューションとして、注目を集めているマーケティング・オートメーション(MA)。すでに導入した企業、あるいは導入を検討している企業も多いだろうが、その運用は容易ではない。

MAでは、マーケターがリード(見込み顧客)の自社サイトへの訪問、資料のダウンロード、メルマガの開封やクリック、セミナーへの参加などの様々な行動にスコアを付与する。そして、特定のリードの累計スコアが一定値を超えたところで、そのリードをインサイドセールスや営業に引き渡し、受注につなげる。

このスコアリングのルールの設定、そして営業との連携には困難がつきものだ。NTTデータの社内ベンチャーから生まれ、PaaS型のシステム共通基盤intra-martを提供しているNTTデータイントラマートも、その課題と格闘している。

同社は「Salesforce(セールスフォース)」と「Synergy!LEAD(シナジーリード)」に、Salesforce上でのスコアリングを実現する「SCOBLE(スコブル)」を連携させた仕組みを構築している。試行錯誤しながらも、これまで使い道がなかったデータの活用や、マーケターの仕事の成果を「見える化」するなど、効果が見えてきているという。

今回は同社マーケティングチームの添田 健人さんに、MA導入のきっかけと、これまで得られたノウハウや成果について、詳しいお話を伺った。

2人だけのマーケチームで、主にインバウンド側を担当

私はNTTデータイントラマートに新卒で入社しました。入社後は販売代理店さん向けの営業を2年ほど担当し、その後はマーケティングに携わっています。

NTTデータイントラマートの添田 健人さん

弊社のマーケチームは2人しかいないので、あまり明確な役割分担がありません。ただ、基本的に私はインバウンド側を担当し、お客様のWebからの問い合わせを増やす方法を考えたり、顧客データの管理や、イベントやセミナーの企画・運営を行っています。

顧客管理には、データをワンストップで管理できる「Synergy!LEAD(シナジーリード)」を以前から利用していました。Synergy!LEADと「Salesforce(セールスフォース)」を連携させ、データの分析と活用をSalesforceで行っていた、という感じです。

▼顧客情報をワンストップで管理する「Synergy!LEAD」のデモ画面

顧客情報をワンストップで管理する「Synergy!LEAD」のデモ画面

膨大な顧客データを活用するため「SCOBLE」でスコアリングを開始

しかし、2年前に私がマーケチームに入った時点では、Synergy!LEADに蓄積された顧客データを十分に活用できていませんでした。膨大な顧客データを人海戦術で見ているような感じだったので、2人のチームだとどうしても手が回らなかったんです。

例えば、それぞれのお客様の状況や関心に合わせたメールを配信するなど、顧客データをプッシュ型の情報提供に利用できていませんでした。そこでマーケチーム2人でざっくばらんに話し合って、人海戦術をやめてマーケティング・オートメーションを始めることにしたんです。

そのためには、リードの温度感を可視化できるスコアリングの仕組みを取り入れる必要がありました。そこで、Synergy!LEADと相性が良く、Salesforce上でスコアリングを実現できる「SCOBLE(スコブル)」の導入を決めました。

▼リードスコアリングツール「SCOBLE」のデモ画面

リードスコアリングツール「SCOBLE」のデモ画面

SCOBLEは、リードの属性や行動に応じて、あらかじめ設定されたスコアを付与することで、リードの「現在価値」をSalesforce上で可視化するツールです。この機能によって、ホットなお客様がどこにいるのか、ドーマント(休眠状態)になっているお客様がどれだけいるのかを把握することが狙いでした。

そして、ホットな先は営業に渡し、ドーマントであれば定期的にメールなどを送り、もう一度弊社にアクションしてもらえるように温めていこう、と考えたんですね。

スコアリングを導入すると、データに基づいた施策を打てる

SCOBLEを導入したことで、Salesforce上のダッシュボードで、リードのステータスをチェックできるようになりました。スコアがしきい値を超えたお客様の新規率や、業種、企業名、などをすぐに見ることができるようになったんです。

▼Salesforce上のダッシュボード(イメージ)

Salesforce上のダッシュボード

そして、例えば製造業やサービス業の割合が高ければ、営業やパートナーさんと組んで、それらの業界のお客さんを攻めていきましょうということになります。逆に、割合が低い業界には、マーケチームの方で、そこに特化した情報をどう届けて、お客様を掘り起こしていくかを考えていきます。

このように、データに基づいた打ち手が出せるようになったのは、SCOBLEでスコアリングを導入した成果だと思います。

スコアリングは難しい!既存顧客がしきい値を超えてしまうことも 

ただ、導入・運用の過程で難しかったのは、やはりスコアリングの調整です。どのアクションにどのくらいの点数を付加するのか、しきい値を何点に設定し、しきい値を超えたお客様にどういうアクションをするのか。私たちも初めての取り組みなので、ノウハウもなく、手さぐりで進めるしかありませんでした。

基本的には、どのページをみたら何点といった「行動」に対するスコアリングと、部長職以上だったら何点といった「属性」に対するスコアリングという形で分け、点数を付与していました。

NTTデータイントラマートの添田 健人さん

でもこの方法だと、思わぬ壁にぶつかることもあって。例えば、自社ページ上のトラッキングをしていると、実は訪問者に、既存の販売代理店の方が多いことがわかったんです。つまり、ページ上の行動に対してのスコアに重きを置くと、私たちの意図に反して、しきい値を超える既存の代理店さんが出てきてしまうこともありました(笑)。

とはいえ、この事実からは、新規のお客様へのアプローチが思った以上に足りないということがわかりました。そこで、イベントへの出展を増やし、新しいお客様にリーチしていくという打ち手を出すことができました。

スコアと実際の「温度感」を、単純に結びつけるのは危険

スコアが加算されるポイントは色々なところに設けているのですが、スコアとお客様の「温度感」のバランスを取るのも難しいです。例えば「資料をダウンロードする」という行動は一見ホットに見えますが、まだお客様は情報収集の段階なので、他社サイトからもダウンロードしたりしているかも知れないですよね。

この点については、今後は資料ダウンロードと、他のアクションをひも付けてみようと考えています。資料をダウンロードしている、試用版もダウンロードしている、さらに問い合わせもきている、となったら当然ホット。でも、資料ダウンロードだけであれば、これはまだ営業に渡さず、マーケティングチームだけで対応しよう、といった形です。

Synergy!LEADとSCOBLEを連携し、顧客に合わせた繊細なフォローも

SCOBLEの導入によって、Synergy!LEADの活用の幅も広がりました。会社名・従業員数・売上・業種といったSynergy!LEAD上の顧客データとスコアをひも付けて、お客様のステータスに応じたメールの配信をしています。

個々のお客様について、どのようなメールを配信したかの履歴もチェックできますし、お客様がどのページにアクセスしたか、どのメールを開け、どこをクリックしたかという情報も取得できます。

NTTデータイントラマートの添田 健人さん

さらに便利なのは、これらの情報をレポートとして引っ張ってきてリスト化できることです。

例えば、「3月に弊社のHPから問い合わせをしてきたお客様」だけをデータベースから引っ張ってきて、そのお客様の企業名や役職、問い合わせの内容といった情報を出せます。その情報を営業と共有して、個別にお客様のフォローをすることができます。

マーケティングチームの成果が「見える化」された!

このようなマーケティングオートメーションの仕組みができたことで、どの流入経路からの問い合わせが何件あって、そこから案件化したのが何件か、ということが簡単にわかるようになりました。これらの情報のおかげで、営業活動を案件化率が高い経路に集中させたり、問い合わせが少ない経路の掲載情報を刷新したりといった改善ができています。

さらに副次的な効果として、マーケチームの成果を社内に数値で伝えられるようになりました。もともとマーケティングって、営業に比べると数値的な成果が見えにくいんですよね。それが見える化されたことで、予算も確保しやすくなったと思います(笑)。

とは言え、特にスコアリングのルールについてはまだ試行錯誤を重ねている段階です。今後はそのルールを、営業から「実際そのリードがどうだったか」についてフィードバックをもらいながら、改善していきたいと思っています。

うちは社内気質的には、ざっくばらんに話す風通しの良さがありますが、それでも営業とマーケの間では考えていることにギャップがあります。

マーケが、何でもかんでも「ホットだから」と渡してしまうと、営業側にはリソースの問題が生じてきます。逆にマーケとしては、こちらがリードをこんなに渡しているのに、なんでこんなに案件化しないの、なんで動いてくれないの、と思いがちです。

NTTデータイントラマートの添田 健人さん

今後は、こういったギャップを乗り越え、営業と連携しながら、より良い仕組みを作っていきたいと思っています。(了)

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